外国人観光客数・観光収入の世界ランキング2019年版/観光大国の施策を紹介

公開日:2019年06月28日

国連世界観光機関(UNWTO)が発表した世界各国・地域への外国人訪問者数ランキングによると、1位フランス、2位スペイン、3位アメリカでした。10位以内にはヨーロッパの国々が多くランクインしており、その要因としては、国同士の近さや交通手段・手続き面での行きやすさなどが考えられます。

日本は観光客数が世界で12位だったのものの、観光収入では10位にランクインしています。政府としてもインバウンド対策に力を入れており、今後さらに上位にランクインすることが期待されます。

この記事では、最新の観光客数と観光収入のデータをランキング形式で紹介し、ランキング上位の国々が行っているインバウンド対策からその人気の理由を解説します。

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世界で一番観光客が訪れる国は?ランキングで紹介

日本国内への海外からの旅行者数は、2013年に1,000万人の大台に乗ってからというもの、毎年順調に訪日外国人数は増加しています。

昨年2018年には3,000万人を突破し、これはかなり大きな数字にも見えますが、実際に世界の観光立国と比較するとどうなのでしょうか。

世界で観光客が多い国をランキング形式で紹介します。

旅行で人気の国はどこ?トップ10を紹介

以下の表は、2017年の1年間を対象に、海外からの旅行者数の多い国・地域を順に並べたものです。

1位

フランス

8,686.1万

2位 スペイン

8,178.6万

3位 アメリカ

7,694.1万

4位 中国

6,074.0万

5位 イタリア

5,825.3万

6位 メキシコ

3,929.1万

7位 イギリス

3,765.1万

8位 トルコ

3,760.1万

9位 ドイツ

3,745.2万

10位 タイ

3,559.2万

単位:千人 データ更新日2019年2月7日、直近データ2017年

出典: UNWTO(United Nations World Tourism Organization)

1位のフランスは年間8,686万人、2位のスペインは8,178万人、3位のアメリカは7,694万人、4位の中国は6,074万人、5位のイタリアは5,825万人です。

以下、メキシコ、イギリス、トルコ、ドイツ、タイと続きます。日本はトップ10にはランクインならずでした。

この数字は、国際旅行における受入れ国(渡航先)での旅行客数(入国者数)です。

旅行客は原則として外国人で、就業目的では無い、一泊以上の短期滞在旅行客を数えます(一部の国は宿泊無しの日帰り入国者数を含む/ランキング表示では、当年のデータが無い場合、過去のデータで補完)。

以下、1位~3位の国の特徴を見てみましょう。

1位はフランス!どんな魅力が旅人を魅了している?

フランスには様々な魅力がありますが、共通点は、「美」でしょう。芸術、伝統、歴史など、美しいものを楽しみ、重んじる国民性があります。ファッション関連のビジネスなどが盛んなのも同様の理由です。

もう一つの魅力は「食」です。フランスは食へのこだわりも強く、美味しいフランス料理は世界中の人々を魅了しています。美しい景色や建物の中で贅沢にフランス料理を堪能することができます。

2位のスペイン、気持ちのいいお天気と自然の中のレジャーが人気

ヨーロッパ南西部のイベリア半島に位置するスペインは、気候が安定しており、湿気も少なく過ごしやすい国です。

夏はビーチ、冬はスキー場など、年間通してレジャーを楽しむことができます。また、陽気で明るい人が多いというスペイン人の国民性も魅力の一つです。

さらに、スペインのサッカーやバスケットチームは世界的に強く、過去に6人ノーベル文学賞を受賞した作家もいるなど、文化・スポーツ共に盛んな国です。

3位のアメリカは、世界の先端技術もエンタメも大自然

アメリカは人種のるつぼと言われるほど、多様性に富んだ自由な国です。

アメリカの国土は日本の国土の25倍のため、地域によって文化も異なり、様々な人種の人々が共存しています。

シリコンバレーのようにハイテク産業で世界をリードしている地域もあれば、ロサンゼルスをはじめ観光地や留学先として人気な地域もあり、ハリウッドのようなエンターテイメントの世界的頂点ともいえる場所、そして雄大な大自然に包まれる国立公園など、多種多様なモノ・コトで溢れています

日本は12位の約3,000万人

こちらのランキングの対象である2017年の1年間、日本を訪れた外国人旅行客数は、2,869万人でした。世界ランキングでは12位という結果です。

アジア地域の国でいうと、4位に中国、10位にタイがランクインしています。

日本は2021年に東京オリンピック・パラリンピックを控えており、まだまだランク上位に上がる可能性を秘めていると言えます。

観光収入が一番多い国は?

