2018年12月14日、国土交通省の石井啓一国土交通相は、2018年に日本を訪れた外国人旅行者数(訪日外客数)が3000万人を突破するとの見通しを、記者会見にて明らかにしました。2019年ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピックに向けてインバウンド対策が加速するなか、インバウンドをめぐる数値はどのように変化しているのでしょうか。
本記事では、めまぐるしく変化するインバウンド市場の動向をつかめるよう、2018年のインバウンドにまつわる情報をわかりやすくまとめました。ぜひ、2018年の総まとめとしてご活用ください。
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2018年のインバウンドトレンド
1. 【インバウンドの光と影】大阪の躍進はナイトタイムエコノミーが後押し!
ナイトタイムエコノミーとは、20:00から翌朝午前3:00までの間の経済活動を指します。近年は訪日外国人観光客が増加していますが、日本の夜のアクティビティーが少ないといった不満も挙がっています。
22時以降出歩く訪日客激減:夜遊びできず 食後すぐホテルへ…ナイトタイムエコノミーの発掘が急がれる結果に 大阪「外国人夜間動向調査」で
訪日外国人が日本で感じる不満点の1つに 「夜間のエンターテインメントが充実していない」 というものがあります。これに対し、実際に現時点で 訪日外国人は夜間にどのような行動をしているのか? といった調査を大阪観光局 マーケティング室が行っています。この大阪観光局が行っている「外国人夜間動向調査」から訪日外国人の夜間の行動を探ってみましょう。なお今回の分析にはJapan Connected‐free Wi-Fiを利用したユーザーが利用を許諾した情報のログデータとなり、分析対象となっているログは...
このグラフは、主要都市の購買行動の時間帯を表したものです。ナイトタイムエコノミーに大きな関心を寄せ、各種の先進的な施策を実施していることで度々話題になる大阪を除いて、21時ごろに購買行動が収束している様が見て取れます。詳細は以下の記事で解説しています。
やっぱり大阪のナイトタイムエコノミーはすごかった/「時間×地域」で見るインバウンド消費の動向
目次ナイトタイムエコノミーとは訪日外国人は「何時」に買い物している?国籍によって行動時間が違う?ナイトタイムエコノミーとは今年、インバウンド業界においても話題となっている「ナイトタイムエコノミー」。日本では、地方のみならず首都圏であっても訪日外国人にとって魅力的な観光・お買物スポットが夜の時間帯に少ないという課題があり、これらの市場の掘り起こしが重要であるとされています。例えばイギリスの場合、ナイトタイムエコノミー関連業界によって構成される「ナイトタイム産業協会」の調査に寄ると、国内のナイ...
ナイトタイムエコノミーは約80兆円もの「眠った市場」とも言われています。インバウンド対策としてナイトタイムエコノミーを積極的に推進していくことで、訪日外国人観光客の満足度を上げるだけでなく、停滞した日本経済を打破できるのではないかと期待されています。
【その経済効果80兆円】インバウンドにおいて手付かずの成長市場である「ナイトタイムエコノミー関連市場」とは
未開拓の夜間市場の活用 を行うことが、大きな経済的インパクトを発生させるということで、日本でもナイトタイムエコノミーが大きな注目を集めています。 日本政策投資銀行、日本政策投資銀行がアジア8地域、欧米豪4地域の訪日外国人観光客旅行者を対象に行なった調査によると、「日本旅行で不満だった点は何ですか?」という質問に対して、「ナイトライフ(バーやクラブ・ナイトマーケット等)体験」という回答が7番目に多い回答となっています。日本の観光活性化策は昼間にどこを観光してもらうかという視点が中心であり、夕...
2. 【インバウンドの光と影】京都を中心に「公害化」する訪日外国人の行動に懸念の声も
一方、訪日数が増え続ける中で顕在化しているのが観光公害『オーバーツーリズム』です。ある地域で観光客が増加することにより、そこに定住する住民が日常生活を送りづらくなるという現象です。
観光客増え過ぎ問題「オーバーツーリズム・観光公害」が世界中で警鐘/を国連世界観光機関(UNWTO)が提唱する新常識「持続可能な観光(サステイ
近年では「オーバーツーリズム」「観光公害」という言葉がよく聞かれるようになっています。今年9月に行われた「ツーリズムEXPOジャパン2018」でも、国連世界観光機関(UNWTO)事務局長、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)理事長の講演や、世界12か国の観光大臣による会合など、世界の観光リーダーがこの問題に言及しています。今回は「開発のための持続可能な観光の国際年」の成果を中心に、オーバーツーリズムに陥らない理想の状態について紹介しながら、オーバーツーリズムに取り組むメリットを考察します。...
特に京都府で深刻であり、外国人の多さに圧倒される声も多く見受けられます。ナイトツーリズムの進展で、夜間の騒音問題が発生することが考えられるなか、「サステイナブルで公益性の高い観光地づくり」に各自治体が本気で取り組む必要がありそうです。
京都のオーバーツーリズム事例・観光公害問題
2018年10月16日に発表されたJNTOの『訪日外客数(2018年9月推計値)』によると、2018年9月の訪日外国人数は2013年1月以来、5年8カ月ぶりに前年度月比を下回りました。しかしこれは台風21号と北海道胆振東部地震の影響による一時的な現象とみられ、今後も訪日外国人観光客の数は増え続けると思われます。訪日数が増え続ける中で顕在化しているのが観光公害『オーバーツーリズム』です。ある地域で観光客が増加することにより、そこに定住する住民が日常生活を送りづらくなるという現象です。今回は観...
