医療ツーリズム・メディカルツーリズムとは?インバウンドで注目の理由・メリット・国内事例

医療ツーリズム(メディカルツーリズム)」は、簡単に説明すると医療を受けるために海外へ渡航する、渡航してくることです。近年、この医療ツーリズムインバウンド観光の形態として注目されています。

医療ツーリズム(メディカルツーリズム)は日本のインバウンド観光のみならず、中東などアジア圏からの観光客が日本を含むアジアの国に訪れる旅行動機として注目を集めています。台湾の衛生福利部がこのほど発表した統計によれば、2018年に医療ツーリズムで台湾を訪れた外国人は延べ41万4,000人と過去最高を更新しました。

このように、世界的な観光ムーブメントとして盛り上がりを見せる「医療ツーリズム(メディカルツーリズム)」について「医療ツーリズムとはどのようなものか?」「医療ツーリズムのメリット」「日本での具体例や現状」について紹介します。

医療ツーリズム・メディカルツーリズムとは?

医療ツーリズム・メディカルツーリズムは、「医療観光」とも呼ばれており、他国の高度で発展した治療や検診を受けるために渡航すること、または渡航してくることです。医療ツーリズムという言葉が商業主義を連想させるとして「国際医療交流」「医療渡航支援」という言葉を使う場合もあります。

医療ツーリズムが注目される理由

治療目的の場合、同伴者が一緒に滞在し周辺観光をする事例や、医療ツーリズムを受け入れている施設は英語が通じるため、旅行中にケガや病気になった旅行者が訪れることがあるといった理由から、インバウンド対策としても非常に注目されています

日本で医療を受ける外国人は待ち時間の短縮や高い医療技術、病院の衛生環境、質の高いスタッフの対応などを求めて日本にやってきます。

環境整備や広報等のインバウンド対策が必要

医療ツーリズム」で集客を行おうとした場合は、安心して医療サービスを受けられるように病院や周辺施設での外国語対応、同伴者長期滞在のための施設確保、医療水準の引き上げなど環境整備はもちろん、海外への情報発信や営業といった広報活動などのインバウンド対策を行う必要があります。

そのため、1つの病院だけで行う、施設だけで行うというよりは、病院や周辺施設、自治体などが協力して取り組む必要があります。

医療ツーリズムの課題、日本は対策が遅れている?

では日本の医療ツーリズム対策の現状はどうなっているのでしょうか?

患者の安全性や医療水準、院内の改善活動などを総合的に評価した国際医療機関評価機構JCI(Joint Commission International)認証というものがあります。世界で最も厳しい基準をもつ医療施設評価基準と言われており、医療ツーリズム先を決める際の基準にもされています。 日本は現状、このJCI認証の医療機関が29施設、それに比べ中国は110施設、タイは66施設(2019年4月時点)と他のアジア諸国に比べて少ないという問題点があり、海外に比べて医療ツーリズム対策が遅れていると言わざるをえません。

医療ツーリズム向けのインバウンド対策を行うメリットは?

では医療ツーリズム向けのインバウンド対策を行うことはどのようなメリットがあるのでしょうか。医療ツーリズム対策を行うメリットとしては、「医療ツーリスト」の観光消費額の高さや、医療機関の設備や技術向上が挙げられます。

医療ツーリストの観光消費額の高さ

医療ツーリズムで訪れる観光客は、ビザの取得、同伴者を伴う長期滞在、観光も行うといったことや、海外で治療を受られるほど金銭的に余裕のある層が訪れるため、観光消費額が非常に高いです。そのため一般向けのインバウンド対策よりも高い効果を得られる可能性があります。また、外国からの患者の場合、健診も治療も健康保険を使わずすべて実費で診療費を支払うため、日本人の3倍ほどの金額を支払ってもらえます。

医療機関の設備・技術向上

病院側も得た収入を医療機器への投資、人件費に回したり、多くの症例を扱ったりといったことで医療技術の向上が期待できます。それが結果的に地元の人に還元される、技術や設備が向上することで更に医療ツーリストが増加するといった好循環が期待できます。

事例:医療ツーリズム向けのインバウンド対策

では実際に医療ツーリズム向けのインバウンド対策としてどのような事例があるのでしょうか。

「あいち医療ツーリズム研究会」「国立医療研究センター病院国際感染症センター」の事例を紹介します。

1.あいち医療ツーリズム研究会

あいち医療ツーリズム研究会」は、検診から治療までを同一のコーディネーターがサポートをするといったサービスを展開したり、医療展覧会や中国向けのSNS「WeChat」などを利用してPRを行うなどインバウンド対策を行っています。

ターゲットとしている中国人の富裕層は、中国で問題になっている医師不足による待ち時間の長さや、検査単体での判断が無い日本で、少ない待ち時間で高品質な医療を受けられれるというメリットを求めていると分析し対策を立てています。

医療ツーリズムといえば愛知」を目指しています。

2.独立行政法人 国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター

独立行政法人 国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター」はFacebookを活用し、SNS・ソーシャルでの発信に力を入れています。スタッフの活動や感染症に関する感度の高い情報を積極的に発信することで医療技術が高いということを示して集客を行っています。

まとめ:医療ツーリズム向けのインバウンド対策を

医療ツーリズムについて」「医療ツーリズムの現状、事例」「医療ツーリズムのメリット」について紹介してきました。

医療ツーリズムは、医療を受ける本人だけでなく同伴者も長期滞在する傾向があり、また地域の医療水準の向上にも貢献するためメリットが大きいのが特徴です。

最初に対策をするまでのコストや労力が大きいということがありますが、効果が出始めれば高いインバウンド効果が期待できます。

ぜひ医療ツーリズム向けのインバウンド対策を検討してみて下さい。

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!