観光客数が多ければ、基本的にはそれに比例して観光収入は増えていくと考えられます。それでもなお、客単価や経済効果は国によって大きく異なるため、ランキングの各国・地域の並びは上で紹介した旅行者数と完全には一致しません。

観光収入ランキングの上位は、旅行者に消費を楽しんでもらうのが上手い国とも言えるでしょう。観光立国を目指す日本には、学べることが多くあるはずです。

観光収入ランキング

観光客数ではランキング圏外となってしまった日本ですが、観光収入のランキングではトップ10入りを果たしています。

1位 アメリカ

210,700

2位 スペイン

68,400

3位 フランス

61,000

4位 タイ

57,400

5位 イギリス

51,200

6位 イタリア

44,200

7位 オーストラリア

41,700

8位 ドイツ

39,800

9位 マカオ

35,600

10位 日本

34,100

単位:百万US$ データ更新日2019年2月7日、直近データ2017年

出典: UNWTO(United Nations World Tourism Organization)

米ドルへの換算は、データを作成した時点の基準為替レートを採用しています。

この数字は、来訪した海外旅行者が当該の国内で宿泊や物品・サービスの購入で支出した金額であり、国際旅客便サービス(渡航費用・旅客運賃)への支出は含まれません。(ランキング表示では当年のデータが無い場合、過去のデータで補完)

観光客数と観光収入の順位の違いは?

観光客数と観光収入の違いは1位から3位の間では、順位の変動はあるものの顔ぶれは変わりません。

また、4位以下でどちらもランクインしているのはイタリア、イギリス、タイ、ドイツとなりました。

ヨーロッパの国々は、観光産業で成功しているといえるでしょう。

こうした国・地域のインバウンド戦略について理解を深めることは、日本でのインバウンド戦略の立案にも役に立つ部分があるはずです。

日本は10位にランクイン

日本は観光客数が世界で12位だったのものの、観光収入では10位にランクインしています。そのことから、観光客に国内で多く消費してもらい観光収入を得ていることが考えられます。

特に訪日中国人の消費額は少なくなく「爆買い」が日本における観光収入を支えたと考えられます。

日本政府の東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催前後だけでなく、政府としてもインバウンド対策に力を入れています。こうした様々な方面でのアプローチが結実すれば、今後さらに観光収入の増加が期待できると言えるでしょう。

上位3国の人気の理由は?インバウンド対策を分析

上位3ヶ国が旅行先として人気なのにはそれぞれ理由があります。それぞれのインバウンド対策を分析することで日本でのインバウンド対策に応用できるかもしれません。

各国のインバウンド対策を紹介します。

フランスのインバウンド対策

フランスは過去30年間観光客数世界一を記録した観光先進国です。フランスのインバウンド対策には主に4つの特徴があります。

1つ目は、観光客向けの情報サービスの充実です。政府観光局インフォメーションセンターでは、10ヶ国語対応の旅行情報を手軽に得ることができます。フランス観光サイトでは20か国語以上に対応しており、季節の情報、イベント、地図、観光ツアー、美術館やコンサート、観光バス、ホテルの予約など様々な情報が手に入ります。

2つ目は政府のサポートです。フランス政府は2020年に観光客数1億人をという目標を掲げ、各地域に毎年3000万円程度の予算を補填しています。

3つ目は、ビジネス利用の多さです。展示会や国際会議などが多数開催されます。ビジネス利用の観光客は一般の観光客と比べ、客単価が4倍だと言われているため、より多くの観光収入を得ることができます。

インバウンド対策の事例としては、フランスの観光地として人気のあるニースという街では、「ニコ・ヴァレー」という観光に特化した街づくりを行っています。具体的には、交通インフラや商業施設の整備などを行っています。

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スペインのインバウンド対策

観光国トップのフランスを追随しているのがスペインです。

他の国のインバウンド対策とは違い、特徴的なのが政府と地方や民間企業との分業制です。スペインの観光収入は主にアンダルシア州とバレアレス諸島、カナリア諸島、カタルーニャ州に集中していますが、その他の地域に向けたプロモーションを積極的に行い、国全体での観光収入を後押ししています。

各市町村や自治州政府が観光施策の主体となり、ツアー企画や受け入れ環境の整備などを行います。一方で政府観光局は、調査や海外向けのプロモーション担当となります。お互いの強みを活かしながら、分業体制でインバウンド対策を行っています。

スペインの観光客のが6割がリピーターと言われていますが、顧客基盤をつくったのは、この分業制による功績が大きいでしょう。

アメリカのインバウンド対策

アメリカ政府には観光の担当部署がなく、その代わりに「Destination DC」 がその役割を担っています。

「Destination DC」は、旅行会社や航空会社、ホテル等と連携しながら、地域の観光を推進しています。Destination DCは、展示会や国際会議の誘致を積極的に行っていることに加え、それと同時に、それらに参加した人向けに各観光スポットへのディスカウントチケットを配布したり、ホテルを安く提供するなどのプロモーションを行っています。

フランスの紹介の際にも触れましたが、客単価の高いビジネス利用の旅行客を取り込み、その結果として観光収入を押し上げていると考えられます。

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日本の観光業はこれからもインバウンド市場拡大へ

日本も東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催による、海外からの観光客の増加を見据え、様々な業界でインバウンド需要に対応するべく準備が進められてきました。

今後も、インバウンド誘客で成功を収めているフランスやスペインといったインバウンド先進国の取り組みを参考にしながら、官民上げての取り組みを通じ、日本に合ったインバウンド対策の道が確立されていくと考えられるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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