VR/ARの観光プロモーション事例3選|メリット・活用方法・プロモーション事例

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360°バーチャルな仮想世界を体験できる技術VR(Virtual Reality)」が、観光事業に活用されるケースが出てきています。 様々な場面で活用され始めているVRにより、これまでになかった観光体験が生み出されています。

今回は、観光事業での多岐にわたる活用方法やサービス内容、観光にVRを活用するメリット、実際の活用事例について解説します。

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そもそもVRとはどんなもの?

VRは創造された仮想空間の中にあたかも自分が存在しているかのような感覚をもたらすテクノロジーです。それに類似する概念として現実世界に仮想の事物を追加するARがあります。

ゲームやアクティビティに用いられることが多いVRやARですが、近年では観光地のプロモーションに用いられるケースも増加しています。

インバウンドにVRやARコンテンツは『効く』のか?⇒意外にも最も注目度が高いのはARという結果に

近年、あらゆる分野で活用が進んでいる最先端テクノロジー。AIやVR、AR などがその例にあたります。観光分野に目を当てても地域の魅力を新しいかたちで伝えるためにこれらの技術の活用がすでに始まっています。実際に 海外旅行者の間でこういったテクノロジーの利用意向はどの程度のものなのでしょうか。 スペインのIT企業Amadeusの資料をもとに説明していきます。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「...

VR/ARとは

VRとはVirtual Reality(バーチャルリアリティ)の略で仮想現実と訳されます。

VRではヘッドマウントディスプレイやゴーグルを着用するとプログラムによって視覚的情報、聴覚的情報が巧みに操作され、創造された仮想空間の中に自分がいるかのような体験をすることが可能です。

一方、ARはAugmented Reality(オーギュメンテッドリアリティ)の略で、拡張現実と訳されます。ARでは現実世界にCGや仮想の事物を投影しているため、あくまでも現実世界を主体としています。その点がVRとARの最も大きな違いであるといえます。

例えば今でもファンによりプレーされているスマートフォン向けゲームの『Pokemon GO』はAR技術を活用した作品です。

VRを観光客向けに使うメリットとは

VRを用いて観光地や街並み、人気のスポットを紹介することで画像や動画に比べてよりリアリティのある形でその場の魅力や雰囲気を伝えることができます

また、画像や動画のように一点を切り取る伝え方ではないため、実際に訪れた際に想像していたよりも狭かった、想像していた程きれいではなかったというようなギャップが発生する可能性も低くなると考えられます。

その他にも徒歩や電車などのアクセスについてVR動画で案内することによって、まるで事前に下見をしたかのようにスムーズに現地にたどり着くことが可能になります。

さらにデジタルデータでの情報提供を利用して、VR動画の中でクーポンコードの配信やキャンペーンの告知ができるメリットもあり、VRはマーケティングの点でも優れた媒体であることがわかります。

VR/ARを観光事業に

VRやARが観光事業におけるプロモーションとして有効ですが、まだ歴史の浅い先端技術であることからその具体的な活用方法については周知されていません。

以下では、旅行前、旅行中、旅行後における具体的なVR/ARの活用方法やVR/ARを利用したプロモーションで必要とされる要素について紹介します。

VR/AR等を活用した観光コンテンツの具体的な活用方法

旅行の前段階におけるVR/ARの活用方法としては海外の旅行博や観光局で人気観光地のVR映像を体験することで訪日意欲を喚起する方法があります。

以前NTTドコモが阿波踊りの様子をVR形式で中継してアンケートを行なったところ、9割以上の人々が現地で阿波踊りを実際に見てみたいという結果が出ており、VR/ARのプロモーションの有効性を裏付けています。

旅行中には空港や主要駅において地方の観光地をVR/AR映像でPRすることで、訪日外国人の地方誘致促進が見込めます。

さらに文化財、建造物は改修工事や保護のために内部には立ち入れなくなっていることもあり、そのような時にはVR/AR映像を提供することによって付加価値を向上させることもできます。

また、訪れた観光地についてVR/AR形式で保存や閲覧が可能であれば訪日客本人の再訪や周囲の人々の訪日に対する意欲促進につながります。

VR/ARを用いた観光プロモーションで必要なこと

VR/ARを用いた観光プロモーションの有効性についてはNTTドコモのアンケート結果の通りですが、さらに有効性を高めるべく必要とされているのが多言語対応とコンテンツの付加価値です。

