年々増え続けている訪日中国人観光客。多くの日本企業がインバウンド対策の強化を図るべく、様々な施策を打ち出しています。WeChat Pay(微信支付)を導入することで訪日中国人観光客の決済の利便性だけでなく、世界最大規模のSNSであるWeChatの特徴を最大限に生かすことができます。
そこで今回はWeChat Pay(微信支付)を日本で利用する方法と、店舗での導入事例について詳しく見ていきます。
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WeChat Pay(微信支付)を日本で導入すべき理由と必要性
ほとんどの中国人が利用していると言っても過言ではないwechat pay(微信支付)。
日本国内のでも、インバウンド対策としてwechat pay(微信支付)を導入する店舗が増えています。
WeChat Pay(微信支付)とは?
WeChat Pay(微信支付)とは、QRコードを利用したモバイル決済サービスのひとつで、中国のインターネットサービス最大手であるTencent Holdings Ltd(テンセント)が運営しています。
中国国内で約7億人以上が利用するSNS「WeChat」の機能の一つとして提供されています。
訪日外国人観光客が年々増加
訪日外国人観光客の数は年々増加し、なかでも訪日中国人観光客の増加の勢いが止まりません。
この流れは今後も続くと見られ、2020年の東京オリンピック開催もあって、さらに増える見込みです。
WeChat Pay(微信支付)を日本で導入すべき理由
現在中国では、キャッシュレス決済が主流となっており、中国国内のほとんどの店舗で、QRコードを使ったキャッシュレス決済ができるようになっています。
お店での買い物だけでなく、公共料金の支払いや家族や友人への送金に至るまで、あらゆる場面でwechat pay(微信支付)が利用されています。
年々増え続ける訪日中国人観光客が、日本で買い物をする際に、普段中国で使っているモバイル決済をそのまま使うことができれば、インバウンド消費に繋げることができるでしょう。
そのため、多くの日本企業がインバウンド対策としてwechat pay(微信支付)を利用したモバイル決済を導入する事例が増えてきているのです。
インバウンド対策としてwechat pay(微信支付)を導入している店舗事例
日本国内にはすでにwechat pay(微信支付)を導入している店舗がいくつかあります。
ここでは、インバウンド対策としてwechat pay(微信支付)を導入している店舗の事例を見ていきます。
居酒屋「庄屋」
居酒屋「庄屋」を運営する株式会社大庄では、30店舗でwechat pay(微信支付)を導入しています。
北海道から九州まで全国の店舗で導入しており、 主に中国人観光客が多く訪れる繁華街や観光地から近い店舗が中心。
以前からAlipayを導入していましたが、Alipayとwechat pay(微信支付)は、中国でのシェアを二分していることから、wechat pay(微信支付)も導入することで、さらにインバウンド対策の強化を図っています。
サンドラッグ全店でWeChat Pay(微信支付)を導入
2017年よりサンドラッグ全店でwechat pay(微信支付)を導入しています。
サンドラッグは全国に650店舗あり、この全ての店舗でwechat pay(微信支付)が利用可能となっています。
中国では日本の一般医薬品が人気となっており、ドラッグストアは中国人観光客にとって人気のショッピングスポットとなっています。
日本のドラッグストア各店では、サンドラッグのようにインバウンド強化を図りWeChat Pay やAlipayなどのモバイル決済を導入する店舗が急激に増えているのです。
グランドニッコー東京:WeChat Pay(微信支付)での決済が可能に
グランドニッコー東京では、2018年10月より WeChat Pay(微信支付)の導入を開始しました。
2017年10月Alipayを導入をしていましたが、 中国人観光客の利便性をさらに高めるべく、 WeChat Pay(微信支付)の導入がスタート。
宿泊料金の支払いだけでなくホテル直営のレストランやバー7店舗でも WeChat Pay(微信支付)の支払いが可能となっています。
WeChat Pay(微信支付)が日本で使える店舗は? 導入方法は?
日本国内で WeChat Pay(微信支付)が使える店舗と、導入方法についてみていきます。
WeChat Pay(微信支付)を開設方法・するための手順は?
