中国の8大動画サイト・アプリ完全まとめ!プロモーションやPRにつなげる方法とは

日本で生活する私たちが普段利用している FacebookやTwitter、YouTubeといった SNS は、実は中国国内では利用ができません。

その代わりに中国国内では様々な動画配信サービスや、動画をアップロードしたりユーザーのアップロードした動画を楽しむ動画共有サービスが存在します。

中国のインターネットユーザーは人口の約60%、2018年末時点で約8.3億人で、そのうち98%にあたるが8.17億人がスマートフォンなどのモバイル通信機器経由でインターネットにアクセスしています。

そのため、中国でユーザー数の多いサービスはスマホのアプリのユーザーが多数を占めたり、そもそもアプリでしかサービスを展開していない場合も多くなっています。

中国では動画配信サービスや動画共有サービスは数多く存在し、それぞれの独自性で中国国内のターゲットユーザーに訴求しています。

本編では、中国の動画配信サービスと動画共有サービスの種類と、それらを使ってプロモーションやPRを展開する方法について詳しく見ていきます。


中国で人気の動画配信サービス(ウェブサイト、アプリ)

中国で現在人気の動画配信サービスは、中国の3大IT企業「BAT」(百度、アリババ、テンセント)が展開するiQIYI(愛奇芸/爱奇艺/アイチーイー)」「Youku(优酷・優酷/ヨウクー)」「テンセントビデオ(騰訊視頻/腾讯视频)」、そしてポータルサイトを運営するSOHUによる「tv.sohu(搜狐視頻/ソーフーTV)」です。

こうした利用者も多い人気サービスは、インバウンド対策としてプロモーション活動に利用することも当然可能です。実際に中国の動画配信サイトにコンテンツを公開し、インバウンド市場での売上アップに成功している企業も存在します。

こうした動画配信サービスでは、NetflixやHuluのように劇場公開された映画作品や、ドラマを配信しています。こうした作品は視聴時間が長いため、パソコンで視聴されることもあります。

1. iQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)

iQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)は百度傘下の動画配信サービスです。2018年3月にアメリカのナスダック株式市場に上場しました。

2018年6月のマンスリーアクティブユーザー数(MAU)は5.27億人です。

2018年6月の有料会員は6,710万人で、月間アクティブユーザーの12.7%でした。無料で視聴しているインターネットユーザーも相当数いると言えます。また2018年第4四半期の決算発表によれば、有料会員は8,740万人にまで増加しています。

iQIYI(アイチーイー)はオリジナル作品の公開量は業界トップで、数だけでなくその質も高く評価されています。iQIYI(アイチーイー)の複数のオリジナル動画作品が、口コミサイト「豆瓣(Douban)」で好評価を得ています。同時にユーザーによる版権作品の視聴回数も非常に多くなっており、こうしたラインナップがユーザーを満足させていると言えるでしょう。

ドラマ・音楽・スポーツなど様々なジャンルの動画を視聴でき、主に中国の作品が中心ですが、それだけでなく欧米や日本の作品を見ることも可能です。日本の人気アニメやドラマなどは中国国内の若者に高い人気を誇っています。

▲iQIYI(愛奇芸/爱奇艺/アイチーイー)のトップページ(ブラウザ)
▲iQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)のトップページ(ブラウザ)

2. Youku(優酷・优酷/ヨウクー)

Youku(优酷/ヨウクー)は映画・ドラマ・アニメ・バラエティなどの多方面にわたる映像コンテンツを配信している動画配信サイトです。中国版 YouTube とも呼ばれ、多くの中国人が利用しています。QRコード決済の「Alipay」やECサイトの「タオバオ」「Tmall」で知られるアリババの傘下のサービスでもあります。

2018年6月のMAUは4.93億人です。有料会員向けコンテンツの充実にも力を入れており、たとえばロシアで開催された2018年のサッカーワールドカップのライブ配信では1.8億ユーザーが視聴しました。

