外国人観光客に夜の娯楽を提供するトッププレイヤーとして君臨するロボットレストラン。日本ではナイトタイムエコノミーが数少ないと言われている中で貴重な存在になるのではないかと考えられます。そんなロボットレストランの運営やプロモーション等に関わっているインバウンド営業部部長 田中寛典氏に訪日ラボが独占インタビューを行い、内情やインバウンド対策の秘訣に迫る特集の第二弾。
【独占告白】ロボットレストラン『最初は色物ショー扱いで嫌われ者だった』…その苦難の道と”転機”とは
「ロボットレストラン」…インバウンド業界に身を置く方なら、この名前を聞いたことない方はいないのではないでしょうか?総工費100億円をかけ建設され、新宿歌舞伎町にある、夜な夜な外国人観光客が非日常を体験するために集う場所として、ロボットレストランは数年前から知名度を上げています。 そのド派手な内装や外装から話題にされやすく、日本や世界各国から取材が数多く、ロボットレストランには来ています。しかしながら今までの取材では、ロボットレストラン内情についてなどをお伺いしているものは多くはありま...
「なぜ、ロボットレストランは年間20万人の外国人観光客を集めることができるのか?数字とデータから紐解く!【独占取材】」と題して、ロボットレストランの数値やデータに迫って行きたいと思います。
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年間来場者数が20万人を超えるロボットレストラン:そのほとんどが欧米豪訪日外国人
-年間20万人の外国人観光客が訪れるとお伺いしましたが、どこの国が多いなど傾向はあるのでしょうか?
ロボットレストラン インバウンド営業部部長 田中寛典氏(以下、田中氏):
あります。ロボットレストランではアンケートを取っており、それらを元にデータを把握しています。アンケートデータによるとロボットレストランに訪れる外国人のほとんどが英語圏の方々です。一番多い国から申し上げると、オーストラリア、アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランドで、これらが2018年の上位5カ国です。
昨年2017年は少し変わり、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、ドイツが上位5カ国でした。こういったデータはまだ、取り始めたばかりなのですが、昔から英語圏から訪れる外国人観光客が多かったですね。
欧米豪はコト消費:中華圏はモノ消費が顕著か?
-頂いた来店のデータを見ると中華圏が少ないですね
田中氏:
おっしゃる通りですね。中華圏は極端に少ないです。2018年は台湾、香港、韓国はデータが取れるくらい、かろうじて来店いただいていますが、中国から訪れる方々は、ほぼいません。
この傾向は、ロボットレストランを始めた当初から変わりません。私なりの考察で恐縮ですが、英語圏いわゆる、観光庁も力を入れて集めていきたいと考えている欧米豪圏の方々は、コト消費思考が強いのかなと思います。
ロボットレストランは日本の変わった体験ができる場所として、外国人観光客からの知名度が上がってきました。そのため、コト消費を求めている層の外国人にはヒットしています。しかしながら、まだまだ買い物する方々、つまりモノ消費思考が強い、中華圏は、ロボットレストランの様な体験については、そこまで反応が良くないと見ています。
-なるほど。JNTOが出している訪日外客数のデータを見てみると、日本に訪れているほとんどが中華圏であるのに、ロボットレストランは真逆ですね。
田中氏:
そうですね。中華圏であれば、数は少ないですが、台湾・香港から来ていただいています。英語を活用する人が多かったり英語圏の文化が多少あったり、香港であれば、所得が非常に高い方々も多く、コト消費を求める人がいるのかと。
一方、ロボットレストランでは、中国もターゲット国ではありますが、力の配分の比率としては少ないです。一応、Weiboの公式アカウントはありますが、どうしても英語圏ほど反応がよくありませんでした。
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鍵はSNS&トリップアドバイザー:欧米豪訪日外国人対策に必要なこと
-来店のきっかけを調べているとお伺いしていますが。
田中氏:
はい。こちらがそのデータになります。
見ていただくとわかるように、来店きっかけとして圧倒的に多いのがトリップアドバイザーですね。その次にSNS、雑誌広告などが続きます。
やはり、トリップアドバイザーが強いですね。英語圏から訪れる方々のほとんどがトリップアドバイザーをみて訪れているのではないかと考えられます。そのため、私達でもトリップアドバイザーには力を入れております。口コミに対してコメントを返したり、ロボットレストランのチケットにはQRコードでトリップアドバイザーの口コミがかけるような工夫を行っています。
後は、SNSでロボットレストランを知って頂くケースも非常に多いですね。そのため、当初からSNSには力を入れています。
-当初からSNSは活用していたのですね。
田中氏:
はい。当初からSNSには力を入れていましたね。ロボットレストランの強みは、なんと行ってもこのロケーションにあると考えます。ド派手な内装やショー衣装なので、みなさんがSNSに上げたくなると考えており、積極的に「写真を取ってSNSにアップしてくださいね」と外国人観光客の皆様にアナウンスをしています。
特にロボットレストランのトイレはみなさん結構驚かれますね。
この様な形で、SNS上で口コミが口コミを呼び、人が訪れるようになりましたね。インスタ映えと騒がれる前から意識してロボットレストランでは行っていました。それと、インフルエンサーの方もよく来てくださるので、それで拡散されるのも大きいと考えます。
特に欧米豪の外国人観光客を集客する上で、トリップアドバイザーとSNSの活用は必須だと考えます。
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国ごとによってハイシーズンが違う
-国ごとにより、ロボットレストランに訪れるタイミングも違いますか?
田中氏:
異なりますね。各国の祝日や連休と連動してきます。それに伴いロボットレストランの売上も季節変動のように変わります。売上のデータは公開できませんが、イメージとしては来店の時期に比例して、売上が伸びており、右肩上がりで年々成長することができています。
驚異の稼働率80%超え!4月は平日4公演も
-訪日ラボも以前、ロボットレストランに平日訪れたときは満席でしたが、稼働率はどのくらいなのでしょうか?
田中氏:
稼働率に関しては、近年は80%以上です。ショーをみるスペースが190席あり、毎回そのほとんどが埋まるイメージですね。平日は3回、土日は4回、1日に講演を行います。公演を行うのもとても大変で、社員、 演者やアルバイトのみなさんが非常に頑張ってくれています。
また、2018年の4月は私達もびっくりするほど、外国人観光客の方々が来店してくれました。JNTOが発表している訪日外客数によると、2018年4月は約290万人の外国人が日本に訪れたみたいです。その影響を私達も受けたのだと思います。そのため、4月は平日も4回公演に急遽変更し、対応をしました。
次回は「ロボットレストランの「インバウンド集客のヒミツ」を独占公開/年間20万人の外国人観光客を呼び込むために重要な『柔軟性』とは?」と題して、ロボットレストランが具体的に行っているインバウンド対策の事例についてお届けいたします。乞うご期待ください。
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