訪日外国人客数は年々増加していますが、距離的な近さや経済発展などの要因で、東南アジア市場は今後注目の市場となっていくことが予想されます。
なかでも多くの割合を占めているフィリピン人観光客の消費動向や基本的特徴は、現在そして今後インバウンド展開を検討している事業者にとって理解しておくべき事柄でしょう。
特に言語面での対策が重要とされますが、まずはフィリピン人の英語の特徴や英語力について知っておくべきでしょう。
この記事ではフィリピン人の英語の特徴、インバウンド対策をする上で注目すべきポイントについて解説します。
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フィリピン人の英語力
フィリピン人の話す英語には「独特の訛り」はあるのでしょうか。またその水準はどの程度なのでしょうか。
以下ではフィリピンの歴史と英語の関係性、訛りや英語力について解説します。
ベースはアメリカ英語
19世紀のフィリピンはアメリカの植民地であり、支配国のアメリカは言語統制のために1,000人もの英語講師を派遣しました。そのためフィリピン人は古くから英語に馴染んでおり、独立後もフィリピン語と英語による二言語併用教育政策が採られています。
ちなみにフィリピンという国は多くの島で形成されており、地域によってさまざまな現地語が存在します。フィリピン全土では170以上もの言語が使用されているため、 フィリピン人向けのインバウンド対策では英語を使用すると良いでしょう。
訛りはあるが、英語圏でも通用する
フィリピン英語は若干の訛りはあるものの、英語圏の国々でも問題なく通じるレベルと言われています。
相対的に訛りは少ないと言われており、日本人が聞き手の場合でも、その他のアジア地域で話されている英語に比べて聞き取りやすいという意見が多数派のようです。
あえて特徴を挙げれば、人によってはこもった話し方と感じられる場合もあるようで、部分的に不明瞭な印象を受けるかもしれません。
英語力
学歴によってある程度の差はありますが、街中の広告や看板には英語のものも多く、基本的には英語を話せる人がほとんどです。フィリピン国内では、日常的な文書や契約ごとにも英語が用いられるケースも多く、こうした点であまり不自由のない水準で英語を解していると考えられます。
フィリピン人との英語を使ったコミュニケーションにおいて特段困るようなケースは少ないでしょう。
またフィリピンは合宿形式の英会話スクールが多く存在し、そこで教師として採用されているのは英語を話せるフィリピン人です。こうした事実は、フィリピン人の英語力がある一定レベルあることを示唆しているでしょう。
フィリピンのインバウンド事情
訪日外国人客の内訳を見るとフィリピンからの訪日客が多くの割合を占めていますが、フィリピン人観光客の訪日旅行にはどのような傾向があるのでしょうか。
以下では、フィリピン人観光客のインバウンド事情について解説します。
フィリピン人の訪日ピークは4月
国別のインバウンド市場を見ると、大型連休や国民の祝日に合わせて訪日客数のピークが訪れるのはよくあることです。
フィリピン人観光客が最も増加するのは4月で、最も減少する8月を境に、9月から12月にかけて緩やかに増加していく傾向があります。
東南アジア市場の中でもっとも女性の訪日率が高い&圧倒的平均泊数「24.6泊」
フィリピンからの訪日客における特徴として女性比率の高さが挙げられます。フィリピンが属する東南アジア圏では、訪日客全体における女性の割合は平均約49%ですが、フィリピンからの訪日客にフォーカスすると女性が55.4%を占めており、女性比率の高さは圧倒的です。
フィリピン人観光客の集客対策においては、女性向け商品の販売など、女性のニーズに着目する方法も効果的でしょう。
また、フィリピンからの訪日客は滞在日数が多いという特徴があります。訪日外国人消費動向調査の2018年のデータを参照してみると、全国籍を対象にした場合の滞在日数は平均9.0泊です。フィリピンは平均24.6泊となっています。これはベトナムの38泊に次ぐ市場2位の長さであり、この二か国を除いて20泊以上している国や地域はありません。
データでわかる訪日フィリピン人観光客
ここ5年で4倍の訪日客数の増加を記録:ハイシーズンは4月と10月滞在日数は約1カ月:全国籍中2番目に長く滞在してくれる訪日フィリピン人東南アジアの中でもっとも女性の訪日が多い市場:女性が占める割合は55%に
訪日フィリピン人観光客のインバウンド
訪日フィリピン人は、2016年の訪日外客数で前年比29.6%増となる 347,800人 となりました。2012年が85,037人でしたので、フィリピン市場のインバウンド需要は 4年前の約4.09倍まで成長 しています。
フィリピン人の受け入れでの注目ポイント
フィリピン人観光客を取り込む上では、国民性や傾向などをおさえておくと、より満足度の高い接客が可能となるでしょう。
以下では、フィリピン人の特徴、SNS事情、宗教について解説します。
国民性・マナー
フィリピン人は積極的なコミュニケーションを好む傾向が強く、他人と話すことに対して抵抗が少ない国民性です。
フィリピン人観光客が店舗や施設を訪れた際には、日本について知りたいことや困っていることはないかといった声をかけると、喜ばれる可能性が高いでしょう。
挨拶やコミュニケーションを重んじる文化は日本と共通している部分も多いため、気軽に接して問題ないでしょう。
フィリピンのSNS事情
フィリピンでは、iPhoneよりもAndroidが主流です。デバイスによってアプリケーションストアが異なるため、フィリピン人向けのアプリをリリースしてマーケティングをする際にはAndroid端末でダウンロードできるフォーマットを用意しましょう。
人気のSNSはWhatsApp、Facebook MessengerやInstagram、Facebookです。これらのアプリをプロモーションに活用することができれば効果的な集客が可能となるでしょう。
宗教観
マレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国ではイスラム教を信奉するムスリムが多いのですが、フィリピン人の多くはキリスト教徒です。特にカトリックが多く、割合としては8割ほどがカトリック、1割がその他のキリスト教徒、その他の1割に満たない一部の人々がムスリムです。
キリスト教を国教とする国は東南アジア圏でフィリピンのみで、これは16世紀にスペインの植民地として支配されていたころの名残りです。
今後成長が期待できる親日国、フィリピン
フィリピンからの訪日客は、訪日外国人客全体のなかで多くの割合を占めており、平均滞在日数が長いことから、今後のインバウンド界隈において注目すべき市場となることが予想されます。
フィリピン人観光客を獲得できるかどうかが、インバウンド対策の結果を大きく左右するでしょう。
<参照>
http://www.mlit.go.jp/common/001283138.pdf
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