観光庁の5つの役割 | 観光立国推進基本法・取り組み・JNTOとの違い

観光庁の5つの役割 | 観光立国推進基本法・取り組み・JNTOとの違い

観光庁は国土交通省の外局の一つで、日本の観光立国実現のために、魅力ある観光地の形成や国際観光の振興、その他の観光に関する施策を行っています。

管轄範囲は幅広く、例えば外国人観光客が免税で商品を購入できる免税店の全国の店舗数の調査もその業務のうちの一つです。今月観光庁が発表した情報によると、今年4月1日の時点で全国で免税店は5万を突破し、その中でももっとも増えたのは岩手県とわかりました。同機関は免税制度の積極的な活用を地方地自体に呼び掛けており、こうした政府の姿勢からは今後もショッピングが日本観光の重要な一端を担っていくことが予想されます。

今回は、観光庁の具体的な取り組みや、インバウンド誘致活動を行う政府機関の日本政府観光局(JNTO)の違いとともに解説します。


観光庁とは?

観光庁とは、2008年10月1日に発足した国土交通省の外局の一つです。日本の観光立国実現を目的とした組織とされ、主に国際観光の振興など施策を行っています。  

観光庁の政策

観光庁の執り行う業務は、主に次の5項目に分けられます。

1. 国際競争力の高い魅力ある観光地づくりを支援

国・地方公共団体・民間事業者などと連携し、訪日外国人旅行者の受入環境の整備・充実を推進。訪日外国人の旅行満足度を高め、リピーターの増加を図る。

2. 海外との観光交流を拡大

海外での旅行博の開催や、MICEといった、企業・産業活動や研究・学会活動等と関連した集客交流が見込まれるビジネスイベントの開催。

3. 旅行者ニーズに合った観光産業の高度化を支援

旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を目的とした旅行業法の実施や、外客宿泊施設について登録制度の実施、外客に対する登録ホテル等に関する情報の提供。

4. 観光分野に関する人材の育成と活用を促進

各地で観光振興の核となる人材を育てることを目的に、『観光カリスマ百選』の任命や、観光経営のマネジメントにおける人材育成の促進を図る。

5. 休暇取得の推進や日本人海外旅行者の安全対策など観光しやすい環境の整備を行う

休暇を取得しやすい職場環境の整備や、子どもの休みの多様化・柔軟化など、休暇に対する国民意識の変革に向けた取組の推進。

観光立国推進基本法

観光立国推進基本法は、観光立国に関する基本理念、国および地方公共団体の責務、施策の基本事項などを定めた法律です。

2006年12月に成立、2007年1月より施行されました。観光立国実現に向けて国民経済の発展と国際相互理解を増進させることを目的としています。

観光立国推進基本法の基本理念は、下記4つに定められています。

  1. 「住んでよし、訪れてよしの国づくり」の認識の重要性
  2. 国民の観光旅行促進の重要性
  3. 国際的視点に立つことの重要性
  4. 関係者相互の連携の確保の必要性

ユニークな取り組み、日本版DMOとふっこう割

観光庁では政策のひとつとして、観光地域づくりや国際観光の促進を図る施策を行っています。 以下はその施策の事例です。

1. 日本版DMO

日本版DMOは、地域の観光地域づくりの実現を目的とした法人組織です。多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりの戦略を策定しています。

基礎的な役割と機能は観光地域のマーケティングとマネジメントで、具体的に以下のような内容となっています。

  1. 日本版DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成
  2. 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPI(重要業績評価指標)の設定・PDCAサイクル(特に生産技術における品質管理などの継続的改善手法)の確立
  3. 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーション 

その他、地域の実情に応じて、着地型旅行商品の造成・販売やランドオペレーター業務の実施など、個別事業の実施も挙げられています。

2. ふっこう割

ふっこう割とは、自然災害で被災した地域への旅行が割引される制度です。被災地の観光需要を早期に回復するために、その地域の観光振興機構、日本政府観光局(JNTO)、民間事業者、地方自治体など幅広い関係者の協力のもと計画策定、実行されています。

例えば「北海道のふっこう割」は、昨年2018年9月北海道胆振東部地震後にスタートし、今年3月末まで適用された制度です。北海道内の旅行商品や宿泊料金を割引しています。

3. 日本のおみやげコンテスト

「魅力ある日本のおみやげコンテスト」は、2005年~2013年の9年間、観光庁主催で行われたイベントです。おみやげを通して日本の魅力を海外に伝え、訪日促進を目的としています。

2014年以降は「おみやげコンテスト」の形で事業を継承し、魅力ある日本のおみやげ発掘を継続して行っています。

また「ふるさと祭り東京実行委員会」の実施により、日本の伝統文化の中から最新の技術・デザイン、名産、食などの情報を取り上げ、これを広く伝えることで地域のブランド振興を図っています。

日本政府観光局(JNTO)との違いは?

観光庁以外で、外国人旅行者の誘致活動を行う政府機関として、日本政府観光局(JNTO)があります。観光庁と日本政府観光局(JNTO)の違いを解説します。

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日本政府観光局(JNTO)とは?

日本政府観光局(JNTO)は、国際観光の振興を図ることを目的としてした独立法人です。 観光庁が所管となり、世界の主要都市に海外事務所を持ち、日本へのインバウンド・ツーリズム(外国人の訪日旅行)のプロモーションやマーケティングを行っています。

事業内容は、主に次の4項目に分けられます。

1. 海外プロモーション

訪日外国人旅行者の増加を目的とした訪日プロモーション事業。多言語対応のウェブサイトやSNSを通じた訪日観光情報の提供。

2. MICEの誘致・開催の支援

MICEと呼ばれる、企業・産業活動や研究・学会活動等と関連した集客交流が見込まれるビジネスイベント「日本政府観光局(JNTO)コンベンション」の誘致・開催支援の開催。

3. 受入環境整備・向上の支援

日本を訪れる外国人旅行者に対して、日本全国の観光情報の提供を行う「外国人観光案内所(TIC)」の運営。外国人観光案内所の認定。

4. 市場分析・コンサルティング

訪日外客統計の集計・発表。自治体・企業等へのインバウンド事業サポート。

観光庁と日本政府観光局(JNTO)の違い

観光庁」は、国土交通省の外局の一つとして、政府全体の施策をとりまとめる組織です。主に、国際会議等の誘致促進及び開催の円滑化などを目的としています。

一方で「日本政府観光局(JNTO)」は、独立行政法人として外国人旅行者の誘致活動を行う組織です。日本の公的な専門機関・政府観光局として、観光誘致・開催の支援等を実施しています。

観光庁は日本の観光立国化を支える大切な存在

観光庁は国土交通省の外局のひとつとして、日本の観光立国実現を目的にさまざまな施策を策定し講じています。政策のひとつとして、地域の観光地域づくりの実現を目的とした法人組織「日本版DMO」によって、観光地域づくりや国際観光の推進も図っています。

また、インバウンド誘致を核とした組織「日本政府観光局(JNTO)」を所管しており、日本の観光立国には欠かせない大切な存在といえます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!