Youku(优酷/ヨウクー)では映画の公開作品の豊富さが特徴ですが、ドラマやバラエティ等ジャンルを問わずオリジナルの動画作品も多く公開されています。また、個人でも動画コンテンツをアップロードもしやすくなっています。

▲Youkuのトップページ(ブラウザ)
▲Youkuのトップページ(ブラウザ)

3. テンセントビデオ(騰訊視頻・腾讯视频)

テンセントビデオ(騰訊視頻・腾讯视频)は中国を代表するIT企業であるテンセント(騰訊/Tencent)が運営する動画配信サイトです。

2018年6月のMAUは5.03億人です。同時期の有料会員数は7,400万人で、MAUの約14.7%に当たります。2018年末時点の有料会員数は8,900万人に達しました

2018年7月時点での月間アクティブデバイス数は6.4億台、一日平均のアクティブデバイス数は1.8億台です。

テンセントビデオ(騰訊視頻・腾讯视频)はウォルト・ディズニー・カンパニーやパラマウントピクチャーズコーポレーションと契約しており、中国国内で放映された国内外の映画が視聴できます。

映画以外にもドラマ、バラエティ、ニュース、アニメ、音楽番組、そしてスポーツ中継やニュースと幅広いジャンルの作品が公開されています。家族と一緒に見るといった視聴シーンも考えられ、実際の視聴者数はアクティブなデバイスの数よりも多いといえるでしょう。

▲テンセントビデオ(騰訊視頻/腾讯视频)のトップページ(ブラウザ)
▲テンセントビデオ(騰訊視頻・腾讯视频)のトップページ(ブラウザ)
 

4. tv.sohu(搜狐視頻/ソーフーTV)

TV.Sohu(搜狐視頻/ソーフーTV)は、中国の老舗ポータルサイト搜狐(SOHU)の展開する動画配信サイトです。搜狐(SOHU)は1998年にポータルサイトのサービスを開始しており、中国のなかでも老舗のインターネット関連企業です。2000年にナスダック株式市場に上場しています。

ポータルサイトの搜狐(SOHU)では、ニュース配信、検索エンジンの「捜狗」、動画配信、ゲームといったサービスを展開しています。検索エンジンの「捜狗」はWeChatの公式アカウントのコンテンツも検索することができ、WeChatの情報への窓口にもなっています。

▲tv.sohu(搜狐視頻/ソーフーTV)のトップページ(ブラウザ)
▲tv.sohu(搜狐視頻/ソーフーTV)のトップページ(ブラウザ)

5. ビリビリ動画(bilibili、哔哩哔哩、B站)

ビリビリ動画(bilibili、哔哩哔哩、B站)は中国版のニコニコ動画です。動画上に視聴者が書き込むコメント(弾幕)が流れるのが特徴です。2018年3月にナスダック株式市場に上場しました。

アニメ、音楽、ダンス、ゲームといった15のカテゴリが存在します。2019年4月現在、音楽、ゲーム、生活、娯楽、映画のカテゴリのコンテンツが多くなっています。

ユーザー数は7,180万人とトップ3のプラットフォームのMAUには及びませんが、アニメファンと日本ファンの親和性は非常に高いため、訪日旅行に関心の高い層にアプローチしやすいプラットフォームと言えるでしょう。

▲ビリビリ動画(bilibili)のトップページ(ブラウザ)
▲ビリビリ動画(bilibili)のトップページ(ブラウザ)

中国で人気の動画共有サービス(ショートムービーアプリ)

ここまで紹介した動画配信サイトは視聴がメインとなるプラットフォームですが、続いてはユーザーによる短時間の動画コンテンツのアップロードもメインとなる動画共有サービスを紹介します。

この1~2年中国では数十秒~1分程度の「ショートムービー」が流行しています。こうした動画コンテンツはスマホのカメラを用いて撮影され、アプリ上で編集し公開されます。

6. Tudou(土豆網・土豆网/トゥドウ)

Tudou(土豆網・土豆网/トゥドウ)は2012年にYouku(优酷/ヨウクー)と合併したTudou(土豆/トゥドウ)による動画共有サイトです。2015年にアリババ傘下となります。2011年8月にアメリカのナスダック株式市場に上場しています。

