2018年の訪日外国人の数は史上初めて3,000万人を突破し、2019年はラグビーワールドカップを目的に欧米豪市場が盛り上がりました。
2020年に予定されていた東京オリンピックは、2021年に延期となってしまいましたが、引き続きスポーツ観戦や実際に観光客が体験するような観光への注目が高まっていくと考えられます。
スポーツを目的とした旅行を「スポーツツーリズム」と呼びますが、観光客は何を求めて旅行先を訪れるのでしょうか。日本国内のスポーツツーリズムの成功事例と合わせて解説します。
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スポーツツーリズムと観光
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スポーツツーリズムとは?参加型と観戦型がある
「スポーツツーリズム」とは、プロスポーツの観戦者やスポーツイベントの参加者と開催地周辺の観光とを融合させ、交流人口の拡大や地域経済への波及効果などを目指す取り組みのことです。
観光庁は「観光立国戦略」の一環としてスポーツツーリズムに着目しています。
2012年4月には、産学官の連携組織の日本スポーツツーリズム推進機構が設立され、政府の成長戦略「日本再興戦略」でも「世界の多くの人々を地域に呼び込む社会」の重要施策の代表例として示されています。
スポーツツーリズムには参加型と観戦型の2種類があります。
参加型の代表的なものはハイキング、登山、スキー、スノーボード、ゴルフなどです。一方、観戦型は、プロ野球やサッカー、オリンピックなどの国際的なスポーツ大会などです。
2021年には東京オリンピック・パラリンピックが予定されており、さらなるスポーツツーリズムの促進とインバウンド観光客の増加が期待されます。
日本のスポーツツーリズム、3つの成功事例
日本にはどのようなスポーツツーリズムがあるのでしょうか。成功事例を見ていきましょう。
1. ニセコ:スキー・スノーボードで誘致、国内初の国際リゾート
北海道ニセコ町は、スキー・スノーボードなどのウインタースポーツが盛んな町です。
ニセコアンヌプリ山の斜面には4つのスキー場があり、総称して「ニセコユナイテッド」と呼ばれています。
ニセコの上質なパウダースノーを求め、シーズン中はオーストラリア人やフランス人などを中心に世界中からスキーヤー・スノーボーダーが訪れます。
今ではニセコの雪を気に入って定住する外国人も少なくないといい、ニセコの町では英語表記の看板や案内がいたるところで見られるということです。
日本には国際的なリゾートがほとんどありませんが、ニセコは日本で初めて成功した国際リゾートといえます。
2. さいたま市:ロードレース大会を開催、ツール・ド・フランス活躍選手を招聘
フランスでは毎年、「ツール・ド・フランス」と呼ばれる世界最高峰の自転車ロードレース大会が開催されます。
さいたま市では、この「ツール・ド・フランス」で活躍する選手を招き、「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」という自転車ロードレース大会を行っています。
「ツール・ド・フランス」で賞を受賞した選手たちが参加し、本場の「ツール・ド・フランス」さながらの雰囲気が楽しめます。このイベントの経済効果は約29億円とも言われています。
なぜ「ツール・ド・フランス」は観光資源として優れているのか?「定例開催」「定番の景色」で宣伝効果が増幅
世界3大スポーツイベントの一つに数えられるツール・ド・フランスは、毎年7月のバケーション時期に開催されることもあり、フランスの一大観光資源となっています。今年は新型コロナウイルスの影響で、8月末からの開催が予定されています。フランスではロックダウンの緩和から1週間が経過し、現地では感染の第二波を警戒しながらですが、日常を取り戻しつつあるようです。今回はツール・ド・フランスが観光資源として優れている点について分析すると同時に、日本でスポーツイベントを観光資源として活用するための条件を分析しま...
3. 越後湯沢:NASPAスキーガーデン
「NASPAスキーガーデン」は、子連れでスキーを楽しみたいファミリー層から人気のあるスキー場です。
国内でも数少ないスキーヤー専用ゲレンデが用意されており、利用者の口コミでも「スノーボーダーと混同しないから子どもも安全」と高評価です。
斜面が緩やかな初心者コースからコブを施した非圧雪の上級者コースまで、バリエーションに富んだコースが用意されています。そのため、レベルを問わず誰もが思う存分スキーを楽しめます。
また、ソリ専用のキッズガーデンも完備され、子どものみならず大人からも大人気です。無料で利用できる休憩所のほか、ゲレンデの麓には日帰り入浴も可能な温泉も併設されています。
まとめ
日本では、ニセコや広島県など「スポーツツーリズム」を取り入れたインバウンドの呼び込みに成功している都道府県が数多くあります。
「スポーツツーリズム」で訪日外国人観光客の獲得に成功したとはいえ、飽きられてしまう可能性も否定できません。長期的な視点を持つことで、スポーツを通したインバウンド需要を伸ばしていけるでしょう。
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<参照>
- ニセコユナイテッド - Niseko United
- 現在ビジネス:もう日本人の出る幕なし?外国人だらけのニセコに見る日本の未来
- livedoorNEWS:地元に賑わいを!スポーツツーリズムは地方活性化の起爆剤になれるのか。
- ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
- Wrap:360度カメラで動画撮影!冬の軽井沢はスキーやスノーボード以外のアクティビティーが充実!
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そこで注目されているのが、地域に根ざした人々が観光客を案内する「ローカルガイド」です。
2018年の法改正により、国家資格がなくても有償でガイドができるようになり、地域住民や移住者など、さまざまな人がローカルガイドとして活躍できる時代となりました
誰もがガイドになれる今だからこそ、地域の魅力を正しく伝え、訪日外国人に満足してもらえるガイド人材がこれまで以上に重要になっています。質の高いローカルガイドを増やせば、インバウンドの消費を促進し、地域経済への波及効果も大きく期待できます。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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