WeChat Pay(微信支付)の 開設方法について手順を見ていきます。
まずはスマートフォンにウィーチャットをダウンロードします。
ダウンロードしたらアカウントを登録します。電話番号の入力やパスワードの設定など画面の指示に従って行いましょう。
アカウントの登録が終わったら、いよいよ WeChat Pay(微信支付)を登録します。登録には本人認証が必要となります。
このように、 WeChat Pay(微信支付)を利用するには最初に WeChatをダウンロードしなければなりません。
wechatアプリをダウンロード
スマートフォンにwechatアプリをダウンロードしましょう。
iPhoneであればApp Storeから、AndroidであればGoogle Playからダウンロードします。
ダウンロードしたら、アプリを開き、 画面の指示に従ってアカウント登録を進めます。
国際クレジットカードで本人認証で中国の銀行口座開設が可能に?
これまでは、 WeChat Pay(微信支付)を利用するには、中国の銀行口座もしくは、中国の身分証で本人情報を登録することが必須となっていましたが、最近では、国際クレジットカードがあれば本人認証が可能となりました。
WeChat Payにチャージする方法は?
WeChat Pay(微信支付)にチャージをする方法は三つ。中国の銀行口座からチャージをするか、ポケットチェンジを使ってチャージをする、もしくはWeChatを使っている友人から送金してもらう方法があります。
ポケットチャージとは、旅行の際などに余った外貨を、電子マネーなどに交換できる機械のことで、主に空港に設置されていますが、街中のお店などに設置されている場合もあります。
ほとんどの日本人は中国の銀行口座を持っていないので、WeChatを使っている友人から送金してもらうか、ポケットチャージを利用するのが良いでしょう。
WeChatPayでの支払いが可能な日本の店舗は?
近年では、インバウンド対策の強化を図るべく、日本国内でも WeChat Pay(微信支付)の支払いを導入している店舗が数多くあります。
中でも、中国人観光客が多く訪れるドラッグストアや空港、百貨店なので積極的に導入されています。
中国人は、モバイル決済が主流となっていることから、現金を持たずに買い物をすることが多く、実際にモバイル決済をしている中国人観光客を見かけたことがあるという人も多いかもしれません。
ドン・キホーテ
ドンキホーテでは、2017年7月までに全国の37の店舗で WeChat Pay(微信支付)の導入をしました。
WeChat Pay(微信支付)で支払いをすると、自動的にドンキホーテの WeChat Pay公式アカウントのフォロワーとなり、WeChatユーザーへ定期的に情報を送ることができる仕組みとなっています。
公式アカウントは多言語化されていて、越境ECサイトへの誘導も仕掛けられます。
ビックカメラ
ビックカメラでは全店舗でAlipayが導入されている他、一部の店舗で WeChat Pay(微信支付)の利用が可能となっています。
以前から中国人の爆買いといえば家電量販店で多く見かけていました。ピーク時の勢いはないものの、依然として日本の家電の人気は高く、家電量販店は中国人観光客から人気のショッピングスポットとなっています。
そこで、 WeChat Pay(微信支付)のモバイル決済に対応することでインバウンド対策の強化を図っているのです。
小田急百貨店
小田急百貨店では新宿店の化粧品売り場で WeChat Pay(微信支付)を導入しています。
中国人観光客から人気が高い化粧品売り場で WeChat Pay(微信支付)を導入することで、更なるインバウンド強化を図っています。
関西国際空港・中部国際空港セントレア
関西国際空港と中部国際空港セントレアでは、空港内の免税店で WeChat Pay(微信支付)での決済を導入しています。
中国をはじめとしたアジアからの乗り入れも多い両空港では、中国からの訪日客が年々増加しています。 そのため2017年より WeChat Pay(微信支付)の決済を導入し、インバウンド対策の強化を図っています。
WeChat pay(微信支付)の導入がインバウンド強化・集客につながる
WeChat Pay(微信支付)を導入することで店舗、 顧客の両方にメリットが生まれます。
店舗側は、訪日中国人に対してより便利にサービスを提供することができ、さらには WeChat Pay(微信支付)の公式アカウントによって、ユーザへ情報を送ることができるなど、利便性だけでなく更なるインバウンド需要の強化にもつながります。
また、顧客側は、日本語が分からない場合でも現金でのやり取りがなくなるため、スムーズにストレスなく支払いを済ませることができます。
このように WeChat Pay(微信支付)を日本でも導入することによって、 年々増え続けている訪日中国人に対するサービスをより強化することができインバウンド強化、集客に繋がっていくのです。
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
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- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
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→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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