台湾中央気象局によれば18日午後1時1分、台湾東部沿岸を震源とするマグニチュード(M)6.1の地震が発生しました。震源の深さは18.8キロで、花蓮県銅門村では最大震度7の揺れを観測しました。
この地震により、台湾首都・台北市内でも震度4の揺れが発生し、地下鉄が一時運行を停止したものの、現在のところ深刻な被害や死傷者が出たとの情報はないとのこと。
また、地震の被害状況を伝える写真や動画がSNS上にアップされていますが、そのなかでも「道路が地割れした」ように見える画像がフェイクニュースとして拡散され、台北市政府が収束に走る事態となっています。インバウンドへの影響を含め、見ていきましょう。
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台湾東部で最大震度7、津波の心配なし
現地時間18日午後1時1分ごろ、台湾東部の花蓮(フアリェン)でM6.1の地震が発生しました。震源に近い花蓮県銅門では最大震度7を観測しました。台北では震度4、台湾全土で震度5〜1の揺れを観測しました。なお、日本の気象庁は、この地震のマグニチュードをM6.4と発表しており、沖縄県の与那国島では震度2を観測しています。また、日本の沿岸では若干の海面変動の可能性はあるが、被害の心配はないといいます。
台湾メディアによれば、花蓮の景勝地・太魯閣峡谷で観光客2人がけがをしたといいます。震度4を観測した台北市でも、商業ビルが少し傾いたり、地下鉄が一時運行停止になるなどの被害と混乱がありました。
SNS上には「道路が割れた」とフェイクニュースが拡散
SNS上では、被害の状況を伝える投稿が相次いでいますが、そのなかで「道路が割れた」ように見える画像がフェイクニュースとして広まっています。これは台北市のビジネス街の一角の道路なのですが、道路が割れているように見えるのは補修跡であり、報道機関や台北市政府は安全に問題はないと発表しています。
Twitter:地震により「道路が割れた」とする投稿(https://twitter.com/RFA_Chinese/status/1118753680629489664)
台湾と日本の関係:地震のたびに助け合ってきた
台湾は親日国としても知られていますが、日台関係は地震のたびにその絆を深めあってきたと言っても過言ではないでしょう。地震国家である日本と台湾は、地震の発生のたびに互いを支援しあってきました。2018年2月に発生した最大震度7の花蓮地震でも、俳優の阿部寛氏が1000万円の寄付を申し出たニュースが記憶にあたらしいですが、もっとも印象的だったのは、やはり2011の東日本大震災でしょう。
2011年の東日本大震災では、当時の馬英九総統が翌12日に1億台湾ドル(約2億8000万円)の義援金送付を表明します。さらに13日には援助隊を派遣することを表明します。
その背景にあったのが、日本が1999年9月の台湾中部大地震や2009年8月の南部台風災害で台湾を支援したことで、馬英九総統は演説でこれらの日本の支援に触れ「我々も同様に積極支援する」と語ります。その後も、相次ぐチャリティー番組や募金により、4月15日には140億円を超え、最終的には200億円以上の支援となりました。
4〜6月は台湾インバウンド市場のピーク
さて、インバウンドではどのような影響が考えられるでしょうか。2018年、台湾インバウンド市場は前年比4.2増の475.7万人となりました。影響力としては、全市場における訪日外客数シェア率15%で第3位を誇る大きな市場です。
折しも台湾インバウンド市場は4〜6月頃が市場のピークとなります。一方で、前述の最大震度7を記録した花蓮地震が発生した2018年2月は前年比8.3%増、翌3月は10.2%増を記録するなど、力強い成長を見せました。
なお、今回の地震発生地の近隣にある花蓮空港は、日本への直行便のない空港ですので、昨年同様、インバウンド目線では大きな影響は見られない可能性が大きいでしょう。
ただ、台湾市場をメインターゲットとしているインバウンド事業者は、今回の地震について慎重な取り扱いが必要です。このような大変な状況の中でも日本に来てくれる台湾人観光客に感謝とリスペクトを持ち、対応と情報発信することが重要です。
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