多言語対応訪日外国人を取り込む上で特に重要です。

具体的には、観光地や建造物についての解説やアクセス、入館料などの補足情報について多言語対応した字幕や音声データを加えることでコンテンツの充実度を向上させることができます。

また、単なる映像の羅列ではなく映像のつながりを意識してストーリー性を持たせることでコンテンツに付加価値を付与することができます。

なお、VRで体験してみたい映像の内容としては自然や景勝地の観光、日本の歴史や伝統、日本の四季などが上位に挙げられています。

モノ消費からコト消費へ|定義と最新傾向「トキ消費」「エモ消費」「イミ消費」

コト消費とは、経験・体験をその価値とする商品やサービスを購入する消費行動です。商品の機能や品質を重視し、購入する消費行動は、コト消費に対し「モノ消費」と呼ばれます。体験サービスはコト消費の代表的な商品ですが、商品やサービスが提供されるまでの過程に購買意欲をかき立てるような魅力のある商品の購入も、コト消費として定義されます。日本国内で、また世界的に消費トレンドは「モノ消費」から「コト消費」へとシフトしつつあります。観光体験においても同様です。インバウンド市場を見据えた施策では「体験」を重視す...

VR/ARを使ったプロモーション事例3選

既に日本国内でもVRやARを用いた観光プロモーションが行われており、今後はさらに多くの企業や機関、施設が導入していくでしょう。

以下では、JNTO(日本政府観光局)、H.I.S、VR忍者道場の事例を基にVRを利用したプロモーションについて紹介します。

VRを通じてリアルな観光地の姿をPR?インバウンド分野でも応用が進む先端技術 その活かし方がおもしろい!

近年、あらゆる分野に活用が進んでいるVRやARなどの先進技術ですが、それは観光分野でも然り。スペイン・マドリードに本社を置くIT企業Amadeusのアジア・オセアニアの海外旅行市場調査によると、アジア・オセアニアの海外旅行客は、旅行時に ARや360度動画を利用した体験型コンテンツに関心がある とされており、こうした需要を取り込むために、VRやAR、360度動画などの先進技術を通じて観光地のPRを行うケースは世界中で増加 しています。このような状況の中、360株式会社では観光協会や自治体・...

1. JNTO(日本政府観光局)のVR映像「JAPAN – Where tradition meets the future VR」

JNTO(日本政府観光局)では伝統と未来の邂逅をコンセプトに、人気観光地や日本文化について360°のVR映像で紹介しています。

東京タワー伏見稲荷大社といった建造物、嵯峨野竹林やエンジェルロードといった自然を楽しむ観光地はもちろん、歌舞伎、相撲といった伝統文化やUFOキャッチャーなどのカルチャーに至るまでを紹介しており、ユーザーはYouTube上で画面をドラッグすることで画面外の上下左右を見ることができます。

多言語対応によって多くの外国人に対し日本の魅力をアピールすることに成功しています。

2. H.I.SではVRで行きたい場所の下見

大手旅行会社H.I.Sでは旅行先の下見としてVR技術を活用したコンテンツを導入しています。

内容としてはホテル設備や客室内をVR映像で確認できるコンテンツを整備し、部屋の雰囲気や眺望、内装や広さについて具体的なイメージをもって宿泊先や客室を選択できるようにすることを目標としており、競合他社との差別化や顧客の満足度向上を図るための導入です。

旅行前のイメージと現地での印象のギャップを解消することは観光プロモーションや旅行会社における永遠の課題であり、H.I.SによるVR導入は画期的な施策となっています。

3. 訪日外国人向けのVR忍者道場

株式会社Five forが運営するエンターテインメント施設「VR忍者道場」ではVR技術を活用してリアリティあふれる忍者体験を提供しています。

同施設は2019年3月に都内でオープンしており、日本らしい様式美にこだわった内外装や剣術、忍術、体術、手裏剣と豊富な体験内容で訪日外国人を中心に人気を集めています。

訪日外国人の間で人気の高い忍者にフォーカスしたコンテンツ内容に加え、オペレーションは全編英語となっており訪日外国人にターゲットを絞り徹底した集客対策が功を奏しています。

VR/ARを使って一味違うインバウンドプロモーションを

VR/ARを活用したプロモーションやエンターテインメントはこれからさらに増加していくことが予想されますが、現時点では導入している企業や店舗は少なく話題性のあるコンテンツとして注目を集めることも可能です。

他社に先駆けてVR/AR技術を応用したインバウンド集客施策は、今後の注目を集める一要因となるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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