インバウンドの中国市場の勢いは加速しており、2018年には838万人を超える巨大市場に成長しました。
爆買いブームが落ち着きを見せていると言われる一方で、最新の数字である2019年7月の訪日中国人数は初めて100万人を突破してます。引き続き目が離せない市場と言えるでしょう。
今回は、訪日中国人観光客の最新の嗜好をふまえ、インバウンドの中国市場攻略のカギについて見ていきましょう。
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中国の地域ごとの嗜好を分析したプロモーションの必要性
広大な国土を持つ中国では、国民性や風習が各省ごとに異なるのが特徴ですが、中国人が旅行に求めることの傾向として、自分が住む地域にはないものが挙げられます。具体的には、綺麗な空気や海、温泉・雪・日本食・サブカルチャー・化粧品などが注目のトピックと言えるでしょう。
中でもメイドインジャパン製品や食、ウィンタースポーツに関する興味関心が非常に高い傾向にあります。特に北海道や北関東で楽しめるウィンタースポーツへの関心拡大が顕著となっており、天然の雪を目当てに訪日するスキー初心者が増加しています。
リピーターはゴールデンルート以外の地方を訪問したり、訪日回数に関係なくインスタ映えスポットを目指して地方にも足を運び、SNSに投稿するケースも訪日中国人観光客の特徴です。
2019年の中国の春節の人気旅行先ランキングで日本は第2位にランクインするなど、中国人からの注目度の高さがうかがえます。
1位にランクインしたタイも、アクセスの利便性や物価の安さ、中国にはない異国情緒漂う雰囲気が魅力となり、旅行の問い合わせが非常に増えている旅行先とのことです。
インバウンドの中国市場にプロモーションをする際は、中国を一括りにするのではなく、各地域によって旅行に求めるものや嗜好に相違がある点を理解し、ターゲット地域を重点的に分析することが重要でしょう。
キャッシュレス決済の整備も満足度向上に欠かせない
中国では、微信(Wechat)、微博(Weibo)、Tik TokといったSNSの利用が活発で、特に微信はメール・電話・モバイル決済など、生活の大半をSNSで完結できる状況です。旅行に関する情報も、微信(Wechat)、微博(Weibo)などのSNSや、Ctrip、Fliggyなどの旅行サイトを利用し、口コミを重要視する傾向にあります。
中国産のSNSやオンラインサービスの利用率が高い訪日中国人観光客ですが、決済も微信(Wechat)や支付宝(Alipay)などによるモバイル決済が浸透しています。
日本の都市部や、日光など一部の有名観光地ではキャッシュレス決済対応が進められていますが、訪日中国人観光客の需要が高まる地方においては、ストレスフリーに観光を楽しみ消費拡大につなげるためにも、キャッシュレス決済の整備が急務と言えるでしょう。
日本食・アニメ・マラソンが今後の誘客トリガーに
中国最大の都市・上海市内には日本食レストランが約4,000件もあり、日本と同じレベルの日本食が提供されています。一方で、内陸部の武漢・長沙・重慶・成都などは、本物の日本食が食べられるレストランは限られているのが現状のため、日本を訪れて本場の日本食を食べることを楽しみにする人も少なくありません。
中国は地域によって旅行に対する嗜好が異なると前述しましたが、お酒の好みにも違いがあります。東北地方と内陸部は白酒、上海はビール・ワイン・紹興酒が好まれるとのことです。地域によって、食の面でも嗜好が異なることを把握しておくことで、より効果的なプロモーションやおもてなしにつなげることができるでしょう。
上海では、2020年には上海市内にNARUTOの博物館ができる予定というほど、日本のアニメに関心のある人が多いのが特徴です。アニメや漫画の聖地巡礼を観光コンテンツとした地方誘客促進は、引き続き効果的と言えるでしょう。
さらに近年では、中国でマラソンがブームで、北京・上海・広州・揚州・武漢・アモイの6大大会は2〜3万人規模となり、市民も参加できることから人気が高まっています。日本の東京マラソンや名古屋ウェメンズマラソンは、数百人規模の中国人ランナーが参加しており、今後もマラソンをキーワードにした中国人観光客の誘客促進にも期待が高まります。
まとめ:インバウンドの中国市場の動向を掴みリピーター拡大へ
訪日旅行への関心が高い、インバウンドの中国市場の最新動向について見てきました。ショッピング需要だけでなく、スキーや聖地巡礼、インスタ映えスポット巡りなど、地方を訪れる周遊観光の需要も高まっているため、地方の受け入れ態勢としてキャッシュレス対応等が急がれます。
訪日中国人観光客は、出身地によって旅行や食の嗜好が異なることを理解し、ターゲットをより明確にした上でマーケティングやプロモーションを実施することが効果的と言えるでしょう。
<参照>
・JTB INBOUND SOLUTION:訪日インバウンド最大のマーケット中国
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