外国人観光客の迷惑行為にうんざりする日本人 | 環境公害・事例3つ・観光立国推進基本計画についても解説

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外国人観光客数の増加にともない、京都やその他有名観光地では彼らのマナーを欠いた行動にうんざりしている日本人も多いようです。

しかし、中には日本人の案内不足が要因となっている問題もあります。訪日外国人観光客による迷惑行為の実情や事例を知らずに偏見の目を向けることは避けるべきでしょう。

訪日外国人観光客増加によって引き起こされている観光公害と向き合い解消のすべを見出すことは、観光大国を目指していく日本にとって重要な課題の1つです。

この記事では、外国人観光客による迷惑行為や、それらに対する日本人の反応、日本における観光の重要性について解説します。

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目立つ外国人観光客の迷惑行為

年を追うごとに日本を訪れる外国人観光客数が増加している現在、外国人観光客のマナーを欠いた行動に対して嫌悪感を抱いている日本人も多いようです。

TwitterをはじめとしたSNSではそのような行動について多くの声や意見が発信されており、主な例としてはゲームのキャラクターを模したゴーカートの公道における集団運転やガソリンスタンドの集団利用、ホタル観賞におけるフラッシュ撮影などの事例が挙げられています。

しかし、中には守るべきマナーを知らないことによってマナー違反とされる行為に及んでしまっている外国人観光客もおり、一概に彼らを責めることはできません。

ゴーカートのレンタル事業を行う企業や桜、ホタルを鑑賞するツアーを提供する旅行会社、外国人観光客向けのパンフレットなどで事前に案内を行い周知を徹底することで防げる問題といえるでしょう。

「観光公害」って?

観光公害とは観光事業の拡大や観光客の流入によって現地住民の生活や環境に悪影響を与えてしまうことです。

観光は地域振興や経済を支える重要な存在であるため、観光公害をともなう場合であっても観光自体を抑制、縮小させることはデメリットも大きく、ゆえに観光公害への対策は難しいとされています。

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どんなことで迷惑を感じる?

上記の例以外にも観光で日本を訪れた外国人の影響によるさまざまなトラブルが観光公害として発生しています。以下では、具体的な観光公害の事例について解説します。

1. 舞妓の追いかけ行為

舞妓や芸妓は日本の伝統文化として訪日外国人からの人気も高く、舞妓さんを見るために京都祇園の花見小路には多くの外国人が訪れています。

集まった外国人の中には無断で写真を撮ってしまう人や撮影のために車の交通を妨げてしまう人、客先に出向く舞妓さんや置屋に戻る舞妓さんを追いかけてしまう人もおり、問題となっています。

今後も状況が改善されないようであれば舞妓さんが京の町を歩く様子を見ることができなくなってしまう可能性もあります。

2. 夜桜ライトアップ中止

同じく京都祇園の新橋地区では観光客の増加により夜桜のライトアップを中止する事態となりました

周辺住民を中心に観光で京都を訪れる人たちに夜桜をより楽しんでもらうために27年前から続けられてきたライトアップでしたが観光客が増えすぎた結果、風情ある風景が失われてしまい違法民泊や桜鑑賞のマナー低下などの問題が浮き彫りになっています。

観光公害の中にはこのようにオーバーツーリズムにより発生している問題もあります。

3. 民泊と間違えて夜中に起こされる

民泊に関する法の整備やAirbnbをはじめとする民泊仲介サイトの台頭により訪日外国人の宿泊手段として利用されることも多い民泊ですが、外観は民家やマンションの1室であるため、近隣の住宅が民泊と間違えられてしまうケースが多発しています。

また、届け出を出していない違法民泊も後をたたず民泊に関する諸々の課題はいまだ解決していない状況といえるでしょう。

観光は日本経済を支える!

観光客の流入や観光事業の拡大、地方の観光地化によりさまざまな問題が発生することもありますが、いまや観光は日本の経済を支える重要な事業領域です。そのためオーバーツーリズム訪日外国人観光客のモラル低下を嘆き、観光事業の成長を抑制することは愚策であるといえます。

観光立国推進基本計画とは?

政府は観光事業を日本にとっての成長戦略、地方創生の手段として考えており外国人が訪れたくなる国を目指すべく観光立国推進基本計画を定めています。

同計画では2020年までに国内旅行消費額を21兆円にすること、訪日外国人旅行者数を4,000万人にすること訪日外国人旅行消費額を8兆円にすることを目標に掲げており、さらなる観光収益の拡大を図っています。

日本人に中国人を批判する資格はない!?

現代の日本人は中国人をはじめとする訪日外国人の観光地におけるマナーを欠いた言動に対して厳しい批判をしていますが、バブル期にはイタリアの名所であるローマ元老院議場において大理石の床を削って持ち帰る日本人や、教会で懺悔するローマ市民を許可なく撮影する日本人の存在が社会問題とされていた歴史もあります。

海外では、人気観光地の入場料引き上げなどにより観光の収益化を進め、来訪する外国人観光客から得た利益を社会福祉やインフラ整備といった形で現地人や市民に還元する取り組みをすすめています。こうした施策には外国人観光客に対して抱きがちな反感を和らげている側面もあり、今後の日本でも参考にできる点があるでしょう。

観光の経済効果は絶大

観光庁の調査によれば2018年の訪日外国人観光客数は過去最高の3,000万人を突破しており、消費額についても直近5年間で2倍以上と大きな伸びを記録しています。観光業界でのインバウンド市場の拡大には期待が集まっています。

外国人観光客の増加による経済効果は大きく、小売店の売り上げ増加だけでなく、地方経済の活性化や雇用の創出などさまざまなプラスの影響があります。

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外国人観光客と日本人、双方に快適な環境づくりが大切

訪日外国人旅行者の増加による観光公害は各地で発生しており社会問題化しています。しかし、インバウンド観光による経済効果や地方創生への影響を考慮すると、観光をむげにすることはできません。

また、マナーやモラルの徹底がなされていないという点を鑑みると一概に彼らの問題と責めることは適切ではありません。観光大国を目指す上では外国人観光客と日本人の両者が共存する観光地において良い関係を築きあえる環境づくりに注力していく必要があるといえるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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