7月30日朝、中国の人気アプリ「小紅書(RED)」がAndroidのアプリストアから削除されたことが報じられ、中国インターネットユーザーを震撼させました。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)
複数のAndroidストアでダウンロードが不可能に
小紅書(RED)は"中国版インスタ"とも呼ばれる、写真や動画をメインにしたコンテンツを共有するSNS機能を備えたECアプリです。コンテンツから商品ページへ簡単に遷移し購入できる、ソーシャルコマースの領域で大きな成功を収めつつあります。
今回、アプリのダウンロードが停止されたのは、複数のAndroidのアプリストアです。中国ではGoogleのサービスが原則利用できないため、Android向けのアプリはGoogle Playではなく、中国独自のアプリストアを利用してダウンロードします。
Huawei、Meizuといった中国の主要スマホメーカーのアプリストアでは昨日夕方の時点ですでにダウンロードできなくなっていたそうですが、同じく中国の大手電機メーカーXiaomi(小米)や、中国市場でも一定のシェアを確保しているサムスンのアプリストアではダウンロードできたことが報じられています。また、7月31日にはiOS版アプリのダウンロードも停止されるのでは、との予測を伝える現地メディアも見られました。

理由は?誇大広告、たばこ・医薬品等の禁止商品、アダルトコンテンツ
小紅書(RED)は2013年に創業し、現在までに複数回の資金調達に成功、今月5億USドル(約542.5億円)の新たな投資を受け企業価値は60億USドル(6,510億円)となったとの情報もありました。6月時点のMAUは8,500万、ユーザー数は2.5億に達したことが発表されています。
こうしてソーシャルコマースのプラットフォームとして順調な発展を遂げてきたかのように見える小紅書(RED)ですが、購入意欲をあおるための閲覧数の偽造や誇大表現、メーカーの指示通りの宣伝を行うコンテンツの数々は、以前から批判の的となってきていました。
今回のニュースを報じたあるメディアは、こうした嘘の情報や、たばこや薬といった宣伝が禁止されている商品の紹介、また扇情的な画像を配置したコンテンツが、プラットフォームの発展、拡大に伴い多く見られるようになったことを指摘しています。

小紅書(RED)は世界的女優でもあるファン・ビンビンがアカウントを開設したことにより一気に注目を集め、その後も著名KOLが次々と利用を開始したことでユーザーを伸ばしてきたいきさつがあります。現在も小紅書(RED)を舞台に活動するKOL(キーオピニオンリーダー、インフルエンサーの一類)は少なくありません。
今年5月に小紅書(RED)は、商品の宣伝を行うKOLに対して宣伝以外のオリジナルコンテンツの公開本数や閲覧数等に基準を設け、これに合致しないアカウントはプラットフォーム上での宣伝活動を許可しない方針を示しました。
小紅書(RED)で販売される商品には海外からの輸入品も多く、同アプリは越境ECプラットフォームとしても存在感の大きなサービスとなっています。インフルエンサーマーケティングの最前線をいくアプリが主要アプリストアでダウンロード停止の措置を受けたことで、市場にかなりの影響が出てくることも考えられ、今後の運営企業の対応に視線が集まります。
訪日ラボ主催「THE INBOUND DAY 2025」アーカイブ配信中!

訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。
アーカイブ配信では、元大阪府知事の橋下 徹氏と大阪観光局理事長の溝畑 宏氏による基調講演のほか、脳科学者の茂木 健一郎氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏、アパグループ 社長兼CEOの元谷 一志氏などの貴重な講演の様子を一挙公開(一部を除く)。
参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。
【インバウンド情報まとめ 2025年10月後編】観光庁長官、万博は「訪日客誘客に一定の効果」 ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→観光庁長官、万博は「訪日客誘客に一定の効果」 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年10月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!
その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!