観光公害で世界遺産「厳島神社 大鳥居」を失う恐れ、観光立国を目指す日本が直面する課題とは
以前の記事でもご紹介したように、JTBの資料によると、2018年の訪日外国人観光客数は 3,200万人 に達することが予測されています。2020年の東京オリンピック。パラリンピック開催時に 4,000万人 の訪日外国人観光客誘致を目指す日本では、ここ数年訪日外国人観光客数は順調に伸び続けています。こうした状況の中、大きな問題となっているのが 観光客のマナー違反などを指す「観光公害」。 世界遺産に登録される広島県廿日市市に位置する世界遺産・厳島神社でも近年「観光公害」が深刻化しているようです...
3.【2018年の災害まとめ】訪日外国人数に大きな影響を与える災害についてもインバウンド対策が必須に
今年の漢字として「災」が選ばれるほど、2018年は災害の多い年でした。大阪府北部を襲った地震に始まり、西日本豪雨や台風21号、北海道地震など、その程度は甚大です。
この他にも8月に猛暑がつづく日もありました。こうした災害は、7-9月のインバウンド消費に負の影響を与えています。インバウンド誘致が大きく進展するなか、いざという時に訪日外国人を誘導できるような対策が、企業や自治体に求められています。
『日本の夏やばすぎ!』訪日客からの悲痛な声がSNSに。一方で絶賛が相次ぐ新観光スポット「#Teamlabo」から見る
連日の猛暑で毎日のように各地で今年の最高気温を記録している日本列島。日本人ですら持て余すこの猛暑の中、わざわざ訪日観光に訪れた外国人はどのように過ごしているのでしょうか?今回はSNSでのつぶやきをメインに、日本の暑さを訪日外国人がどのように感じて観光しているのか、また暑さに負けない屋内の人気施設・イベントについて調べてみました。インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる「多言語化表示サービス」を資料で...
4.【豊洲移転】築地から豊洲へ市場が移転!オリンピック選手村との位置関係から考えるインバウンド誘致のキーポイントとは
10月6日、海外でも「TSUKIJI」として知られる築地市場が営業終了し、豊洲新市場へと移転しました。築地というブランドを捨てたことや交通の便が悪いことは訪日外国人の誘致という点でマイナスポイントです。一方で、東京オリンピック選手村との距離が近いという特徴があります。
豊洲新市場と選手村は運河を挟んで両隣の島に位置しており、徒歩でも30分程度、タクシーを使えば5分たらずで移動できる距離です。これによって、東京オリンピックの選手、関係者、観光客らによる急激な需要増加が期待できそうです。
外国人も惜しむ築地閉場、「TSUKIJI」ブランド捨てインバウンド人気どうなる?/4つの視点から分析する豊洲新市場移転の影響とは
築地市場が2018年10月6日をもって最終営業日を迎えました。世界最大級の魚市場を有し、「日本の台所」と呼ばれてきた築地市場ですが、83年の歴史に幕を閉じ、かねてより計画されていた江東区の豊洲に移転。10月11日より魚市場としての営業を再開します。都は解体工事のため、10月18日には旧築地市場を閉鎖する閉鎖する方針を示しており、移転のための引っ越しは6日から三連休を経て11日までに本格化。18日までに完全移行の見通しとなっています。近年ではインバウンドでの需要が高く、外国人観光客の訪問者数...
次は、その選手村に関連する大イベントについて見てみましょう。
5.【大イベント目白押し】東京オリンピック・ラグビーW杯にくわえ、大阪万博も決定!気になる経済効果は?
2018年、日本はラグビーW杯開催を1年後に、東京オリンピックを2年後に控えています。さらに、11月23日、2025年の国際博覧会(万博)が大阪で開催されることが決定しました。
【大阪万博】経済効果は1.9兆円、外国人観光客は300万人誘致:インバウンド担当者が必ず知っておくべき、2025大阪万博の経済効果・インバウ
目次2025年 大阪万博開催決定大阪万博とは大阪万博の経済効果は1.9兆円見込みインバウンドへの影響は?IRとの相乗効果まとめ:2020年以降もインバウンド需要を刺激するイベントが続く2025年 大阪万博開催決定日本時間11月24日未明、2025年の万博開催地が大阪に決定しました。1970年の日本万国博覧会以来、55年ぶりの開催が決まった大阪では、カジノを含む統合型リゾート(IR)施設の誘致も進んでおり、近年のインバウンド市場の高まりから大きな経済効果が期待されます。インバウンド対策なにか...
ラグビーW杯の経済効果は4300億円、大阪万博は2兆円、東京オリンピックはなんと32兆円に上ると言われています。観覧を目的とした訪日外国人の対応を進めることは、日本のあらゆる企業・団体にとって急務と言えるでしょう。大きなイベントに備えて、少しずつ堅実にインバウンド対策を講じていくことが重要になってきます。
東京オリンピックはどれほどの経済効果を産むのか
インバウンド業界はもとより、日本の産業全体から注目が集まる東京オリンピック。東京オリンピックの開催によってインバウンド需要が増加することは間違いなく、2020年までは訪日外客数も右肩上がりになるでしょう。その経済効果はどれほどなのでしょうか。紐解いてみましょう。
まとめ:訪日外国人に関する数値だけでなく、国内国外の変化も把握することが重要
2018年を振り返って、気になった話題はありましたでしょうか?国内の団体・企業のインバウンド対策により、訪日外国人の受入は徐々に進みつつあることが見えてきました。
近年、インバウンドへの注目がますます高まっているため、国内の多くの団体・企業が対策に乗り出しています。そうした相互変化があるなかでは、ただ訪日外国人の動向を知るだけでは不十分と言えます。国内外の両輪を理解してこそ、機能的なインバウンド対策が可能になるのではないでしょうか。
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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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