インバウンドやるなら必ず知っておくべき イスラム独特の「シャリーア」:マレーシア・インドネシアからの「ASEANムスリム訪日客」に特別な気遣いが必要なのは何故?

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日本におけるムスリムインバウンド市場急速に拡大しています。2016年にはムスリム訪日客全体の3%・70万人に達しました。ムスリム訪日客のうち60%はASEAN諸国出身で、その中でも急増したのがインドネシアマレーシアからのムスリム訪日客です。インドネシアからが27%、マレーシアからが23%と、この両国でほぼ半数を占めています。

訪日ムスリム旅行者が2年で4倍以上に増加した2つの理由とは?

以前の訪日ラボの記事でもご紹介したようにムスリムの海外旅行市場は、2026年には 3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)にまで成長するとされており、世界中で注目されている市場 です。日本のインバウンド市場に関しても近年、ムスリム誘致へさまざまな取り組みが行われていますが、そもそも 日本のムスリム旅行者市場はどの程度のものなのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global M...

インバウンド市場においてムスリム訪日客を取り込むための試みムスリムフレンドリープロジェクト」も各地で本格化しています。地理的にも近く、経済的にも成長を続けるASEANムスリム訪日客。彼らに訪日リピーターとなってもらうためには、どのようなことを心掛けておくべきでしょうか?

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【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

ムスリム訪日を迎える基本の三点セット「ハラルフード・礼拝所・英語対応」

ムスリム訪日客を迎えるうえで、一番最初に取り組みやすいのは食事の問題です。ムスリム観光客はイスラム教の教えにより、豚肉とアルコールに触れることを許されないためハラルと呼ばれる食事を提供します。

【飲食インバウンド担当者必見】ハラル食品の市場規模は1,000億円以上に成長見込み!ターゲットは東南アジアのミレニアル世代2億人?日本産のハ

訪日ラボでもご紹介しているように、東南アジアと日本を結ぶLCC(格安航空会社)の就航便増加に加え、イスラム教徒が多いインドネシア人とマレーシア人の訪日観光ビザの要件が緩和されたことから、近年ムスリムの訪日外国人観光客が急増しています。ムスリムはイスラム法で食べることを許された食材や料理(ハラル)を食すため、訪日旅行時などは食事の制限が多いことで知られます。こうしたムスリムの訪日外国人観光客の食に関する問題を解決してくれるものが「ハラル食品」であり、近年日本国内でその市場規模は大きなものにな...

そしてムスリムは毎日礼拝を欠かさないため礼拝所の用意が必要です。

増加するムスリムインバウンド 各自治体の先進事例に学ぶ、ムスリム旅行者の受け入れ対策とは

近年、ビザ要件の緩和やLCCの就航等により東南アジアからの旅行者が急増しており、マレーシアやインドネシアからのムスリム旅行者が今後一層増加することが見込まれています。観光庁は施策としてムスリム旅行者を迎え入れる環境の整備に取り組んでおり2015年8月にはムスリム旅行者が訪日した際に、宗教的・文化的な習慣に不便を感じることがなく、安心して快適に滞在できる環境の向上を図るため、ムスリム旅行者の食事や礼拝に対する習慣やニーズをもとに、「ムスリムおもてなしガイドブック」を作成。また、2015年11...

食事にしても礼拝所や英語案内も、ある意味「ハード」面からの解決のため、取り組みを始めれば成果が出る可能性が高いといえます。これらの背景を理解するため「ソフト」面であるイスラム教理解は進んでいるのでしょうか。

海外では大きな影響をもつ「宗教」国によっては政教分離していない

日本の食事や生活スタイルを思い切り楽しめばいいのに、どうしてムスリム訪日客は旅先ですらイスラム教独特の特別待遇を求めるのでしょうか。

じつはこれらの要求は母国の政治体制や法律が背景にあることを理解しておいたほうがいいでしょう。

ASEANイスラム訪日客が多いマレーシアインドネシアの宗教環境について、外務省のまとめた基礎データから見てみましょう。

外務省ホームページより訪日ラボ作成

外務省ホームページより訪日ラボ作成

これを見ると、マレーシアインドネシアいずれも、はっきりと政教分離しておらず、イスラム教が政治体制に大きな影響があることがわかります。

イスラム法「シャリーア」は実社会でどこまで影響するのか?

イスラムの教えを実社会で法として適用することを「シャリーア(イスラム法)」といいます。イスラム教徒が戒律を破ると、法律違反したとして刑罰が科せられるのです。この考え方は日本には無いものなので覚えておいたほうがいいかも知れません。

マレーシアインドネシアにおけるシャリーアの例を見てみましょう。

マレーシアの宗教警察

マレーシアには宗教警察があり、イスラム教の教えに反すると逮捕されたり、宗教裁判所に出頭を命じられ、罰金刑などに課せられます。とくに男女関係や女性の外出時の服装など、風紀面に厳しいようです。

インドネシアのシャリーア適用州

インドネシアでは地域差は大きいものの、政教一致の特別自治法を持っている地域もあります。スマトラ島北西端のアチェ州ではイスラム法(シャリーア)に基づく裁判が認められています。個人のライフスタイルや趣味嗜好にも厳しく口を出すことで知られ、刑罰はかなり過酷で、鞭打ちなどがあるそうです。

まとめ:成長し続けるASEANムスリムのインバウンド需要。イスラム的価値観や習慣を学ぶ必要が

日本におけるムスリムインバウンド市場は2026年には3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)まで成長すると期待されています。彼らをおもてなしするためにはムスリムの価値観や習慣をよく理解して用意する必要があります。

増え続けるムスリム旅行者 日本観光の玄関口である成田空港がある千葉県のムスリム対応は?

近年はビザの緩和、LCCの就航などによって 東南アジアを初めとするイスラーム圏からの訪日旅行者が増えています。 こうした流れを受けて観光庁はわかりやすいムスリム対応を実際に周知、ムスリム旅行者の受け入れ体制を強化するという目的で「ムスリムおもてなしガイドブック」を作成しています。各都道府県、自治体も独自の「ムスリム対応ガイドブック」「ムスリム旅行者向けガイド」を制作していますが、訪日観光の玄関口である成田空港がある千葉県もこうしたガイドを制作しています。早速内容を見てみましょう。目次「CH...

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<参考>

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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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