Tudou(土豆網・土豆网/トゥドウ)は2014年にはアニメ、ファッション、音楽、韓流アイドルやドラマに注力する方針を発表していましたが、2017年からはショートムービー、PUGC(Professional User Generated Content、個人の制作するコンテンツだが、プロに近い仕上がりのもの)の領域でのユーザー獲得を目標としています。

Tudou(土豆網・土豆网/トゥドウ)ではYouku(优酷/ヨウクー)同様に映画や長尺のドラマも放映していますが、数分程度のコンテンツも多く目につき、上記の指標のもとにコンテンツを拡充していることがわかります。

▲Tudou(土豆/トゥドウ)のトップページ(ブラウザ)
▲Tudou(土豆/トゥドウ)のトップページ(ブラウザ)

7. Kuaishou(快手/クワイショウ)

Kuaishou(快手/クワイショウ)はショートムービーの共有サービスです。動画投稿アプリから動画を撮影、編集、投稿できます。SNSの機能も備え、中国の特に内陸都市を中心とする、発展途上の地域で人気となっています。動画にコメントできたり、ハッシュタグが利用されています。 

ユーザー数は2011年3月のローンチから4年後の2015年6月に1億を突破、2016年4月には3億を超えました。2017年にテンセント(騰訊)が出資し、年末にはデイリーアクティブユーザーも1億を超えています。2018年12月にはダウンロード数が7億を突破しました。

2018年6月には、ビリビリ動画同様の動画共有サービスを提供する動画配信サイト「AcFun」(A站)を買収しました。ユーザーの居住地は都市部が多く、Kuaishouのユーザー構成比で薄い部分をカバーできるという狙いがあるようです。

▲Kuaishou(快手)のトップページ(ブラウザ)動画の視聴やアップロードはスマホアプリで行う。
▲Kuaishou(快手)のトップページ(ブラウザ)動画の視聴やアップロードはスマホアプリで行う。

快手についての詳細な情報は、以下からご覧いただけます。

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8. TikTok(ティックトック)・Douyin(抖音/ドウイン)

TikTok(ティックトック)・Douyin(抖音/ドウイン)は日本でも若い世代を中心に流行している「TikTok」を運営するバイトダンスが中国国内で展開するショートムービーアプリです。

TikTok・Douyin(ティックトック・抖音/ドウイン)の利用方法は日本のTikTokと同じで、15秒を上限とするオリジナル動画を投稿できます。AIを利用したレコメンド機能により、瞬く間に「いいね」が増えたり、自分の興味のあるコンテンツが次々に表示されるため、没頭するユーザーも多いと言われています。

2019年1月のデイリーアクティブユーザーは2.5億、月間アクティブユーザーは5億であり、ショートムービーサービスのうち最もユーザーの多いサービスの一つです。 

▲Douyin(抖音/ドウイン)の公式サイト(ブラウザ)。動画の視聴やアップロードはスマホアプリで行う。
▲Douyin(抖音/ドウイン)の公式サイト(ブラウザ)。動画の視聴やアップロードはスマホアプリで行う。

ドラマや映画が見放題で人気のiQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)での動画広告

動画配信サービスのうち、iQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)は最も最近ナスダックに上場したサービスであり、今とても勢いがあります。幅広いコンテンツのカテゴリを有するだけでなく、独自作品も多く配信しており、ユーザーの獲得とロイヤリティの向上に余念がありません。

動画広告をインバウンド対策に活用

見てきたようにiQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)の有料会員は約12%であり、残りの約87%は広告の流れるコンテンツを視聴しているということがわかります。広告の視聴者が多いプラットフォームなので、現在も様々な製品やサービスが宣伝されています。

▲iQIYI(アイチーイー)でコンテンツの視聴前に流れる広告。ECサイトの商品ページに遷移できる。
▲iQIYI(アイチーイー)でコンテンツの視聴前に流れる広告。ECサイトの商品ページに遷移できる。 

