観光統計を分析すると北海道を訪れる訪日外国人観光客の数が年々増加していることがわかります。
外国人来道者数増加の要因としては人気観光地やスノーリゾートやアクティビティを楽しめる施設の存在もありますが、北海道ではそれらをインバウンド誘致に最大限活かすためにさまざまなプロモーションや施策をとっています。
この記事では、北海道を訪れる訪日外国人客数や消費額の推移、北海道において行われているインバウンド施策、北海道でインバウンド需要が急増している要因について解説します。
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北海道を訪れる外国人観光客の推移
訪日外国人観光客の増加とともに訪日外国人来道者数も年々増加しています。
以下では、北海道を訪れる外国人観光客の推移とその内訳、要因について解説します。
2018年の訪日外国人客数は過去最高
2018年に北海道を訪れた訪日外国人客は298万人を記録しており、日本を訪れた3,119万2,000人のうち9.6%もの外国人が北海道を訪れていることになります。
北海道単体で見ると、訪日外国人客数は前年比12.9%と順調な伸びを見せています。
北海道を訪れる外国人の特徴としては特にアジア圏からの訪日客が多く、中国からは71万9,500人、韓国からは67万7,600人、台湾からは60万3,900人が訪日しており、全体の9割近くがアジア圏からの訪日客となっています。
アジアからの訪日が多い理由は「近いから」だけではない
アジア圏から北海道を訪れる訪日客が多い理由は距離だけではありません。
中国に関してはビザ発給要件の緩和にともなう個人旅行者の増加、韓国に関しては直行定期便や新規就航の増加などが訪日客増加の要因として挙げられます。
また、台湾に関しては函館・旭川空港への定期便の運航、台北〜新千歳間の定期便の新規就航があり、香港に関してはリピーター率増加にともなうのべ訪日客数の増加があります。
タイやマレーシアなどの熱帯地域に関しては、涼しい気候や雪景色といった自国にない北海道の魅力を求める人の増加が要因となっていると考えられます。
このようにあらゆる外部要因が関係してはいますが、北海道への訪日外国人客数の増加における主要因としては、様々な宣伝活動等を通じて、本州とは異なる気候や自然、景色を楽しめるという点での訴求に成功していることがあるでしょう。
2018年の大地震による影響から持ち直す
データ上では難なく訪日外国人客数を順調に増加させているようにも見える北海道ですが、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の直後は北海道を訪れる観光客が激減しそれまで着実に数字を伸ばしていたインバウンド市場は大打撃を受けました。
しかし、有志ボランティアによって震災後も北海道に暮らす人々の前向きな姿を国内外に向けて発信する「元気です北海道」キャンペーンの展開や地域資源を生かした商品造成の促進により持ち直し、2018年度の10月〜12月の訪日外国人来道者数は前年の同時期に比べても5.7%増となっており、震災直後の迅速なプロモーション対応が功を奏しています。
北海道で特に外国人観光客の多い地域
訪日外国人来道客は道内の各所にまんべんなく訪れているわけではなく、特定の地域に集中してしまっているのが現状です。
もちろん訪日来道者を多く集めているエリアには人気観光地の存在やアクセスの良さなどの要因もありますが、プロモーションが奏功して集客を実現しているエリアも存在します。
以下では、外国人観光客が多く訪れている地域とその要因について解説します。
訪日外国人が一番多い札幌市
道内で最多の訪日外国人客数を記録しているのは道庁所在地である札幌市です。 特に「さっぽろ雪まつり」が外国人観光客の人気を集めているようです。
2018年には309万3,000人もの訪日外国人が札幌市に宿泊しており、道内2位の登別市が51万9,000人泊、3位の函館市が51万5,000人泊と2位以下に圧倒的な差をつけています。
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札幌市や室蘭市を含む「道央圏」に圧倒的な集中
道内を6地域に分けると札幌市や室蘭市を含む道央圏に全体の55%を占める8,060万人の訪日外国人が訪れています。
道央圏に集中した理由として考えられるのは、地場ワインや夜景などの観光資源を活用したプロモーションやマーケティングであり、北海道の今後の課題として、道央圏に集中する訪日客をどう地方へ拡大させるかが注目されています。
ニセコエリアは日本人より外国人の方が多い!?
