2019年 春節トレンドは「カスタマイズプラン(私家団・私人定制)」と「ショートムービー映え(Douyin/ドウイン)」

こんにちは、クロスシー編集部です。本日は2月上旬に迎えた「春節」の長期休暇期間の中国人の旅行動向を振り返ります。

4億人の国内旅行者と700万人の海外旅行者、Ctripを通じ5万人が日本へ。文化体験&親子旅行&カスタマイズ旅行が人気

大晦日である2月4日の月曜から2月10日の週末まで、新年の休暇を楽しんだ中国人。家族や親戚との集まりがメインと言われるこの祝日期間ですが、年に二回の大型連休(10月の国慶節と1‾2月の春節)であること、そしてライフスタイルの多様化(家族だけを優先せず、自分の時間を大切にする)、さらには経済の成長もあり、旅行に出かける人も年々増えています。

春節期間の海外旅行の傾向は? 文化理解に関心UP、日本には聖地巡礼と買い物を求める若者の姿も

Ctripが1月に発表した「2019年春節旅行動向予測」のレポートでは、春節期間の旅行者は4億人、そのうち700万人が海外旅行に出かけると報じていました。実際、Ctripを通じ日本旅行に出かけた中国人は5万人に上ります。中国人旅行におけるコト消費への予算は増大しており、食事・宿泊・移動手段をワンランクアップさせる傾向がみられているそうです。

また『私家団』『私人定制』と呼ばれる高品質で個人の融通をきかせやすい「カスタマイズプラン」が流行となっており、現在供給が追い付いていない状況とのこと。中国人旅行者における、現地をより多く、そして深く理解したいというニーズがうかがえます。

年代別では、80後、90後の世代に加え、今年の春節は00後(19歳以下)が存在感を増しました。80後、90後では家族連れで旅行をする傾向が強くあり、00後の半分は大学の新入生であるため春節期間の大学の休みを利用して旅行に出かけたようです。

今年の春節期間の日本旅行の体験記を確認してみると、以前のようにスケジュールをぎっしり詰めた旅行ではなく、家族でゆとりをもって柔軟に楽しむケースも増えています。この家族は名古屋から東京へ移動し、科学技術館を訪れたが言語の関係で理解できなかった…との感想を書き残しています。せっかく日本の最新の技術に触れることを期待して足を運んだのに、言語の違いで楽しめなかったというのはサービスを提供する施設側の改善点かもしれません。

海外だけでなく、中国国内の旅行でも科学技術や芸術品鑑賞への意識は高まっています。春節期間、旅行先で博物館、美術館、図書館や科学技術館を訪れた観光客は約40%にも上るというデータもあり、体験型やテーマ深堀型の旅行を意味する「深度遊」がブームとなっていることがうかがえます。

また友人同士の旅行では、アニメ「名探偵コナン」の聖地巡礼、千葉の富里経由でお台場や銀座を訪れのんびり買い物を楽しむ旅行など、個人の趣味嗜好に合わせた日程が楽しまれていました。

▲ドラッグストア、コンビニでの滞在を楽しみ、写真と文章にまとめて公開する
▲ドラッグストア、コンビニでの滞在を楽しみ、写真と文章にまとめて公開する

こういった旅行体験記は、中国人にとって旅マエの情報収集に欠かせない存在となっています。

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人気旅行先、タイとの勝負ポイントはビザの利便性とキャッシュレス

同じくCtripのレポートによれば、人気の海外旅行先はタイ、日本、インドネシア、シンガポール、ベトナム、韓国、シンガポール、マレーシア、アメリカ、香港・マカオ・台湾などとなっています。旅行の目的は避寒という場合も多いようですが、中国国内で氷や雪を鑑賞しに行くムーブメントがあるように、春節期間には雪鑑賞のために日本旅行を選ぶ人もいます。

こうした旅先の魅力に加え、中国人観光客の呼び込みに重要なポイントとなるのがビザ手続きの簡易化です。現在74か国がビザ免除あるいはアライバルビザを採用しています。日本と並び、海外旅行先としての人気を不動のものとしているタイですが、アライバルビザの無料化実施の延期を受け、3月上旬から中国各地で提供開始予定の電子ビザの手続きを、2月15日から北京でのみ先行して開始しています。

日本では現在団体観光ビザと個人観光ビザの発給を行っていますが、いずれも旅行会社を通じた申請が必要で、また電子ビザではないため相対的に煩雑であると言えるでしょう。ただし、今年1月からは、過去3年以内に2回以上個人観光ビザを取得して訪日した中国人が数次ビザを申請する場合の提出書類を簡素化し、経済力を証明する書類の提出は不要とされました。これを機に日本旅行を検討し始める人もいたようです。

また、中国人の旅先での消費行動を後押しするのがAlipayWeChat Paymentといったモバイル決済の利便性です。調査会社のニールセンとAlipayの共同レポートでは、春節期間におけるAlipayの国外における利用の広まりが伝えられています。またAlipayの発表によれば、春節期間、三級都市、四級都市のAlipayユーザーの海外におけるAlipay利用は増加し、60後(50歳代)の利用も昨年比130%成長となりました。

人気旅行先である日本にも今後、沿岸部からだけではなく内陸からも中国人旅行者が増えるという状況が考えられます。こうした状況に対し、インバウンド対策ではモバイル決済の導入で消費者のニーズをとりこぼさないことも大切でしょう。

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まとめ 〜中国的SNS映えやキャッシュレスの需要理解でさらなる差別化を〜

中国では旅行中もSNSに情報をアップしたり他人の公開するコンテンツをチェックしたりする傾向があります。昨年からユーザーを拡大し続けるショートムービーアプリのドウイン(海外版:TikTokドウイン)では春節期間、特に三級都市、四級都市(二級都市以下の経済規模、二級都市は大連、昆明など)での利用が増加しました。海外でのモバイル決済利用が成長した地域とリンクしています。

当社では先日、日本企業で初のドウイン公式アカウント開設のサポートを行いました。こうした流行中のSNSを通じ、そこで映えるコンテンツを用いて情報発信することは、これから先日本旅行が身近になる三級都市、四級都市の中国人へ情報を届けることを意味します。こういった地域での流行についてもキャッチアップしていくことが、訪日中国人をターゲットにしたPR戦略においても効果的な差別化につながるでしょう。

<参考>

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この記事の筆者

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株式会社クロスシー編集部。中国語圏向けに日本情報の提供をするインターネットメディア運営・レップ事業を展開すると共に、訪日観光客向けのマーケティング・ソリューションを提供しています。日本の観光立国を実現すべく、メインターゲットとなる中華圏への観光情報、サービス、商品について、日中間の情報格差を埋め、観光客にとって最高の日本体験の提供を目指しています。