こんにちは、トレンドExpress編集部です。
10月の東京、国慶節インバウンドシーズンも終わり、ようやく落ち着きを取り戻してきたような…とおもいきや、インバウンドにもかかわるビッグイベントが行われました。
それは築地市場の豊洲移転。80年以上にわたって東京の台所であった築地市場がその歴史に幕を下ろし、新たに豊洲市場がオープン。築地の名物であった数多くのターレが列をなして豊洲へと移動していく姿が報道されていました。
そんな色々あった築地市場の移転問題。実は中国の消費者も興味津々。そこで中国トレンドExpressでは早速中国SNS上での築地市場へのクチコミをチェック。彼らの興味のほどを確認してみました
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)築地市場が中国人観光客に人気だった理由
もともと築地市場は世界最大級の市場であるとともに、その清潔さは中国人旅行者に驚きを持って受け入れられていました。
その理由は、中国人にとって非常に身近な問題となっている「衛生面」。中国の市場は衛生面に心配があることなど、活気はあるが旅行時に訪れたいと思う場所ではないようです。
築地では、そんな中国の市場との違いを目の当たりにして驚きを感じていました。現地を訪れた中国人観光客の多くが「ここが海鮮市場なんて信じられない」というとか。 こうした鮮魚市場で購入した刺身を、その場で口に運ぶことができるほど衛生管理がしっかり行われていて、食の安全も信用できるということは、中国の市場ではありえないことなのです。
中国の正規メディアも注目していた築地移転問題:「移転前に一度は訪れるべき」
さて日本でも多くの議論を呼んだこの築地移転問題。中国の正規メディアなどでも広く取り上げられていました。
理由の一つには、築地は訪日観光における人気スポットであり、中国国内でも高い知名度を誇ることから、メディアとしても報道の価値があるという判断であったようで、移転のニュースで必ずと言っていいほど「築地に市場があるうちに、一度は訪れてみるべきだ」と強く訴えていました。
その影響か、築地内にある有名な食堂には観光客が殺到し、長蛇の列ができて、さらに有名店以外にも波及していた様子です。
豊洲市場 中国メディアでは評判は良くない?
さて、この築地の移転問題報道、多くは築地市場の機能やその歴史、また東京都民や飲食店などにとっての存在感などを交え、東京都行政の判断、決断を比較的客観的に紹介するものが多く見られました。
しかし、同時に移転先である豊洲市場に「重金属による汚染への懸念」があることも紹介。食への安全性が問題視され、消費者からその管理への要求が高まっている中国としても、「日本の食の安全が試されることになる」としており、今回の移転において、今後の日本の食品管理に高い関心を払っていることをのぞかせました。
SNSではどのような反応が?
こうして中国国内でも広く知られた「移転」、中国SNS上では、
- 「じゃあ、築地の跡地はどうなるんだ?マンション?だったら買おうか」
- 「オリンピック中は駐車場になるらしいぞ」
などなど、土地活用についての情報交換が行われていました。
東京の一等地であるこの土地が今後どうなるのか、食の安全だけでなく、投資意識の高い中国消費者は、その「有効活用」にも注目しているようです。
豊洲に移転した『新しい築地市場』?インバウンド客からは情報不足も
さて、新たな豊洲市場についてWeiboをチェックしていると、すでに豊洲市場へ足を運んだ中国人(おそらくは日本在住者)が少なからずいることが見えてきました。彼らはその様子を、すでにWeiboを通じて自国内の友人たちと共有していました。
ただそのなかで気になったのは「今なら混んでないから、人気店もそんなに並ばないよ~」といった観光お役立ち情報に交じって、「新しい築地市場に行ってきた!」という書き込み。

本来は築地市場はもうなくなり、「豊洲市場」となったのですが、やはり海外の人にとっては「東京の卸売市場の名前は“築地”」という意識が強いのか、「豊洲市場」ではなく「新しくなった築地市場」という認識の人がまだいるようです。

確かに、日本でも卸売市場どころか新鮮さの代名詞として使われてきた「築地」というネーミング。インバウンド誘致でも盛んにPRしてきた名前だけあって、その影響力は計り知れないものがありました。
同時にWeiboなどでは、
- どこに移転したんだ?
- 場外市場はまだあるの?
- どうやって行けばいいんだ?
- レストランはまだやっているの?
- なんで(築地は)しまっちゃうの?
など、基礎情報のアップデートを求める声も散見でき、興味の高さとともに、得られる情報の少なさに戸惑う声が聞こえています。

また中国有数の旅行情報サイト「蚂蜂窝」では、築地に関する細かなレクチャー書き込みはあるものの、豊洲に関してはの書き込みはほぼ見られず。

今後は、日本だけではなく海外においても「豊洲市場」の名前を「築地」以上にPRしていくため、基礎情報を含めた発信の必要があるかもしれません。
【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介

外国人観光客の爆発的増加に伴い、スタッフの人手不足に直面する宿泊・観光業界。
さらには多言語対応やあらゆるサポートも求められ、キャパシティが限界状態にある事業者も少なくはないでしょう。
そこで訪日ラボでは、「人手不足を補いながらインバウンド対応を強化する」実践策を紹介するセミナーを開催します。
DXによる業務効率化や自動化、多言語対応の仕組みづくり、24時間・22言語対応の医療通訳付きオンライン診療、そして多言語での口コミ・MEO対策の無理のない運用方法まで、“少ない人員でも安心して外国人観光客を受け入れられる仕組み” を解説します。
<セミナーのポイント>
- 人手不足の現場でも実践できる、インバウンド対応・業務効率化のヒントがわかる!
- 多言語対応や医療連携など、“安心・安全な受け入れ体制”を整える具体策が学べる!
-
集客から滞在サポートまで、インバウンド受け入れを総合的に学べる!
→【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介
【インバウンド情報まとめ 2025年11月前編】中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか:インバウンド情報まとめ【2025年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!
その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!











