スポーツツーリズムが注目集める理由 | ラグビーW杯、チケット収入はサッカーW杯超え!新たな観光客獲得で地方活性化・事例

国内や海外への旅行が一般的になり、旅行の目的も多様化してきています。

インターネットの発達により、現地製品の購入がECなどで簡単に行われるようになるにつけ、現地体験を重視する「コト消費」の流行も顕著です。

こうした中で最近注目が高まっているトピックの一つが「スポーツツーリズム」です。

スポーツツーリズム」の推進は、これまで以上の旅行者の誘致や地方の活性化の可能性も秘めています。日本では、今年2019年は9月にラグビーワールドカップ、来年2020年はオリンピックが控えており、これまでにないスポーツツーリズム推進のチャンスだといえるでしょう。

ラグビーワールドカップは日本各地を会場に、横浜で決勝戦が行われる予定で、3月時点でチケット収入の見込みは290億円と伝えられています。これは2002年のサッカーワールドカップ日韓大会の入場料収入約250億円を上回る数字であり、世界的に流行するスポーツツーリズムの波に乗っているということがわかります。

この記事では、スポーツツーリズムとは何か、スポーツツーリズムを推進して地域の活性化につなげた事例について紹介します。


スポーツツーリズムとは?

この章では、スポーツツーリズムがどのようなものなのかをご説明します。インバウンド市場でその存在感を徐々に表し始めているスポーツツーリズムとは何を意味するのでしょうか?

スポーツツーリズムとはどんな旅行?

スポーツツーリズムとは、ひとことで言えば「スポーツに関連した旅行・観光」です。

スポーツ観戦のための旅行、それに伴い周辺の観光地に足を運ぶことや、スポーツ選手と交流するための旅行など、スポーツに関わる旅行のすべてが含まれます。

日本はアジアでも有数のスポーツ先進国です。国技である大相撲をはじめ、プロ野球、サッカーJリーグ、ゴルフやラグビーなど、さまざまなスポーツが盛んに競技されまた観戦されています。このほかにも全国各地でマラソン大会やウィンタースポーツなど様々なスポーツイベントが開催されています。

2011年には政府で「スポーツツーリズム推進基本方針」が取りまとめられました。この方針は、こうしたスポーツ分野の盛り上がりを、訪日外国人や国内旅行の振興を図るスポーツ資産として活用することを趣旨としています。

こうした方針を受け、日本は官民を挙げてスポーツツーリズムに取り組んでいます。この先には2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピックなどスポーツに関わる大イベントを控えており、ここにその取り組みの成果が表れることが期待されています。

スポーツツーリズムの意義・目的

観光庁に設置されているスポーツツーリズム推進連絡会議事務所では、スポーツツーリズム推進の意義を「観光立国日本」を実現することにあるとしています。

スポーツツーリズムの推進は、スポーツの振興だけではなく地域の活性化、産業の振興、国際交流の推進など、日本の観光産業を成長させるための大きなカギを握っています。

スポーツツーリズムによって新しい旅の魅力を作りだし、訪日外国人の誘致および国内旅行の活性化を図ることで交流人口の増加を目指しています。さらに、多種多様な観光資源を有効に活用して日本の観光力を向上させる目的があります。

東京オリンピック日程いつから?

2019年3月、東京オリンピック開催まで500日を切りました。また4月にはパラリンピックまで500日の節目の日となっています。2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会では、史上最多の33競技・339種目が42もの競技会場で開催されます。4月には東京オリンピックの競技日程が発表されました。今月5月9日には競技観戦のチケットの抽選申込の受付が開始されましたが、12日までの4日間で636万以上のアクセスがあったそうです。この際、アクセスが集中し申込手続完了までに長時間の待ち時間が発生する...


スポーツツーリズムの推進によって訪日旅行者誘致・国内旅行を活性化

近年では、FIT(海外個人旅行)と呼ばれる、ツアーを利用しない個人旅行が広がっています。スポーツツーリズムの推進はこうしたFITのニーズを満たすことにもつながりますので、結果として訪日外国人の誘致や国内旅行の活性化を実現します。

スポーツツーリズムが地域の新たな魅力を創出

スポーツツーリズムは新しい言葉のようですが、日本でも昔からスポーツツーリズムによる観光客を受け入れてきました。

たとえば今から55年前の1964年東京オリンピックです。当時、交通網の整備や宿泊施設の提供、その他観光に関わる様々な設備が整えられ、このイベントにかかわる人々の滞在や観光を可能としました。

またスキー、ゴルフ、マリンスポーツ、テニスといったスポーツをするための旅行をしたことがある方は少なくないでしょう。リゾート地と自然環境の中でするスポーツは密接にかかわりがあります。こうしたスポーツ設備は、リゾート地において現在優先的に整備されています。その地域の気候に適したスポーツイベントや大会は、こうした領域に関心の高い人々にとって大きな魅力となります。結果、地域に人を呼び込み、経済の活性化につながるでしょう。

このように地域の自然環境や立地、気候などを把握してスポーツを資源と考え、その資源を守りながら最大限に活かす方法を考案できれば、地方創生の一つの方策となります。

「爆買い」は本当に終わったのか?新たなトレンド「爆滑り」とは?

