患者770人、去年の8倍を超え風疹大流行 インバウンドへの影響は?/政府は東京五輪の2020年までに風疹の「排除」を目標に

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現在日本では、首都圏を中心に風疹が流行しています。9月23日までに報告された今年の患者数は累計で770人で、去年1年間の患者数の8倍を超える驚異の流行ぶりですです。感染はその後も拡大し、福島県、滋賀県、静岡県、秋田県などでも患者が確認されたようです。

国内での感染症流行となるとインバウンドへの影響も懸念されますが、今回の風疹の流行はインバウンド減少につながるのでしょうか?

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そもそも風疹(ふうしん)ってどんな病気?

現在も感染が拡大中の風疹ですが、どんな病気なのでしょうか?

風疹は、風しんウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。感染経路は飛沫感染で、主な症状は発熱と発疹です。リンパ節が痛んだり、関節痛を訴える人もいるということです。一方で、15%から30%の人は感染しても症状が出ないといわれています。

感染した場合子どもより成人のほうが重症化しやすく、脳炎などの合併症になるおそれもあります。

しかし最も風疹に感染すると危険なのが、妊娠中の女性です。妊娠20週頃までの妊婦が風疹に感染すると、出生児が目や耳、心臓に障害をもたらす「先天性風疹症候群」を発症する可能性があります。発症の割合は、妊娠1か月だと50%ほど、妊娠2か月だと35%ほどになるということです。

平成24年から25年にかけて全国的に風疹が流行した際、45人の出生児が先天性風疹症候群と診断されました。このうち11例は、生後1歳3か月までに亡くなっています。また妊娠中、母親に風疹の症状が出ず、感染したことに気づかなかったケースも3割ほどありました。

また、今回の流行の患者は30代~50代の男性が中心といわれています。この世代の男性は、子どもの頃予防接種の対象でなかったか、対象であっても受けていない場合が多いためです。

風疹は、感染力も強いといわれています。風疹の患者は発疹が出る前後1週間ほど風疹ウイルスを出しているということですが、風疹の免疫がない人の中に患者が1人いた場合、何人の人にうつすかを示す指標では、インフルエンザは1〜3人であるのに対し、風疹は5人〜7人ということです。

怖いのは、妊婦自身が気を付けていても、その夫や子どもなど周囲の人が感染してうつしてしまうことです。そのため家族も注意するのはもちろん、社会全体で予防や感染の拡大防止に努めることが重要です。

なお現在日本では、1歳と小学校入学前の2回予防接種を受けることになっています。1回だけだと抗体がつかない人も若干数いるようですが、2回接種することでこれらの人にもほぼ確実に抗体ができるようです。

政府は東京オリンピックが開催される2020年までに風疹排除の目標設定

日本の所属するWHO区分の西太平洋地域では、それまで風疹の制御を目標にしてきましたが、2014年に開催された地域委員会において風疹の排除を目標にすることが承認されました。

2015年の技術諮問委員会では2020年を排除目標年とすることが推奨され、現在厚生労働省は2020年までに風疹を排除する目標を掲げています。

この排除目標には、2020年の東京五輪も関係があります。東京五輪の期間には人の出入りが今よりも多くなることが予想されます。海外ではまだ風疹が流行している地域があるため、東京五輪期間までに風疹を排除できないと、海外から風疹が持ち込まれた場合に国内での流行がよりひどくなってしまうのです。

今回の風疹大流行 インバウンドへの影響は?

さて、現在首都圏を中心に流行中の風疹ですが、これはインバウンドに影響を及ぼすのでしょうか?

風疹への免疫がない人は、訪日旅行を避けるということも考えられます。世界でのワクチン接種率をみてみましょう。

WHO地域区分ごとの風疹ワクチン接種率は、アフリカ地域(10%)、東地中海地域(42%)、南東アジア地域(12%)、アメリカ地域(92%)、ヨーロッパ地域(94%)、西太平洋地域(91%)となっています。

少々区分名にピンときませんが、西太平洋地域には日本をはじめとして、中国、香港、韓国が含まれます。そのため、訪日外国人の8割以上は、この地域区分でいうとアメリカ地域・ヨーロッパ地域・西太平洋地域から来ることを考えれば、日本を訪れる外国人の多くが風疹ワクチンを接種済みだということです。

さらに、アメリカ・韓国・オーストラリア・カナダ・ヨーロッパ諸国などでは、現在の日本と同じようにワクチンを2回接種することになっています。

このように訪日外国人には、ワクチン接種により風疹に対して抗体を持っている人が多いため、風疹が流行していても訪日前にそれを心配する人は少ないと考えられます。そのため、インバウンドへの影響も少なそうです。

実際に、前回風疹が流行した2012年から2013年にかけても訪日外国人数が減少することはなく、傾向通り順調に伸びをみせました。また、伸び率が低くなったということもありませんでした。

まとめ:インバウンドへの影響は少なそう、東京五輪までに排除できるか

風疹はかつてほぼ5年ごとの周期で、大流行が発生していました。近年大流行は起きていませんが、2002年頃から局地的な流行や小流行がみられています。

2020年の東京五輪までに排除することができなければ大流行につながるおそれもあります。現時点ではインバウンドへの影響は少なそうですが、今後の状況にも注意する必要があるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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