熊本で最大震度7の大型地震が発生してから3年、熊本県のシンボルである熊本城全体の復元作業は約20年かかるとも言われており、今後も復興には時間を要するでしょう。
このような大災害が起こってもなお、自然豊かで魅力的な熊本県はインバウンド需要が高まる可能性があります。
実際に熊本県では魅力を発信するために、公式サイトやパンフレットの多言語対応のほか、ユニークなPR動画を作成しています。
この記事では、熊本県のインバウンド状況やインバウンド対策の事例について、またくまモンを利用したPR動画などを紹介します。
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熊本県のインバウンド動向は?
熊本県に来る訪日外国人は、近隣である韓国や台湾の人々が多くを占めています。ここでは、熊本県のインバウンド事情について詳しく解説します。熊本県のインバウンド需要は?
熊本県のインバウンド需要は下記の通りです。訪問者数は全国第18位で上位に位置しますが、宿泊日数と消費単価において40位台であるのが現状の課題です。
熊本県のインバウンド需要
訪日外国人訪問率や訪問数、インバウンド宿泊人泊数など中央値を越える数値で、インバウンド需要があるといえる熊本県。2016年は熊本地震の影響、風評被害によりインバウンド、国内旅行含めて観光業に大きなダメージを与えましたが、数値を通してみればインバウンド需要はあると言えます。
2019女子ハンドボール世界選手権大会開催
2019年11月30日に女子ハンドボール世界選手権大会が開催されます。女子ハンドボール世界選手権大会の開催はアジア圏以外の新たな地域からインバウンド客を獲得するチャンスです。
さらなる訪日外国人の獲得や落ち込むインバウンド消費金額の上昇にも期待がかかります。
1997年に開催されたハンドボール世界選手権の実施により観客数が20万人を超え、大きな経済効果をもたらしました。
また最近世間をにぎわせている、ラグビーワールドカップが熊本で開催された際には、多くの新規訪日外国人観光客を獲得しました。
女子ハンドボール世界選手権大会の出場チームは24か国で、多方面からの訪日外国人が訪れると予測され、リピーターの獲得につなげたいところです。
九州・沖縄地方のインバウンド需要
九州・沖縄地方は福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄で構成されており、全国5位の福岡(9.9%)を筆頭に、沖縄(6.7%)、佐賀(0.8%)、長崎(2.4%)、熊本(1.6%)、大分(3.7%)、宮崎(0.3%)、鹿児島(0.9%)となっています。九州エリアは地理的に韓国と近いため船便なども多く観光人観光客の比率が高いのが特徴です。
訪日外国人へのアピール、ラグビーW杯観戦だけで終わらせていいの?九州・山口が本気で取り組む「祭りアイランド九州」熊本から周遊観光を推進
ラグビーワールドカップ2019の開催時期に合わせて、今年9月に「祭りアイランド九州」(英語名:Matsuri in Kyusyu)が開催されます。ワールドカップ観戦で訪れる訪日外国人観光客に九州・山口の魅力を発信し、周遊観光を促進させるのが狙いです。「祭りアイランド九州」が提案する広域周遊ルートをふまえ、日本の地域の魅力発信に向けた新たな取り組みを見ていきましょう。目次九州の「祭り」をキーワードに地域の魅力を国内外に発信熊本地震からの創造的復興とインバウンドの欧米豪市場の需要取り込みが狙い...
