北海道のインバウンド事情は?3つの事例・アクティビティ・データ・市場の最新傾向も解説

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ウィンタースポーツが楽しめる北海道は、日本の数多くの観光地の中でも訪日外国人に人気のエリアです。

特に雪の降らない東南アジアや、中国の一部の人々にとってはより一層魅力のある地域となっています。こうした地域以外からの訪日客も少なくなく、今後もインバウンド誘致を先導する主要観光都市となるでしょう。

この記事では北海道で成功しているインバウンド事例や北海道のインバウンド事情を踏まえ、インバウンドのポイントを紹介します。


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北海道のインバウンド事例

北海道の雪はパウダースノーで雪質が高く、スキー場は初心者から熟練者まで楽しめるように整備が行き届いています。そして、北海道の海産物は、蟹、魚、貝類とも新鮮で、種類も多く楽しめます。

生の魚介類を食することがない訪日中国人観光客は、北海道で生の魚介類を食して味を知り、リピーターとなる方も多くみられます。北海道にはたくさんの魅力が溢れています。

1. eBayが「北海道特設サイト」設置

北海道では、自治体として越境ECを活用することでマーケティングを効果的に行い、インバウンド集客に結びつけています。

越境ECよるインバウンド対策では、訪日中でない外国人にもマーケティングができるメリットがあります。

インバウンド業界のマーケティングでは「旅マエ旅ナカ旅アト」のマーケティング戦略が重要になります。

北海道ではイーベイ・ジャパン株式会社のオンライン・マーケットプレイス「eBay(イーベイ)」のOtakara Japanサイト内に、北海道の特設サイトを設置して越境ECを促進しています。

北海道の大自然のパノラマ、豊かな食文化の魅力が越境ECにより世界に広がり、年間240万人を超える外国人観光客が北海道を訪れています。

2. さっぽろ雪まつりに「WeChat Pay」導入

サツドラホールディング株式会社のグループ企業株式会社リージョナルマーケティングは、2018年の第69回さっぽろ雪まつりで、WeChatPayの決済サービスを導入しました。

一般社団法人札幌観光協会の協力のもと、「北海道 食の広場(大通6丁目会場)」の29店舗にWeChat Payが導入されました。訪日外国人観光客に対する決済サービスの向上を図ると共に、消費拡大につなげることが狙いです。

特にWeChat Pay決済利用者が多い中国人観光客の方には効果が大きかったようです。消費データの分析、出店店舗利用状況をデータ管理し、更なるインバウンド消費の拡大を目指しています。

3. 登別洞爺広域エリアで「WeChat Pay」決済サービル導入

また、北海道洞爺交易エリアでもリージョナルマーケティングは、北海道登別洞爺広域観光協議会と連携して、インバウンド向け決済サービスWeChat Pay」を導入しました。

市町村の単位を超えた、登別洞爺広域地域が一体となり、インバウンド向け環境整備を進めることを目標としています。

リージョナル社と登別洞爺広域観光圏協議会が地域ごとの決済データや分析データに基づいてインバウンド環境を整備することで、インバウンド向け環境満足度の向上を図っていく方針です。

登別洞爺広域観光圏協議会を構成する3市4町では、テーマパークや飲食店、土産店などでWeChat Payの決済サービスを導入していて、中国語のWeChat Pay公式アカウントを整備して、広域エリア全体の情報をインバウンド向けに発信していく考えです。

北海道のインバウンド事情

東京や京都など訪日中国人観光客に人気の観光都市がありますが、いま北海道が中国人から絶大な人気を誇っています。

北海道の豊かな自然、グルメ、スキーなど体を使って体験できるアクティビティ、レジャー施設が中国人観光客を魅了しています。

中国人に絶大な人気の都市となった北海道のインバウンド事情について解説します。

スキーや雪などのさまざまなアクティビティが楽しめる

北海道を訪れる訪日外国人の約20%が中国人観光客です。なぜこれほどまでに多くの訪日中国人が北海道に集まるのでしょうか?その理由を見てみましょう。

訪日観光に来る外国人の目的として根強いのがレジャー体験です。中でも「スキー」を体験したくて訪日する中国人が多い理由として、国土が極めて広い中国ですが、人生で一度も雪を見たことがない人が大勢いることがあげられます。

北海道はアジアで最もスキー場が充実していると言われており、パウダースノーの柔らかい雪質はスキーをするのに適している上、初心者から熟練者までレべルに合わせて楽しめるコースが整っています。

また北海道には滞在中の食事からアクティビティまでオールインクルーシブな旅行が楽しめるクラブメッドのリゾートが、「北海道サホロ」と新しくオープンした「北海道トマム」と2施設あります。クラブメッドとは、バカンス先進国フランスのパリに本社を置く国際的なバカンス会社です。

「北海道トマム」は2018年のトリップアドバイザーの「外国人に人気の日本のホテルランキング2018」で1位を獲得する快挙を成し遂げています。

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インバウンドの数字

スキーや雪など多くのアクティビティを楽しめる北海道のインバウンド需要の数字は、訪日外国人訪問者数(2018年)は2,451,992人となっていて、全国第7位となっています。