冒頭の数十秒で、電子製品や食品等の新製品の広告が流れます。iQIYI(爱奇艺/アイチーイー)ではこうした広告枠の利用に加え、KOLインフルエンサー)の起用や番組とのタイアップといった形でプロモーション施策の展開が可能です。iQIYI(爱奇艺/アイチーイー)でインバウンド市場をターゲットとした施策をうつことで集客や購入促進といった効果が狙えます。

人気の化粧品ブランドエテュセはiQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)を活用して売上アップ

日本でも人気の化粧品ブランド「エテュセ」は、2017年にiQIYI(愛奇芸・爱奇艺/アイチーイー)を活用してプロモーション施策を実際に展開しています。

この中国人向けプロモーションでは、KOLのゾーイさんを起用し、彼女のファンに向けてエテュセの商品を使った動画を配信しました。この動画はiQIYI(爱奇艺/アイチーイー)を含む様々な動画配信サイトやSNSで視聴、シェアされました。

毎年11月は中国でも最大のECサイトのセールが行われます。この時期に効果的な動画マーケティングを展開したエテュセは、同年度の中国国内の売上において前年度比約260億円増を記録したということです。

KOLについての解説は以下からご覧いただけます。

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インバウンドアプリ「去日本(GoJapan)」はインバウンド対策に効果的

インバウンドアプリ「去日本(GoJapan)」は日本に特化した中国最大のメディアネットワークで、訪日中国人の旅マエの重要な情報源になっています。

専用動画チャンネルを搭載

去日本(GoJapan)では、日本関連動画コンテンツをアプリ内で配信しています。合わせて、上で紹介したような中国の主要動画配信サイトやショートムービーアプリなど、合わせて10以上の動画共有サービスで日本関連の情報を発信するチャンネルを開設しています。

以下のリンクから、去日本(GoJapan)についてさらに詳しい情報が確認できます。

GoJapanのメディアユーザーが300万人を突破!アプリユーザーは170万人突破!

[Asia Smart Travel (Beijing) Information Technology Co., Ltd.]日本に特化した中国最大のメディアネットワーク「GoJapan(去日本)」を運営する「亚智游(北京)信息科技有限公司(Asia Smart Travel (Beijing) Information Technology Co., Ltd.)」は、当社のメディアユーザー数が300万人を突破したことをお知らせ致します。また、訪日旅行客向けアプリ“去日本(GoJapan)”の...

AIレコメンド機能でユーザーの行動データを分析

去日本(GoJapan)は独自のアルゴリズムによってユーザーの行動を記録し、自動学習しています。

こうした学習を元に、ユーザーにとって最適なタイミングで、必要としているコンテンツやサービス・商品・旅行プランなどの情報を随時提供します。

去日本(GoJapan)内に自社の情報を掲載すれば、 AI レコメンド機能により適切なタイミングで自社商品の情報をユーザーの手元に届けることができます。

まとめ:中国動画配信サービスやショートムービーアプリを活用して、インバウンド対策を強化

中国の動画サイトやショートムービーアプリには様々な種類があり、それぞれのアプリによってユーザーの年齢や性別、居住地といった属性に違いがあります。

これからますます増える訪日中国人に向けて、プロモーション施策を打つ企業や組織は増えていくでしょう。その際に、自社のターゲット層に合わせてこうしたプラットフォームを活用することが、競合他社との差別化に有効です。

有料会員の少ない動画配信サービスでのコンテンツ放映前の広告枠の利用や、人気作品を配信する動画配信サービスでのタイアップ広告など、そのチャンスは様々な形で存在します。

ショートムービーアプリであれば、ユーザーが思わず真似をしたくなるような動画でのムーブメントづくりといった形も利用可能で、より低予算での露出拡大が狙えるでしょう。

中国の動画配信サービスやショートムービーアプリについて理解し利用することで、訪日中国人向けPR施策のさらなる効率アップが望めるでしょう。


<参照>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!