熊本県のインバウンド誘致対策の3事例
近隣アジアに人気のくまモンに限らず、熊本県には参考にしたいインバウンド対策があります。ここでは熊本県が実施するグリーンツーリズム情報の外国人向けの発信、訪日外国人をもてなすためのセミナー、熊本城での事例について紹介します。
グリーンツーリズム
自然が豊富な熊本県では、農業体験や農家民泊など農村に囲まれてバカンスを過ごす、グリーンツーリズムが魅力の一つと言えるでしょう。熊本県は、訪日外国人でもグリーンツーリズムの情報がわかるように、外国人対応の施設名や連絡先、サービス料金などの情報がわかるパンフレットを作成しています。
そのパンフレットの種類は、日本語以外に英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語です。
その内容は、多言語対応可能な店の紹介、Wi-Fiの有無、ハラールやベジタリアン可など、各スポットの情報が表になって分かりやすく記載されています。
おもてなし向上プロジェクトセミナーの実施
2017年に県の実施した取り組みとして、訪日外国人観光客などおもてなし向上プロジェクトセミナーがありました。熊本地震の影響で減少した訪日外国人観光客を回復するため、インバウンド受け入れ体制の整備を目的としています。
受講料は無料で、訪日外国人とのコミュニケーションの取り方や語学、異文化理解について理解を深められる内容になっています。
参加率の高い受講者には、インバウンドコーチの認定書や修了証書が発行される仕組みです。
訪日外国人に人気の熊本城インバウンド対策
2016年に起きた熊本地震の影響で、現在でも入れないエリアが多数存在します。しかし今秋から、震災から3年半ぶりとなる熊本城の特別公開がなされています。
さらに12月には城近くの熊本博物館がリニューアルオープンする予定で、徐々に復興の兆しが見えてきました。
熊本城の公式サイトは英語、韓国語、中国語に対応しており、シャトルバス運行情報などの交通アクセスも詳しく記載されています。
城の各エリアの歴史や再建について説明した動画も各言語で公開しており、外国人にとって情報の得やすいサイトと言ってよいでしょう。
城に入場してからも、総合案内所に英語対応スタッフを配置し、free-wifiを完備していたり利便性のある観光スポットです。
くまモンを使ったPR動画の効果絶大!
熊本県のゆるキャラといえば「くまモン」で、全国的にも有名なキャラクターとなりました。熊本では、日本人のみならず台湾や香港など海外でも人気者な「くまモン」を使ったPRが盛んです。ここでは、どんなPRを実施しているのかについて紹介します。YouTubeでPR動画を公開
愛らしいキャラであるくまモンが出演する、INBOUND KUMAMOTOというチャンネルがYouTube上で開設されています。動画には、熊本の美しい景観が映像に流れ、途中には英語・中国語・韓国語・タイ語などの説明が加えられています。
2年前から更新は途絶えていますが、現在までで動画再生回数は100~37万回と動画によって差はあります。
ですが、外国人の観覧者もいるということです。
くまモンラッピング電車
くまモンをインバウンド誘致の武器とした例に、くまモンラッピング電車があります。くまモンの人気が高い台湾や香港を中心に、2018年は60万人の観光客数を記録しました。
電車の車両が東京メトロや東京都営地下鉄で使用されていた点も、認知度を上げるためにプラスに作用したといえます。
というのは、東京と熊本で通算25年走っている電車と缶コーヒー「BOSS」シリーズの発売25周年をかけて、東京メトロがサントリーとコラボしたCMに、くまモンラッピング電車が起用されました。
熊本電鉄は親日的な台湾からの訪日に力を入れており、くまモンの人気もあいまって、くまモン電車の観光地化に成功しました。
トレンディドラマ!熊本フォーリンラブ
JR九州と熊本がタッグを組み、トレンディドラマ仕立てのPR動画「熊本フォーリンラブ」を製作しています。特設サイトにはさまざまな工夫がされており、熊本フォーリンラブのTwitterのフォローで素敵なプレゼントがもらえる企画を実施しています。
また熊本フォーリンラブビンゴという企画ではJR九州のWebサイトで会員登録し、JRに乗車したり対象施設を利用することで、抽選でプレゼントがもらえます。
海外で「くまモン解禁」で何が起こるのか? 5~7%の使用料で誰でもくまモン起用可能に
日本国内ではご当地キャラクターが人気を集めています。千葉県船橋市の「ふなっしー」熊本県の「くまモン」がその代表例でしょう。こうした ご当地マスコットキャラクターを通じた地域活性化、観光PRは注目されており、マスコットの関連グッズから得られる収益や観光客の増加による経済効果など、そのメリットは計り知れない ものです。このような状況の中、熊本県はPRマスコット「くまモン」を通じた観光PRを、日本国内のみならず海外でも強化するようです。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果...
熊本県のインバウンドは多言語対応とくまモンとPR動画が鍵
熊本県の魅力は、広大な自然を使ったグリーンツーリズムでありそれらの魅力を知ってもらえるような情報発信が重要なポイントでしょう。
熊本県がすでに取り組んでいるように、くまモンを使った動画や観る人々を引きつけるようなPR動画が効果的になります。
それだけでなく、訪日外国人への多言語対応や柔軟なサービスもインバウンド誘致のカギとなるでしょう。
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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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