【台湾】旅行博なのに人気ブースは「化粧品ブランド」/美容部員がその場で化粧をしてくれて試せるしかけ:インバウンド需要換気の工夫が光る「台中国際旅行博覧会(ATTA)」【現地レポート】

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4日間で8,000人以上が訪れるATTA

次の旅行先をお得に比較できる、台中国際旅行博覧会 (ATTA)が2018年5月25日~5月28日に台湾の第2の都市である台中で開催されました。

昨年は146,935 人もが訪れたこのイベントでは、約500のブース目当てに、平日にも関わらず(筆者は初日に参加)1,800人を超える来場者が訪れました。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

最寄り駅から会場行きの無料バスも出ており、アクセスも抜群です。台湾の首都台北で開催される旅行博では更に多くの来場者が訪れるとのことです。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

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国内外の旅行業者や企業など500の出店ブース

出店ブースの種類は大きく以下の5つに分かれています。

(1) 台湾の旅行業者
(2) 台湾国内観光PR
(3) 日本観光PR
(4) 海外観光PR
(5) 商品・サービスPR

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

(1)では国内外の旅行パッケージが並んでおり、ここでツアーなど旅行商品の比較、相談、予約を行います。かなり多くの旅行業者が集まるため、観光地だけでなく旅行業者のパッケージも比較できます。

(2)(3)(4)は観光地のPRが中心のブースです。ここで観光地について詳しく聞き、(1)に戻って予約をする人が多いですが、各ブースで予約することも可能です。

(3)の日本観光PRでは、北海道、岩手、群馬、静岡、和歌山、大分、沖縄など地方の観光地と、訪日買い物客に根強い人気のビックカメラ、JR東日本、日本の伝統的な料亭などが出展していました。

(4)の海外観光PRでは、マカオ、中国が多く、次いでタイ、インドなどアジア地域、そのほかヨーロッパ地域のブースが出展していました。

(5)は英会話教室、化粧品、地方の名産品など台湾のもの、外車や家電など海外商品が並んでいました。

来場者の目的は安価な旅行パックの購入と観光ブースの景品

ATTAに訪れる人の目当ては旅行予約とブースを周ってご当地グッズや景品をもらうことです。旅行関連会社が一堂に会すので、比較検討しながら安く旅行パックを予約できます。

観光地PRのブースではFacebookで「いいね」やシェアをすると、各ブースのグッズがもらえます。例えば、沖縄のブースでは沖縄の塩を使った石鹸、静岡県ブースでは静岡県名産のお茶のマグネットなどです。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

また「ご当地の知識の質問大会」があり、挙手した来場者の回答が当たると商品がもらえました。ここでは来場者が20人ほど集まり、大人も子供も皆熱心に手を挙げていました。私が見たのは、日本についての質問大会でしたが、来場者は皆詳しいようでほぼ全員が手を挙げていました。他にも、スマホでチケットのURLを読み込み、旅行地やホテルの無料招待券が抽選で当たる特典もありました。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

ATTAで例年人気の日本ブース

例年、出展ブースに日本観光PRという括りがあることからも分かるように、日本旅行が人気です。ブースのPRに惹かれているというよりは、もともと日本旅行目当ての方が多いそうです。

各ブースは観光地の写真などを壁一面に貼り、一目見て観光地をイメージできるレイアウトが目立ちました。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

例えば岩手県盛岡市のブースでは雪棚や桜の写真を壁一面に貼っており、沖縄県のブースではハイビスカスのデザインとアロハシャツを壁一面に貼るなど、数あるビーチリゾート観光地のPRの中でも目立っていました。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

日本製商品を押し出したブースもありました。ビックカメラでは、日本の美容商品のお試しコーナーがあり、SNSでのシェア特典もスムージーや美容商品が当たるなどの豪華なもので女性をターゲットにしていました。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

