PayPayが目指す「スーパーアプリ」とは | ソフトバンク発表・普及の理由・なぜ”アジア”に存在感?

公開日:2019年11月11日

ソフトバンクは2019年11月5日に、最新の四半期決算の説明会を開催し、その中で「スマホ決済」のサービスで注目を集める子会社「PayPay」の状況についても発表しています。スマホ決済サービスPayPayの累計登録者数は5日時点で1,920万人を突破しています。

また、PayPayの「スーパーアプリ」化を目指す方針についても言及がありました。

スーパーアプリは、人々の生活を大きく変えるものとして世界で注目の高まっている概念です。インバウンド業界でもスーパーアプリとどのようにサービスを連携させられるかが売上げや集客に大きくかかわってきます。 

この記事では、スーパーアプリの概要、ユーザーに支持される理由、日本と海外で展開するスーパーアプリについて解説します。 


スーパーアプリとは?

近年、急激に脚光を浴びている「スーパーアプリ」とは具体的にどのようなアプリを意味する言葉なのでしょうか。 

まず、スーパーアプリの概要、スーパーアプリの二大巨頭について解説します。 

様々なサービスを一つのアプリに統合

スーパーアプリとは、メッセンジャーやソーシャルメディア、決済、Eコマース、タクシーや航空券、ホテルの予約など、さまざまなサービスが統合されており、日常生活のあらゆる場面で活用できるアプリです。 

本来であれば別々のアプリを起動しなければならないわけですが、スーパーアプリではさまざまなサービスが統合されているため、1つのアプリ内で必要な作業が完結するという利便性の高さがユーザーから支持を得ています。 

スーパーアプリの二大巨頭

アジア圏を中心に注目されているスーパーアプリですが、特に中国のWeChatAlipayがいち早く成功した例で、これらの2つのアプリは二大巨頭と言っても過言ではないでしょう。 

それぞれの概要や特徴について以下にまとめます。 

WeChat中国版LINEとも呼ばれるSNSアプリです。 中国国内では最もユーザー数の大きなSNSとなっています。主にメッセンジャーとして利用されています。 

2019年現在、中国国内だけでなく世界中でサービスを展開しているのも特徴です。国外で暮らす中国人や、中国人と連絡を取る機会が多い外国人など、広く利用されています。 

メッセージの送受信や無料音声通話などの基本的なメッセンジャー機能に加えて、電子決済、個人間での送金、シェアサイクル、タクシー配車など、あらゆるサービスを提供しています。

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Alipayとは、中国最大のグループでもあるアリババグループに属する金融会社アント・フィナンシャルグループが提供する決済サービスです。 

中国最大のECプラットフォームである淘宝網(タオバオ)の決済サービスとして広くユーザーを獲得することに成功しています。 

現在では店頭での支払いはもちろん、携帯電話料金や家賃、学費の決済手段と様々な支払いシーンでも利用されています。WeChatと同じくシェアサイクル、タクシー配車のメニューがアプリ内にあります。SNS的側面も備わっており、決済機能からスタートはしていますが提供するサービスはWeChatと同じく広くなっています。 

中国のモバイルペイメント業界においても高いシェアを獲得しており、2018年時点で約54%のシェアとなっています。

【事例アリ】Alipay(アリペイ・支付宝)

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アジアで注目されている

スーパーアプリの二大巨頭がいずれも中国発のサービスであることや、日本の企業がスーパーアプリ化に興味を示していることからもわかる通り、スーパーアプリは特にアジア圏を中心に注目されています。 

しかし、アジア圏においてこれほどまでにスーパーアプリが注目を集めているのは、なぜなのでしょうか。 

以下では、アジア圏におけるスーパーアプリの人気の理由について解説します。 

スーパーアプリに対する支持が高まっている理由

スーパーアプリが支持される最大の理由は利便性の高さです。 1つのアプリでさまざまなニーズを解消できるため、複数のアプリを立ち上げたり、閉じたりする必要がなくなります。 

また多くのアプリをインストールしておく必要もなくなるため、デバイスの容量不足を防いだり、アプリを探しやすくなったりするメリットもあります。 

なぜ特にアジアで注目されている?

スーパーアプリが特にアジア圏で注目されている理由として、アジアにおけるインターネット上での好調な消費があります。また、PCからインターネット利用が始まったいわゆる先進国とは異なり、新興国ではスマホからインターネットサービスを利用する社会にアプロ―チする必要があります。

ある調査では、ソーシャルメディアのプラットフォームで買い物をする上位15か国のうち、7か国がアジア市場に集中しているそうです。こうした地域では、よりインターネット上の消費を快適にするスーパーアプリへの需要は高いと考えられます。

またスマートフォンの普及とスーパーアプリの広まりは、所得が相対的に低い人々にとっては、相乗りやデリバリーサービスなど就業の機会の創出につながっています。また、スペックの低い安価なアプリにはいくつものアプリをインストールすることができません。スーパーアプリはこうした面でも経済成長中のアジアの生活にマッチしていると言えるでしょう。

さらに、アジアのインターネットサービス提供の現場では、すでに先進国で確立されたビジネスモデルを模倣できます。特に中国では米国企業が開発したアプリが規制されているので、前述のAlipayWeChatに先に成功している配車アプリなどのビジネスモデルをまねて実装でき、こうした背景がアジアでのスーパーアプリの発展を後押ししてきました。

日本のスーパーアプリ

元々は中国からアジア圏へと伝播したスーパーアプリですが、近年では日本でも主要メッセンジャーアプリのLINEがスーパーアプリ化の兆しを見せています。 

以下では、今まさに多機能化への道を辿っているLINEと、今後多機能化していく方針を明らかにしているPayPayについて解説します。 

LINE 

LINEは、近年シェアを伸ばしているメッセンジャーアプリです。 

ライブチャット配信のLINE LIVEや、ニュースを配信するLINE NEWS、カーナビアプリのLINEカーナビの他、LINE Camera、LINE占い、LINE Payなど、さまざまなサービスを提供しています。 

連絡手段としてはもちろん、ショッピング、ゲーム、決済など、さまざまなシーンで利用可能なLINEは2019年現在、日本で最も有名なスーパーアプリと言っても過言ではないでしょう。 

また、最近ではAgodaやBookingなどの世界的大手旅行会社との連携により、LINEトラベル.jpの運営を開始し、旅行の予約手配も可能となっています。 

今年9月に、グループ会社により国内に向けた仮想通貨取引サービス「BITMAX」が提供開始されたことも記憶に新しいでしょう。

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PayPay 

PayPayとは、ソフトバンクがヤフーと共同で運営する決済サービスです。 

PayPayの最終的な目標を機能やサービスの多様化としていながらも、まずはチャージの多様化や決済機能の拡充に取り組む方針です。 

ソフトバンクのスマホとリンクさせた「まとめて払い」やヤフーが運営するオークションサイトと連携した「ヤフオク売上金」への対応を進めていくと発表しており、いずれは実店舗の店頭でのオフライン決済だけでなくオンライン決済を可能にするようです。 

また、ヤフーがアパレル大手ZOZOを買収したことに伴い、同社が運営するオンラインショッピングサイトZOZOTOWNにおける決済手段としてPayPayを導入することも検討しています。

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「スーパーアプリ」が社会にもたらすインパクトは大、最新動向に注目

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特にアジア圏ではその傾向が顕著で、スーパーアプリ先進国である中国に倣い日本でもLINEをはじめとするスーパーアプリが生まれています。 

将来性に期待がかかるスーパーアプリの動向には今後も注目していく必要があるでしょう。 


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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