日本ならではの伝統的な生活体験や地元の人々との交流を楽しめる「農泊(農家民泊)」は、ヨーロッパを中心に普及したグリーン・ツーリズムの日本版として、世界各国から注目を集めています。
商業化された観光地を巡る大衆向けのマス・ツーリズムや、ペンション、ホテル、農家民泊とは異なり、グリーン・ツーリズムは都市居住者などが農村で休暇を過ごすことで都市と農村との住民同士の交流を深めることができます。
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農泊(農家民泊)とは?
そもそも農泊とは、日本ならではの伝統的な生活体験や地元の人々との交流を楽しめる農山漁村滞在型旅行のことです。深刻な人口減少の悩みを抱える地方において、訪日外国人観光客を受け入れることによって地方創世が期待できます。
事実、政府は地方の過疎化、空き家問題などを解決する地方活性化政策にもなり得ると考え、農泊を推進しています。
農泊周辺では、地元農家が生産した農産物や地元の郷土料理を味わったり、農林水産直売所で買い物をしたり、田植えや稲刈り、牧場の乳しぼり、山菜狩り、などさまざまな体験プログラムが用意されています。
ほかの民宿と何が違う?
ホテル、旅館、ペンション、キャンプ場といったほかの宿泊施設と農泊の大きな違いは、田舎の漁村や農村に滞在して地域ならではの文化や日常生活を味わえるところです。国内のみならず、「自然に癒されたい」「日本の生活体験をしてみたい」という訪日外国人観光客からも注目を集めています。
農家民泊と農家民宿との違いは?
農家民泊は旅館業法の手続きが不要
勘違いされがちな「農家民泊」と「農家民宿」の大きな違いは、旅館業法の適用範囲に入るかどうかです。「農家民泊」は、「キッチンの改装」「トイレの増築」などの手続きや食品衛生法をはじめとする許可の取得が必要ありません。ただし、市町村によって農家民泊の条例は少しずつ異なるため、一度確認してみた方が良いでしょう。
農家民泊は1泊5,000〜7,000円で宿泊できる
「農家民宿」の1泊あたりの料金が1泊7,000〜10,000円前後であるのに対し、「農家民泊」は1泊5,000〜7,000円で宿泊することができます。
というのも、「農家民泊」は旅館業法の許可を得ていないため、「宿泊料金」という名目で利用者からお金をとることができません。「体験プログラム」という形であれば料金を請求することができるため、「農家民泊」では四季折々の日本の風情を体験できるプログラムが豊富に用意されています。
農家民泊が訪日外国人観光客から人気の理由
「農家民泊」は、海外では「アグリツーリズム(Agritourism)」「グリーンツーリズム(Greentourism)」とも呼ばれ高い人気があります。ヨーロッパのグリーンツーリズム(GT)専門家のインタビューによると、人びとがGTに求めるのは下記の4つということです。
1. 自然に触れたい
これらはエコツーリズムとも呼ばれます。
2. 広大なスペースを求めている
乗馬やハイキングといったアウトドアアクティビティのために農村を訪れるタイプ。
3. 建築物に惹かれる
古い街並み、農家建築などに興味惹かれるタイプ。日本だと古民家などに滞在したいというニーズはこれに当たります。
4. 農村の生活ノウハウを求めている
農家や職人の技術に興味があるタイプ。
農家民泊と農家民宿の醍醐味はバリエーション豊富な「体験プログラム」
日本ならではの伝統的な生活体験や地元の人々との交流を楽しめる農家民泊では、さまざまな体験プログラムが用意されています。
- 農業体験:田植え、稲刈り、果実の収穫
- 自然体験:里山ハイキング、ホタル鑑賞、川遊び、魚のつかみ取り、星空観察
- 料理体験:郷土料理教室、干物や漬け物、発酵食品の加工
- 自作体験:昔のおもちゃ作り、草木染め、伝統工芸体験
- 林業体験:間伐、木炭作り、薪割り
- 酪農体験:牛や鶏の世話、牛の乳搾り、乗馬、餌やり
- 漁業体験:船舶漁に連れていく、一本釣り、魚のつかみ取り
- 伝統芸能体験:舞妓さんの稽古場一日入門、雅楽のレクチャー
まとめ
日本を訪れる訪日外国人観光客が最初に向かう、東京、大阪、京都といった定番観光地は総称してゴールデンルートと呼ばれています。ゴールデンルートで遊び尽くしたリピーターの多くは、ディープな体験ができる地方の観光地を訪れ、地元の生活に触れることに価値を感じるようになります。そのため、日本を訪れるリピーターが増えるにつれて、グリーンツーリズムの市場はますます拡大していくことが予想されます。
地方都市の魅力をアピールすることによって、InstagramやTwitterで世界中にその情報が拡散されていくため、プロモーション効果を得ることができます。さらに、地方の活性化や人口減少を食い止めることにも繋がっていきます。
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