FNNによれば、8日に政府が1万円札などの紙幣デザインを、5年後の2024年をめどに刷新する方針を固めたことがわかりました。各紙幣の肖像画には、1万円札が福沢諭吉から渋沢栄一、5千円札が樋口一葉から津田梅子に、千円札は野口英世から北里柴三郎が起用される見通しで。早ければ9日に麻生太郎副総理兼財務相から発表されます。
おりしも先日新元号「令和」が発表されたばかりで、大きな時代の変化を感じるニュースですが、この紙幣刷新の顔ぶれや、インバウンドへの影響について解説していきます。
新元号「令和」外国人の興味は?台湾報道は「新平成・平成第二章」と大胆予想
2019年4月30日に予定される天皇陛下の退位に向けて、本日2019年4月1日「平成」に変わる新元号として「令和」を発表しました。「元号」の制度は、台湾・中国などの東アジアを中心に海外でもよく知られており、ここ数日でWEBメディアやテレビ局での報道が続いているようです。特に台湾では1時間以上の特集番組が組まれるほど注目度が高く、新元号の予想ランキングとして「新平成」「平成第二章」などインターネット上で話題となったジョークランキングを交えつつ紹介するほどです。この記事では、新元号とインバウン...
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福沢諭吉から変更 紙幣(日本銀行券)の紙幣デザインが刷新へ
政府関係者によれば、政府は数年後をめどに紙幣デザインを刷新する方針を固めたことがわかりました。1万円札は第一国立銀行や東京証券取引所などを設立、経営した実業家「渋沢栄一」が、5千円札は津田塾大学の創始者「津田梅子」が、千円札は近代日本医学の父として知られる「北里柴三郎」が肖像画として使用される見通し。
なお、1万円札の「福沢諭吉」肖像は1984年に聖徳太子からの変更以来の刷新で、40年ぶりの肖像変更となります。5千円および千円の刷新は2004年以来20年ぶりになります。
▼新紙幣デザインが発表になりました
【速報】新紙幣デザイン 正式発表「10000」の数字が外国人にもわかりやすく:裏面には外国人人気も高い葛飾北斎のデザインが
4月9日午前中、財務省により千円、5千円、1万円の紙幣(日本銀行券)を5年後の2024年度上半期に一新すると発表がありました。この新紙幣にはそれぞれ新たな肖像画が採用され、1万円札は1984年以降はじめて福沢諭吉がいなくなることになります。千円札は感染症予防や細菌学の発展に大きく貢献した北里柴三郎、5千円札は津田塾大学を創立した津田梅子、1万円札は明治から昭和にかけて産業界をリードした渋沢栄一に変更されます。麻生財務大臣は記者会見の場で「新たな産業の育成、女性の活躍、科学技術の発展など、現...
新1万円札の顔「渋沢栄一」とは
渋沢栄一(しぶさわ えいいち、天保11年2月13日(1840年3月16日)〜昭和6年(1931年)11月11日)は、江戸末期から大正初期にかけて活躍した実業家です。生まれは埼玉県深谷市血洗島の農家で、幼少期から「論語」などを学び、青年期には後の江戸幕府最後の将軍 一橋慶喜もとに仕えます。
慶喜が将軍になった後、慶喜の実弟 徳川昭武とともにパリの万国博覧会や欧州諸国を訪問、遊覧することで先進諸国を広く知ることになります。その治験が、明治維新後に生かされ、明治政府の大蔵省の一員として新しい国づくりに深く関わります。
大蔵省を退任した後は実業家としてデビューし、まずは「第一国立銀行」を、そして「東京証券取引所」を設立経営し「資本主義の父」とも呼ばれます。
新5千円札の顔「津田梅子」とは
津田梅子(つだ うめこ、元治元年12月3日(1864年12月31日)〜昭和4年(1929年)8月16日)は、津田塾大学の創立者として知られる教育者です。女子教育のなかでも特に女子の英語教育に力を入れていました。
元佐倉藩の藩士で農学者津田仙(つだせん)の子として江戸に出生します。わずか6歳のときに、岩倉使節団に加わり女子留学生として渡米し、そのまま小学校を終え、女学校に進み、フランス語やラテン語、数学、物理学、天文学などを学び、11年の間アメリカで暮らしました。
帰国した後、教師として女学校に就任。1889年 24歳のときに再度渡米し、大学で生物学を学び、帰国後の1900年に女子英学塾(のちの津田塾大学)を設立します。津田塾大学は、それまでの行儀作法の延長の女子教育とは違い、進歩的で自由なレベルの高い授業が評判となりました。
新千円札の顔「北里柴三郎」とは
北里柴三郎(きたざと しばさぶろう、嘉永5年12月20日(1853年1月29日)〜昭和6年(1931年)6月13日)は、ペスト菌を発見し、また破傷風の治療法を開発するなど「日本の細菌学の父」として知られる日本の医学者・細菌学者です。
現在の熊本県阿蘇郡小国町北里で代々庄屋を務める家に生まれた北里は、18歳で熊本医学校に入学し医学への道を志します。その後、東京医学校(現、東京大学医学部)に入学。「医者の使命は病気を予防することにある」と確信し、予防医学を生涯の仕事につくことを決意します。
ドイツベルリン大学へ留学し研究を開始し、1889年には世界で最初に破傷風菌の純粋培養に成功。翌年には世界で初めて血清療法を発見し、ジフテリア毒素と破傷風毒素に対する抗血清を開発します。帰国後、日本政府により調査派遣された香港ではペストの病原菌を発見するに至ります。
インバウンドへの影響は?
