東北初!仙台空港で礼拝堂を設置:地方空港がムスリム受け入れに注力する理由が意外?背景には「入国経路の変化」と「ムスリム市場の好調ぶり」が

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多くの訪日外国人観光客の玄関口となっている空港。法務省の出入国管理統計統計表によると、訪日外国人観光客のうち97.4%が国際空港から入国しています。訪日外国人観光客を最初におもてなしする場所でもある空港とだけあって、国や地域に偏らない多岐にわたるインバウンド対策に取り組んでいます。仙台国際空港でも、最近あらたなインバウンド対策を実施しました。

成田1強から変化 インバウンドの玄関口はどこだ!?訪日外国人の入国者数で見る空港・湾港ランキング

インバウンドのおもてなしの玄関口となる空港や湾港。その利用者数は、今まではゴールデンルートの出発点となる成田国際空港の1強でしたが、その勢力図に変化が見え始めています。今回は、訪日外国人観光客が日本のどこから入国しているのかを調査してまとめました。<関連>インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料でダ...

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仙台国際空港でムスリム向けに礼拝堂を新設:地方中枢都市の空港で進むムスリム受け入れ環境の整備

近年、訪日外国人観光客の利用が増えている仙台国際空港では、仙台空港ターミナルビルにムスリム向けの礼拝室を新設しました。3月23日から利用が可能となっています。ムスリム向けの礼拝室を設置するのは東北の空港で初めてとのこと。

ムスリム向けの礼拝室は、成田国際空港関西国際空港中部国際空港福岡国際空港などでも利用が可能になっており、大都市圏の主要空港のみならず、地方中枢都市に位置する空港にも設置が進んでいます。また、ハラル対応のレストランやムスリム向けお土産ショップなども空港にオープンしており、仙台や福岡などの地方中枢都市に位置する空港ではムスリム向けのインバウンド対策を充実させていることがわかります。この背景にはいったい何があるのでしょうか。

【飲食インバウンド担当者必見】ハラル食品の市場規模は1,000億円以上に成長見込み!ターゲットは東南アジアのミレニアル世代2億人?日本産のハ

訪日ラボでもご紹介しているように、東南アジアと日本を結ぶLCC(格安航空会社)の就航便増加に加え、イスラム教徒が多いインドネシア人とマレーシア人の訪日観光ビザの要件が緩和されたことから、近年ムスリムの訪日外国人観光客が急増しています。ムスリムはイスラム法で食べることを許された食材や料理(ハラル)を食すため、訪日旅行時などは食事の制限が多いことで知られます。こうしたムスリムの訪日外国人観光客の食に関する問題を解決してくれるものが「ハラル食品」であり、近年日本国内でその市場規模は大きなものにな...

何故、ムスリム受け入れ体制を充実させる?ポイントは下記の2つ

①地方中枢都市から入国する訪日客が増加傾向にあること

訪日外国人の入国者数(空港別):2006年と2010年と2016年の比較:国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

訪日外国人の入国者数(空港別):2006年と2010年と2016年の比較:国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

国土交通省が発表した「地方空港におけるインバウンドの概況」によると、近年、福岡・中部・新千歳・那覇など、地方中枢都市に位置する空港から入国する訪日外国人が増えています。

上記のグラフで紹介しているように、ここ10年で福岡空港新千歳空港那覇空港などで訪日外国人の入国者数に増加が見られます。一方、羽田空港成田国際空港関西国際空港など 大都市圏に位置する空港から入国する訪日外国人の数の伸びは、地方中枢都市に位置する空港と比べると小さくなりつつあることも把握できます。以前であれば地方を訪れる際、大都市圏を経由、もしくは滞在先の地方都市に直接訪日する外国人が多い傾向にありましたが、最近では福岡や新千歳、那覇などから入国し、地方を訪問する訪日外国人が増えているようです。

訪日客の「地方へ」の流れにブレーキ?地方空港から入国する訪日客数の増加に歯止めがかかった2016年:裏には訪日客の地方訪問経路の変化が

訪日外国人の 97.4% は空路から入国しています。船舶を利用する訪日外国人は全体の2.6%を占めるのみであり、これからもこの傾向は変わらないでしょう。一方、訪日外国人が入国する際の空港は、成田空港や羽田空港、関西国際空港など大都市圏に位置する空港であったり、大都市圏以外に属する地方空港であったりと 国籍や時期・訪日目的によって変化 します。ここ数年にわたり、地方空港を使って日本に入国する訪日外国人の数は増加傾向でしたが、2016年になってその傾向にも歯止めがかかりつつある ようです。イン...

②ムスリム市場が成長し続けていること

さらに、円安とLCCの就航増の影響も伴い、東南アジアの人々にとって訪日旅行は身近なアクティビティとなりつつある近年。東南アジア諸国の中でも、インドネシアやマレーシアには[ムスリム](https://honichi.com/news/2017/12/20/musliminbound/)が多く、訪日外国人観光客数も順調に推移しています。JNTO(日本政府観光局)のデータによると、2017年の訪日マレーシア人観光客数は約44万人で伸び率は前年比11.5%増訪日インドネシア人観光客は35万人で前年比30%増となっており、こうした背景から日本のインバウンド市場において[ムスリム](https://honichi.com/news/2017/12/20/musliminbound/)は注目されています。

訪日ムスリム旅行者が2年で4倍以上に増加した2つの理由とは?

以前の訪日ラボの記事でもご紹介したようにムスリムの海外旅行市場は、2026年には 3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)にまで成長するとされており、世界中で注目されている市場 です。日本のインバウンド市場に関しても近年、ムスリム誘致へさまざまな取り組みが行われていますが、そもそも 日本のムスリム旅行者市場はどの程度のものなのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global M...

中枢都市に位置する空港からの入国の増加、ムスリム訪日客市場の好調ぶりから空港ではムスリム向けのインバウンド対策を充実させていることが把握できます。

空港で進むムスリムの受け入れ:今後には地方にも恩恵が?

仙台空港福岡空港など地方中枢都市に位置する空港では、ムスリム向けのインバウンド対策に注力しています。背景には①インバウンド業界で訪日ムスリム市場が注目されていること②地方中枢都市に位置する空港から入国する訪日外国人が増加していることの2つが存在しています。仙台や福岡などその地域の中では比較的規模が大きい都市の空港にてムスリム受け入れ体制を整備することで、今後は多くのムスリム東北九州の地方都市に流れるかもしれません。

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<参照>

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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