福岡市民の足として親しまれている福岡市地下鉄は、九州の空の玄関口である福岡空港と、福岡で最もにぎわう博多・中洲・天神といった繁華街を結ぶ重要な路線です。事実、地下鉄に乗るとかなりの確率で大きなキャリーケースを携えた外国人観光客に遭遇します。
そんな福岡市地下鉄の窓口では、2019年10月7日から新たな支払い手段としてQRコード決済を導入しました。LINE Payのほか、韓国で利用されているNAVER Pay(ネイバーペイ)と中国の主要な決済手段のひとつWeChat Pay(ウィーチャットペイ)が使えるようになっています。
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福岡市地下鉄が導入したLINE Payとは
LINE Payはコミュニケーションアプリ「LINE」から派生した決済サービスです。顧客のスマホに表示させたQRコードを店舗の端末で読み取ったり、店舗が提示したQRコードを顧客が読み取ったりして決済を行います。
LINE Payは2019年6月から韓国のNAVER Payとの連動を開始しています。LINE Payを導入している店舗では、特別な手続き不要でNAVER Payによる支払いを受け付けられるようになりました。
また同年8月からは中国のWeChat Payとの連携もスタートし、日本・韓国・中国のQR決済を1契約で利用できるように機能が拡大しています。
福岡はアジアとの物理的な距離が近く、韓国や中国からの観光客が非常に多い土地となっています。日本人のニーズを満たしつつ、外国人観光客の利便性を向上させられるLINE Payは、福岡市地下鉄にとって適切な選択と言えるのではないでしょうか。
福岡市地下鉄の窓口で購入できる切符
このたび導入された各種QR決済は、福岡市地下鉄の各定期券うりばで利用できます。(各駅の自動券売機は対応していません。)QR決済で購入できる切符の種類は以下の通りです。- 外国人専用乗車券:1 Day Pass,2 Day Pass,ツーリストシティパス
- 各種1日乗車券:1日乗車券,ファミちかきっぷ,ファミリーペア券
- 各種回数券:伊都・キャンパス回数券,伊都・シーサイド回数券,通学割引回数券
- その他乗車券:団体乗車券等
<参考>
ICカードの占有領域にQR決済が殴り込み!?
電車やバスといった公共交通機関では、SuicaやPASMOといった非接触ICカードによる交通系電子マネーを利用するのが一般的です。近年は外国人観光客にも交通系電子マネーが浸透し、路線図や料金表の前で困っている人を見かけることが減りました。しかし訪日外国人専用乗車券のような切符は、窓口での購入に限られていることが多いものです。
福岡空港に直結している地下鉄の窓口には、日本に到着したばかりの外国人観光客が期待と不安を胸にやってきます。両替したばかりで単位もよくわからない日本円より、自国で見慣れているQR決済での支払いのほうが安心に違いありません。
JR西日本の券売機もQR決済対応の動き
外国人観光客の受入体制充実やきっぷ購入のセルフ化による利便性向上に取り組んでいるJR西日本は、2020年春から一部の駅の券売機で中国人向けQR決済「ALIPAY(アリペイ)」「WeChat Pay」を利用できるようにする予定と発表しています。まとめ:国際的なQR決済の需要がさらに高まる予感
LINE Payを運営するLINE株式会社は、2018年11月に「LINE Pay Global Alliance」構想を発表し、Naver Payとの提携を示唆していました。また現在は国を超えて利用できない台湾、タイ、インドネシアの「LINE Pay」ネットワークとも連携し、国内のLINE pay加盟店が日本にいながら世界中のLINE Payユーザーを見込み客にできる環境づくりを進めることを公表しています。
2019年7月には羽田空港の一部店舗でシンガポールやタイのQR決済が使えるようになりました。QR決済は今、アジアを中心に驚異的なスピードで広まりつつあり、国境を越えた需要が高まっています。
キャッシュレス化はユーザーの利便性を高めるだけでなく、ビッグデータの利用や顧客への直接的なアプローチが可能になるなど副次的効果も見込めるため、早急に対応したほうが良いでしょう。
<参照>
福岡市地下鉄からのお知らせ:福岡市地下鉄の各種乗車券が「LINE Pay」等で購入できるようになります
JR西日本ニュースリリース:訪日外国人向け券売機QRコード決済サービスの開始について
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