訪日旅行「現地生活」がこれからの魅力に?外国人が知らない日本のルールやマナーをおもてなしに活かすには

公開日:2020年02月18日

p>2019年11月、日本最大級の在留外国人メディアを運営する、株式会社YOLO JAPANが「日本のルールやマナー」に関するアンケート調査を公開しました。

72ヵ国513名を対象に勧められた調査では「日本のルールやマナー」に関して、ルールを学ぶ姿勢や素晴らしいと思うもの、知らなくて困ったルールなどを問うています。

前半では調査結果を紹介し、そこから見えてくる訪日旅行の魅力訴求のヒントを紹介します。

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60%の在留外国人、日本でのルールやマナーについて「知らなくて困ったことがある」

在留外国人を対象に2019年8月から1ヶ月に渡り「日本のルールやマナー」に関するアンケート調査を行い、日本国内で困ること、困難に思っていることを数値化し在留外国人の生態をより詳しく解剖しました。

▲[日本のルールやマナーについてのアンケート]:YOLO JAPAN
▲[日本のルールやマナーについてのアンケート]:YOLO JAPAN

内訳として、最も多かったのは「ゴミの捨て方」(41%、126人)で、。続いて「ビジネスマナー」(39%、122人)が挙げられました。そのうち「注意をされた」または「ペナルティを受けた」と回答したのは41%(248人)となりました。


「ゴミの捨て方」の具体例としては、
「自治体指定のゴミ袋があることを知らなかった」(オーストラリア、40代、女性)
「ゴミを前日の夜に出してはいけないと知らなかった」(アメリカ、50代、男性)
「可燃ゴミと不燃ゴミの違いが分からなかった」(マレーシア、20代、女性)
という回答があがり、事前に知っていたと回答した方の中にも、自治体による違いなど細かいルールを把握することは難しい現状がありました。

▲[ゴミの出し方・英語]:新宿区外国人住民のための生活情報/6.暮らしより
▲[ゴミの出し方・英語]:新宿区外国人住民のための生活情報/6.暮らしより

自治体によっては独自の冊子を用意し、英語、中国語、ハングルなどで情報を発信しているところもあります。

冊子では問い合わせ先の番号も外国語で案内されていますが、在留外国人にとってはリーチしづらい情報となっているのかもしれません。

新宿区外国人住民のための生活情報/6.暮らし

調べても情報が入ってこない「日本のルールやマナー」3つ

本調査で「日本のルールやマナーについて調べたり学んだことがあるか」という問いに対して、96%(490人)の人が「ある」と回答しました。

そのうち約半数が、日本人の知人や友人に教わった(53%、270人)、母国で事前に調べた(51%、260人)、職場で教わった(47%、243人)と答えました。

中には、意外にも思える認知度の低さが判明したルールもあります。

一方、比較的事前に知る人が少なかったルールやマナーは、値切りなどの「買い物について」(19%、99人)、「喫煙について」(28%、142人)、「ビジネスマナー」(32%、164人)

▲[日本のルールやマナーについてのアンケート]:YOLO JAPAN
▲[日本のルールやマナーについてのアンケート]:YOLO JAPAN

こうしたルールは「日本に来ないと理解できないこと」であり、反対に言えば訪日旅行時の困りごとになっていたり、実際には魅力があるのにそれが伝わっていないポイントになっている可能性もあるといえるでしょう。

日本での買い物:現地体験としてのスーパーマーケット

今回ランキングに入った「日本での買い物の仕方」について、どのようにとらえられているのか、英字のメディアやSNS投稿を探ってみました。

Forbesにで公開されている「日本の賢い節約旅行」では、スーパーマーケットでの買い物がおすすめされています。こうした日本での日常生活に根差した買い物スポットを紹介している英字サイトはいくつもみつけられますが、具体的に低下よりも安く買うための「方法」についての指南は多くありません。

日本には特売品を案内するインターネットサービスもありますが、こうしたサービスは日本語を理解する居住者をユーザーとして想定しており、訪日外国人にとってはリーチできない情報となっているといえるでしょう。