訪日外国人宿泊者数(2018年)は8,335,030人であり全国第3位とベストスリーに入っています。

北海道におけるインバウンド消費金額(2018年)は94,278円であり、中国からの訪日観光客の消費金額が高く、全国で第2位となっています。

対応状況

インバウンド環境促進に対する対応としては、Japan Free Wifi(2019年)5,653施設であり、全国で第7位です。道順やトイレの場所などを示す、案内表示の英語対応(2016年)75%以上となっています。

インバウンド観光客対応を促進していることを示す、おもてなし事業者登録件数(2019年)は637件を数え、全国で第11位となっています。北海道では更なるインバウンド向け対応が図られているところです。

北海道のインバウンド需要

北海道は数値も全体的に高く日本でも有数の高いインバウンド需要を誇るエリアです。北海道は様々なサイトにてニセコなどのスキー場の雪質についての口コミがあり、欧米圏の人たちにとって日本でも有数の観光名所となっています。


インバウンドで注目のポイント

訪日外国人観光客が3000万人を超え、2020年には4000万人を超えようとしています。インバウンド観光客の増加に伴って、日本各地でインバウンド観光による街並みの変化、生活環境に及ぼす影響が出てきています。

インバウンド需要は日本の今後の経済で非常に重要ではありますが、観光都市としての景観、地域の人々の生活は守っていかなくてはいけません。インバウンドにおいて近年注目されている点について考えてみます。

オーバーツーリズム

北海道の人気観光地の美瑛には、美しい産業景観を目指してインバウンド観光客が急増したために様々な問題が発生しています。

インスタ映え写真の撮影に夢中になるあまり農地に無断で侵入し、畑を踏み荒らされたり狭い農道に観光バスが止まるため、トラクターが農地に入れないなどの観光公害が問題となっています。

美瑛の農家では、農業景観を壊さないデザインを基調としたマナー喚起看板でマナー改善に繋げるべく、看板製作プロジェクトを実行しています。

北海道の雄大な自然は、世界中の人の心を掴みインバウンド需要はまだまだ増加するでしょうが、そのために看板の氾濫で景観を阻害したり、地域に住む住民の生活の質に変化が出るようでは観光都市としての発展にも影響してしまいます。

インバウンドで壊される観光地の景観・生活…どう解消する?オーバーツーリズム対策例3選

2018年には訪日外国人観光客数が3,000万人を超え、2020年までに4,000万人を目指しさらなるインバウンド客の増加が見込まれる中、日本各地でオーバーツーリズムによる観光公害が問題となっています。今回は、京都・北海道の美瑛・大阪における3つの例を取り上げ、日本のオーバーツーリズムの実態について見ていきましょう。目次京都の多言語表示の「看板公害」が景観破壊!?北海道美瑛:インバウンド向けの環境破壊対策へ大阪の「下町」でインバウンド客急増!生活空間に観光客まとめ:適切なマナー喚起から住民...


エコツーリズム

観光都市として持続的に発展するためには、エコツーリズムの拡大が必要です。エコツーリズムとは自然環境、文化、歴史を観光の対象としながら、同時に環境の保全性と持続可能性を考慮するツーリズム(観光)を指します。

日本では2003年、環境大臣のもとで「エコツーリズム推進法」が施行され「自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかた」と概念定義がされています。

自然豊かな国のオーストラリアでは、半数以上のオーストラリア人がアンケートで自らをエコツーリストであると回答しています。

エコツーリズムとは

近年、産業の持続可能性への関心の高まりから、エコツーリズムが話題となっています。日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)が企画する「第5回ジャパン・ツーリズム・アワード」でも、こうした観点から社会性の高い取り組みの評価された組織がノミネート、表彰されています。インバウンド市場が拡大する現代の日本においても観光事業は経済の根幹を担う重要な要素の1つで、エコツーリズムは押さえておくべき基本概念と言えるでしょう。この記事では、エコツーリズムの概要、歴史や関連法、イ...


インバウンド事例から学び、活用

雄大な自然と豊かな食文化を誇る北海道は、インバウンド観光客にとって魅力が高い観光都市であり、一度その自然の雄大さに触れれば、リピーターとして再度訪れたくなる美しい景観観光都市です。

そして、パウダースノーで覆われたスキー場では、初心者から上級者まで十分に楽しめるコースが整備されていて、アジアで一番のスキー場です。訪れる人が多い中国人の方は、一度も雪を見たことがない人も多く、美しい雪景色で遊ぶ体験は心に残るでしょう。

また、オールインクルーシブな旅行が楽しめるクラブメッドのリゾートが2か所あり、「北海道トマム」は2018年のトリップアドバイザーの「外国人に人気の日本のホテルランキング2018」で1位を獲得しています。

北海道では自治体自ら日本各地のインバウンド事例から学び、活用してインバウンド対応を行っています。エコツーリズムの概念に則った雄大な自然観光都市として更なる発展が期待されています。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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