PR商品に合わせた様々な呼び込み

特に多くの人の注目を集めたのは「台湾の旅行業者ブース」と「商品・サービスPRのブース」でした。

旅行業者ブースでは、実際に旅行パックを販売しており、一番売上につながるブースのため台湾各地の旅行業者がかなり熱心に来場者に声をかけていました。また、ほとんどの来場者はここで旅行パックの説明を聞いて比較をするようです。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

商品PRブースでは、特に化粧品ブースと高尾のご当地名産食品ブースが人気でした。

化粧品関連の会社は、ブース外で女性スタッフがテスターを配って呼び込みをしていました。その場で美容部員が化粧をしてくれ、美容液などを試せることも人気の1つです。

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

ご当地名産食品ブースは全体的に人気があるわけではないものの、台湾で有名な台湾南部の嘉義県、民雄のキャロットケーキのブースが人気でした。

## FacebookによるSNS活用が目立つ

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

Facebookで「いいね」やシェアをすると、ご当地グッズのブレゼントや、くじ引きで景品が当たります。

SNSの中ではFacebookの活用が多く、TwitterInstagramの活用はほとんどありませんでした。台湾では、老若男女ともFacebookを使う傾向があるという理由からですが、Facebook上で観光地を検索することは少なく、若者のみInstagramで観光地を検索しています。

また、Twitterユーザー人口はFacebookやInstagramと比較すると少ないです。特に若い女性は、#観光地名で検索し、Instagramの写真を見て観光地のリサーチをするので、Instagramをもっと活用すべきだと個人的には思いました。例えば来場者に#観光地名で、観光地の画像をシェアしてもらえば景品がもらえる、などの施策が考えられるでしょうか。

インパクト重視! 五感に訴えるPR

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

ブースを周っていると、視覚や聴覚など五感に訴えるPRが多いことに気付きました。いくつものブースを見ている中で、文字の情報量が多いと少し疲れてしまうので、わかりやすくシンプルに写真や演奏で人間の感覚に訴えかけるものに惹きつけられました。

▲三味線などの音によるPR

▲三味線などの音によるPR

中国の海南島のPRでは中国楽器や日本のPRでは三味線の演奏があり、遠くにいても音色が聞こえると、思わずそのブースに惹きつけられます。

また、岩手県の盛岡市のブースでは、冬は雪棚、春は桜、秋は紅葉というように季節ごとに異なる魅力をPRしており、リピーターを狙う方法が面白く感じました。

豊富な配布物が来場者の比較検討に役立つ

▲台湾の旅行博「台中国際旅行博覧会(ATTA)」開催の様子

比較材料として沢山の配布物もらっている来場者が多く見られました。各ブース担当者もご当地をPRする大きな袋を配っており、来場者はその中に配布物をしまっていました。

▲群馬県水上町が配布していた袋

▲群馬県水上町が配布していた袋

会場のみならず、一旦家に持ち帰り、じっくり読んで比較する人も多いようです。そのため後からオンラインや電話で連絡もできるように各パンフレットには連絡先が記載してあります。

これだけ多くの選択肢がある中で、その場で観光地やプランを比較して決めるのは難しいので、配布物の内容に力を入れて、印象付けることも重要かと思います。

まとめ:台中では日本旅行が人気!来場者に効果的にPRするなら、他ブースとの差別化が必須

ブースが500以上あり情報量がかなり多いこと、日本観光PRブースも海外観光PRブースもPRが似ており同じような観光地に見えてしまうので、他のブースと差別化する意識をもった方が良さそうです。

例えば演奏などの音で遠くから来場者の関心を惹き、ブース内に入ってもらうために、ブースの壁などを印象的なデザインにする、などが考えられます。

次回以降も魅力的なブースが登場すると思われますので、独自のPRが重要となるでしょう。

「台中国際旅行博覧会」イベント情報

イベント名 台中国際旅行博覧会
開催国・都市 台湾・台中
開催日 2018年5月25日~28日
会場 大台中国際会議展示場
対象 一般消費者
来場者数 146,935 人(2017年実績)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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