北海道は訪日外国人だけでなく日本人からも人気の高い観光地として有名ですが、ことニセコエリアにおいては日本人よりも外国人観光客の方が多いと話題になっています。
ニセコエリアは道央圏に含まれる「蘭越町」「ニセコ町」「倶知安町」の3町で構成されるエリアで倶知安町を中心とするスキーリゾートで有名です。
3町を合わせても人口2万人ほどの小さな町ですが世界屈指のスキーリゾートとして年間約30万人の訪日外国人が訪れる人気観光地となっており、その一帯は日本ではないと錯覚するほど外国人ばかりです。
ニセコエリアではインバウンド対策として英語での接客が可能な外国人従業員の増員や看板やメニューなどの案内の英語表記を行なっており、さらなる訪日外国人客数増加を目指しています。
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北海道におけるインバウンド施策
北海道では2020年に外国人来道者数500万人を突破することを公約に掲げ外国人向けプロモーションやインバウンド対策を進めています。続いて北海道におけるインバウンド施策について解説します。
1. 「外国人目線」の観光地づくりと組織改革:ニセコ町
ニセコ町ではオーストラリア人のロス・フィンドレー氏指導のもと、外国人目線における観光地づくりに力を入れています。
フィンドレー氏はニセコの雪質の良さに魅了され倶知安町への移住を決定し、移住後の1995年にはニセコ町の魅力を海外へ発信するためのNAC(ニセコアドベンチャーセンター)を設立しました。
フィンドレー氏はいちはやく将来的なインバウンド市場の重要性を認識しておりニセコ町のプロモーションを国外に向けて英語で行いました。
また、それまでは主にウィンタースポーツによって集客していたニセコの町がラフティングなどの夏に楽しめるアクティビティを取り入れることで年間を通して安定した集客を誇るようになった背景にもフィンドレー氏の活躍があります。
フィンドレー氏による外国人目線に立った観光地づくりはニセコ町がインバウンド誘致に成功している大きな要因の1つであるといえます。
また、組織改革では「ニセコリゾート観光協会」の株式会社化が大きな影響をもたらしました。
観光協会の株式会社化は全国初の事例であり、補助金や公的資金による地方創生を目的とした組織体系から収益や利潤の追求を目的とした組織体系にシフトすることによって多言語対応した公式サイトの運営、各種イベントの開催、FMラジオの放送など積極的な集客対策を可能にしています。
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2. シャトルバス運行と多言語の観光情報サイト:大雪(たいせつ)カムイミンタラ観光圏
一般社団法人大雪カムイミンタラDMOはニセコスキー場の人気を利用した周辺地域の創生に注力しており、中でも大きな成功をおさめているのがシャトルバスの運行と観光情報サイトの運営です。
大雪エリアの4つのスキー場、旭川市内の駅、ホテルなど6ヶ所を結ぶシャトルバスを運行を開始したところ、その利便性の高さからシャトルバスの乗降場所に指定されているホテルの宿泊者数増加、1日に複数のスキー場を巡る観光客の増加につながりました。
また、大雪みどころナビという観光情報サイトを運営しており同サイトでは中国語と英語に対応することで外国人観光客にも内容が伝わるよう対策がなされています。
掲載情報もグルメ、宿泊、アウトドア、体験、特産品など多岐にわたり観光客への充実した旅の提供に一役買っています。
それぞれの地域で異なる課題が浮かび上がる
インバウンド誘致のためにさまざまな施策を打ち出しているニセコと大雪ですが、それぞれに課題も残されています。
ニセコではオーバーツーリズムを原因とする物価、家賃の高騰や外国資本の過度な流入が発生しており社会問題化しています。
また、大雪カムインタラ観光圏ではニセコと対照的に現時点での観光客数に満足しておらず、今後はさらに大雪を訪れる観光客を増加させるためにさまざまな施策やプロモーションに取り組んでいくとのことです。
訪日外国人の10人に1人が訪れる北海道「雪」をばねに更なるインバウンド集客拡大も
訪日外国人の10人に1人と非常に多くの人々が北海道を訪れていることからは北海道が持つ魅力の多さや積極的なインバウンド対策の効果が垣間見えます。
気候を活かした観光地化や数々のインバウンド対策は確実に集客効果へとつながっており、現在でもさらなる集客力向上を目指してさまざまな施策への取り組みがなされています。
年々訪日外国人客数が増加する日本において、北海道のさらなるインバウンド需要拡大に期待が高まっています。
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