Twitterなどでは訪日旅行経験者の「特売」経験談も見つけることができます。この場合、現地在住の友人から聞いたり、SNSからお得情報を手に入れているのだと考えられます。

また、こうした現地の日常生活に根差した体験に満足していることも確認できます。

「値切る際の工夫」の紹介も

今回のアンケートでは日本の「値切り」の文化にも言及されています。

値切りは日本だけに見られる文化ではありませんが、日本の「暗黙のルール」は時には外国人には理解が難しいこともあると考えられます。

外国人向け生活総合サイト「GaijinPot」では、日本語でどのように値切り交渉をするのか紹介しています。

One easy solution for these smaller stores is to try and get a discount for cash, saving both parties from credit card fees.
Next time you’re out shopping, try 現金 genkin で払 haraうと安 yasuku くなりますか (Could I get a discount if I pay in cash?).
Another phrase that learners should endeavor to remember is the (少 sukoし)安くなりませんか phrase.

The phrase ここに傷 kizuがあるので安くしてください (As there’s a scratch here, please could you discount the price?) can work wonders.

teikaより安くなったりしませんか (Can this price get lower than the usual asking price?).(一部抜粋)

「カードではなく現金で買うと安くなりますか?」「ここに傷があるので安くしてください」など、日本人顔負けの交渉術を英語で解説しています。

こんな「通な」情報が、これからの訪日旅行を楽しむためのエッセンスとして、外国人観光客に求められているのかもしれません。

日本の喫煙ルール:自治体によるルールの違いに困惑?

他にも日本のルールで知っている人が少なかったのは国内の「喫煙ルール」ですが、英語で書かれている記事は多数見つかりました。

しかし自治体によって異なる条例を定めている場所もあり、細かい情報の取り漏らしがそのような認識につながっているのではないかとみられます。

▲[日本の喫煙について英語で紹介されている記事]: japan-guide.com
▲[日本の喫煙について英語で紹介されている記事]: japan-guide.com

タバコに寛容な日本にひそむ、未成年の訪日観光客のリスク&国ごとの喫煙可能年齢まとめ

インバウンド担当者は、日本とは異なる「常識」をもつ世界の国々からの訪日外国人観光客の対応をしなくてはなりません。今回は、アルコールと同じく未成年に販売・提供が禁止されている「タバコ」について世界の事情をご紹介します。訪日外国人も「20歳未満」であれば、自国で喫煙法定年齢に達していたとしても日本では「違法行為」になってしまいますので注意が必要です。関連記事訪日客の4人に1人が喫煙者!?原則屋内禁煙のはずの健康増進法改正案が「骨抜き」状態飲食店「全面禁煙ちょっと待った!」訪日客「あまり気にして...

以下のような日本の喫煙ルールを伝えるSNS投稿も、訪日外国人の事前の情報収集に役立てられていると考えられるでしょう。

まとめ

513人の在留外国人に対して行われたアンケートには、訪日外国人が日本文化に対して戸惑うポイントにもなりえます。最近では地方自治体の独自の努力により多くの情報に多言語でアクセスできるようにもなりましたが、日本国内の地域別で設けられている細かいルールまで把握しきれない可能性もあります。

こうした点は「丁寧に伝えなければ伝わらない」ことを念頭に、情報発信に努めるべきでしょう。地域住民によるフォローも、役に立つだけでなく、旅先でしかできない独自の体験として歓迎されるかもしれません。

相手目線の情報発信や応対は、観光立国としての地位の確立に大きく影響を与えると考えられます。施設や店舗、観光関連の事業者だけでなく、個人個人の意識のアップデートと、背景にある異文化を踏まえたもてなしがこれからの日本社会に求められています。


<参照>

https://www.yolo-japan.co.jp/news-release/5402

http://www.foreign.city.shinjuku.lg.jp/en/wp-content/uploads/sites/4/2019/04/6kurashi_e2019.pdf

https://blog.gaijinpot.com/how-to-bargain-in-japanese/

https://www.japan-guide.com/e/e2228.html


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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