さて、新紙幣デザインの肖像画候補の解説に続いて、インバウンドにおける影響を検証してみます。
外国人にとってはわかりにくい紙幣・コイン
日本国内の自動販売機には、外国人観光客向けに「料金を支払う際にどのようにお金を投入すればいいのか」を説明するステッカーが貼ってある機種があります。
訪日客向け『自販機へのお金の入れ方』の詳しいイラストにネットでは「外国人をバカにしてる」「こうした説明は必要」と賛否両論:これは”インバウン
訪日外国人観光客数はここ数年急激に増加しており、企業や観光協会などはインバウンド誘致・集客を進めています。以前の記事でもご紹介したように、インバウンド誘致は地方創生にも重要といわれており、訪日外国人観光客の受け入れ体制の整備は、日本社会全体で取り組んでいくべき問題ともなっています。このような状況の中、いかに訪日外国人観光客をおもてなししていくべきなのかに関してネット上で度々議論が巻き起こっています。インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする「翻訳・多言語化」の資料を無料でダ...
この取り組みに関してTwitter上では様々な声が挙がっています。特に多かった意見を簡単にまとめました。
- おもてなしというか馬鹿にしている気がする。
- 硬貨の数字も理解できないなら海外にそもそも旅行するべきではないよ。
- うえから目線でおもてなしの方向性がおかしい。
- こういった取り組みは大事。実際に短期間の旅行で硬貨を使いこなすのは至難の業。
- そもそも中国みたいに電子マネーにすればよいのでは?
- 本当におもてなしするならキャッシュレスにすべき。
と様々な意見が。確かに、われわれ日本人が海外にいくケースを考えてみると「どの紙幣やコインがどれくらいの金額なのか」を瞬時に理解・判別するのは至難の業です。
近年では東アジアを中心に訪日リピーターも増加しており、日本の紙幣デザインについても、ある程度の認知が進んでいるともおもわれますが、それも今回の紙幣デザインの刷新でリセットされてしまうでしょう。
注目すべきは、Twitter上の意見としてピックアップしたものの最後の2つ、すなわち「そもそも中国みたいに電子マネーにすればよいのでは?」と「本当におもてなしするならキャッシュレスにすべき。」です。
いまこそQRコード決済・カード決済などのキャッシュレス化を
大規模なキャンペーンを伴うQR決済のシステム「PayPay」が全国的に導入され、昨年は日本もキャッシュレス社会の仲間入りを果たしました。とはいえ、野村総研の2018年の調査によれば、2016年時点で日本のキャッシュレス比率は約20%弱。アメリカで46%、中国では約60%。お隣の韓国に至っては、なんと約96%となっており、まだまだ後れをとっている状況です。
キャッシュレス比率 日本20%・中国60%・韓国96%/もはやキャッシュレス後進国の日本
2018年に入って、ここ日本でも、コンビニなどでのお支払いをスマートフォンで済ませる人の姿をよく見かけるようになりました。モバイルQRコード決済サービスも続々と誕生しています。そんな日本のキャッシュレス比率は、なんとまだ2割程度。ところが、訪日大国であるお隣の中国では、その比率は60%を超え、韓国は限りなく100%に近いと言われています。まだまだ現金のみでの支払いが必要なシーンが多い日本での旅行。海外からのお客様をお迎えし、いざお支払いの際に「現金がない!」…などというエピソードもよく聞き...
この分野においては日本の数歩先を進んでいるのが中国です。「WeChatPay」や「Alipay」のようなQRコードを使った決済は、小さな店舗はもちろん、ECサイトや鉄道の特急券のネット予約時の支払い、そして路上パフォーマーの投げ銭にいたるまで、様々な場面で採用されています。
こうした「キャッシュレス先進国」の中国では昨年から、世界最先端の「顔認証」が進んでいることが報道されました。顔認証を用いた支払いは、Alipay(支付宝)ですでに採用されています。
従来のQRコードでの支払いの場合は①スマホを取り出し②アプリを起動③読み取らせる④タッチIDかコード(数字)を入力し支払い完了、と4つの動作が必要です。一方で顔認証の場合、①10秒ほどで決済完了と速い②スマホの持ち歩きが不要③操作が簡単④もっと安全というメリットがあります。
数秒でお会計 中国の「顔パス認証」支払いがすごい!QRコードはもう古い!?
大規模なキャンペーンを伴うQR決済のシステム「PayPay」が全国的に導入され、昨年は日本もキャッシュレス社会の仲間入りを果たしました。こうした仕組みを数年前から作り上げ、社会に浸透させているのが中国です。ご存知「WeChatPay」や「Alipay」のようなQRコードを使った決済は、小さな店舗はもちろん、ECサイトや鉄道の特急券のネット予約時の支払い、そして路上パフォーマーの投げ銭にいたるまで、様々な場面で採用されてきました。こうした「キャッシュレス先進国」の中国では昨年から、世界最先端...
このように、東アジアを中心に広がりを見せているキャッシュレス化ですが、クレジットカード決済対応とあわせて準備しておくことで、今回の紙幣デザイン刷新にともなう新たなオペレーション追加も必要なくなるでしょう。
<参考>
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