「爆買い」とは、主に訪日中国人による一度に大量の商品を購入する行為をいう俗語です。2015年には流行語大賞を受賞するほどの社会現象、注目の的となりましたが、昨今は以前と比べ下火になったとの論調もあり「爆買いは終わった」と言われることもあります。一方で最近でも、ドラッグストアや小売店に足を運べば、そこにはやはり日用品や医薬品を購入する訪日中国人の姿があります。さらに「消費」という点にフォーカスすれば、物品の購入だけでなく、さまざまな体験にお金と時間を費やす訪日中国人も増えています。本編では、...


新たな観光客の獲得のチャンスに

スポーツは、競技に参加する人はもちろんのこと、観客、運営、地域の居住者に一体感を生み出します。その空間を共有した者同士の交流は、普通の観光よりも、より深い思い出に残るものとなります。

深い感動を味わったその地域への愛着も感じる可能性も大いにあります。こうした心情が、将来またその場所を訪れる動機になり、リピーターの獲得という結果につながることもあるはずです。

定期的にスポーツの大会やイベントを行うことで知名度の向上を図ることもできるでしょう。スポーツツーリズムの推進は集客のチャンスを拡大することになります。

スポーツツーリズムによる地域活性化の事例を紹介

スポーツツーリズムにより認知度の向上と集客に成功している地方の取り組みを紹介します。

1. 北海道のニセコ「パウダースノー」の認知度向上で観光客が増大

今では世界中からスキー観光客がこぞって押し寄せるニセコですが、ニセコが国際的に有名になるまでには、ニセコ市長を始め、倶知安町、札幌市、北海道庁当局からの協力体制がありました。

米国市場向けのPRなどが成功して「ニセコ」という名前と「パウダースノー」の認知度は高まりました。またマレーシアとタイからの直行便も就航して、ビジネス拡大の一端を担っています。

こうした2009年から2014年の間に、ニセコでの延べ宿泊数は20万9,700泊から44万300泊まで拡大しました。

2020年にはラグジュアリーホテルのリッツカールトンも開業予定となっています。スポーツツーリズムを主眼においた施策により、ニセコは世界的なスキーリゾートとして地位を確立したといえるでしょう。

2. 広島ではタイ人のサッカー選手がJリーグ加入し話題に

タイでは広島(Hiroshima)の知名度は非常に高くなっています。

2018年にタイの国民的英雄と言われるほどの人気を誇るティーラシン選手がJリーグチーム「サンフレッチェ広島」に期間限定で加入したことが理由です。

ティーラシン選手のJリーグに加入が、タイ人の広島に対する認知を爆発的に向上させました。タイでは広島というワードがよく検索されるようになり、広島ブームが起こりました。

その他のスポーツツーリズムの成功事例はこちらでご紹介しています。

スポーツツーリズムとは

2018年の訪日外国人数が史上初めて3,000万人を突破し、今後も訪日外国人観光客の増加が見込まれています。2020年の東京オリンピックに向けて日本の国際的注目度が高まると同時に、ここ数年は訪日外国人観光客のスポーツへの関心が高まっています。スポーツを目的とした旅行を「スポーツツーリズム」と呼びますが、それはどのようなものなのでしょうか。日本国内のスポーツツーリズム成功事例も合わせて見ていきましょう。目次スポーツツーリズムとは?スポーツツーリズムの成功事例国内初の国際リゾート:ニセコ「ツー...

スポーツツーリズムがインバウンド拡大の起爆剤になる

スポーツツーリズムは決して新しいコンセプトではありませんが、コト消費の機運が高まる今、ブームに乗ってさらなる集客を図るチャンスだといえます。地域に根付いたスポーツや新たなムーブメントをターゲットを定めて打ち出し、訪日観光客にとっての新鮮な魅力を作り出すことができれば、インバウンド市場拡大の起爆剤となるはずです。その際、官民が一体となりスポーツを資源として守り、育てていくことが有効な手段となるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!