新型コロナウイルスの影響で東京オリンピック2020の開催が危ぶまれる声が多くががっています。
もしも東京でオリンピック・パラリンピックが開催できない場合は、ロンドンで代わりに開催できると2020年5月のロンドン市長選候補者ショーン・ベイリー氏が名乗りを上げています。
東京はオリンピック開催決定から、官民一体となってインバウンド誘致や環境整備に尽力してきました。
その甲斐もあり東京の訪日外国人数は年々増加しています。
この記事では、日本一訪日外国人数の訪問率が高い東京のインバウンド事例についてご紹介します。
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東京都のインバウンド事情
世界的にも人気の旅行先である東京は、日本国内では訪日外国人の訪問率ナンバーワンの都市です。
成長を続ける東京のインバウンドについて、簡単に現状を解説します。
東京都インバウンドデータ
2018年の調査結果では、訪日外国人からの人気都道府県ランキング1位で、訪問者数、宿泊者数、一人あたり旅行消費単価のすべてにおいて最も高い数字です。
また、訪問率では45.92%と、約半数の訪日外国人が東京に訪れています。
国別訪日外国人割合でみると、中国・台湾・韓国の順に多く訪れており、この3か国で滞在者の約50%を占めます。
来年には東京オリンピックの開催も控え、東京が世界のメディアに露出する機会も増加しています。
行政主導で外国人フレンドリーな環境整備も推進されており、今後もさらなる需要の高まりが予想されています。
東京都のインバウンド需要
訪日外国人の訪問率、訪問数、宿泊数のどれもが全国TOPとなっています。
東京の魅力
江戸時代から世界有数の大都市であった東京は、現在も国内外の大勢の人々をひきつけます。
要因のひとつには交通の便が良いことが挙げられます。
陸路・空路・海路・鉄路すべてが東京に集約され、関東圏へ観光に行く場合には必ず東京駅を経由することになります。
交通網も密に張り巡らされ東京都内の移動も容易です。
また東京にはヒト・モノ・情報が一挙に集まり訪日外国人を魅了する多種多様な観光コンテンツが豊富です。
訪日外国人が日本への旅行で期待する日本食体験やショッピング、観光、街歩きなど、東京へ訪れればランキング上位のニーズをほとんど満たせる点も魅力です。
たとえば、原宿や秋葉原などに代表されるポップカルチャーは、世界中の若い世代に大きな支持を集めています。
東京のインバウンド人気スポット3選
インバウンドからも人気の高い、東京の観光スポットを3か所紹介します。
1. 浅草・雷門
下町の空気が残る浅草のシンボル「雷門」は、浅草寺の山門です。
真ん中に大きな赤い提灯、風神と雷神の像が門の左右に配されています。
雷門をくぐると独特の雰囲気の土産物街「仲見世」を通り抜け、奥にある本堂にお参りできます。
伝統的日本の雰囲気を味わえる空間として支持されています。
2. 東京タワー
東京タワーは、戦後の高度経済成長期に電波塔として建設されて以来、東京の象徴として親しまれてきました。
高さは地上333mを誇り、150mと250mの位置にある展望台から東京を一望できます。
3. 東京スカイツリー
東京スカイツリーは、東京タワーにかわる電波塔として2012年に完成しました。
高さは634mと東京タワーの倍近くあり、現在日本で最も高い建物とされています。350m、450mの位置に展望台があり、その景色は圧巻です。
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インバウンド対応のためのガイドブックやパンフレット【東京都】
訪日外国人客の増加に伴い、文化・習慣の違いからトラブルが散見されるようになりました。
これを受け、東京都はインバウンド受け入れ事業者と訪日外国人客へ向けた啓発パンフレットをそれぞれ作成・配布しています。
飲食店などの事業者に向けたガイドブック
外国人観光客は多様な背景をもちます。文化を知り、尊重しながら対応することが不可欠です。
そこで、東京都産業労働局は、訪日外国人旅行者を受け入れる飲食店などの事業者へ向けて海外の文化・習慣を紹介するガイドブックを作成しました。
訪日外国人が多い、または今後の増加が見込まれる台湾・韓国・中国をはじめとした14の国と地域について、食事やトイレ等のルールや生活習慣、食の制限等に関する基礎知識がまとめられたものです。
「食事」「宗教」などの項目別に、習慣の紹介や気を付けるポイントが網羅的に解説されており、巻末には事業者・旅行客双方の生の声も収録され、インバウンド事業者の指針となる一冊となっています。
外国人観光者向けのマナーパンフレット
東京都は外国人観光客向けにも日本の習慣やマナーなどを紹介するパンフレットを配布しています。
公共空間やショッピング、レストランなどを利用する際のマナーについて紹介し、スムーズで快適な旅行を楽しんでほしいという趣旨で制作されました。
路線バスを降車する際はボタンを押して知らせることや畳の部屋には土足で上がらないことなど、トラブルの頻度が多い習慣について、直感的に理解できるよう絵をもちいて読みやすく解説しています。
現在5種類の言語でが制作され、東京観光情報センター等で配布しています。
受け入れ側・訪問側がともに互いの文化について知れば誤解が生まれることもなく、双方にとって過ごしやすい環境を構築でき、ひいてはインバウンドのさらなる発展へつながるでしょう。
なぜ観光客はマナーが悪いのか:訪日外国人に日本のルールが伝わらない理由
訪日外国人客数が伸び続け、経済波及効果に高い期待が持たれている一方で、「ポイ捨て」「列割り込み」「撮影禁止の無視」「汚いトイレの使い方」「電車内、大声での会話」などの外国人観光客のマナーに対する疑問と怒りの声が上がっています。多くの日本人が感じる、「外国人のマナー違反」は、観光地周辺に住む住民や訪日外国人の日本に対する満足度などにも影響を及ぼす、重大な課題です。2003年の「観光立国」を目指す方針を固めてから、訪日外国人の誘客は好調に推進され、2018年には訪日客数約3,000万人、訪日外...
東京都のインバウンド対応 3事例
インバウンド最前線といえる東京では、外国人旅行者のニーズを受け、全国に先駆けた施策に取り組んでいます。
誘客の強化、利便性の向上や多様性への対応など、多くの切り口から満足度を高めた注目のインバウンド事例を3つ紹介します。
1. 中野ブロードウェイ
中野ブロードウェイでは、アニメや漫画のレアグッズや沢山のガチャガチャ、高級ビンテージ腕時計など他では購入できないものが販売され、唯一無二のサブカル空間が魅力です。
国内外から集うサブカルファンに対応し、早くからWi-Fiの導入やキャッシュレス化を推進してきました。
免税店申請の働きかけも行っています。
地域の人たちとのコラボレーションも盛んで、今後は行政とも連携し広く中野の町をプロモーションしたい考えです。
年間220億円の売上げも!サブカル&中古時計がインバウンドを呼び寄せる「中野ブロードウェイ」「まんだらけ」はなぜ強い?
日本のアニメやゲーム、漫画は、いまや海外でも大人気となっており、近年では聖地巡礼を楽しむ「アニメツーリズム」がブームです。アニメやゲームといえば秋葉原が人気ですが、実は近年中野ブロードウェイにも世界中からコアなファンが集まってきています。今回は、インバウンド客も多く訪れる中野ブロードウェイの実態やインバウンドの受け入れ態勢について解説していきます。関連記事知らなきゃマズイ日本のアニメ"88の聖地"とは?インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、イ...
2. 台東区の「食のダイバーシティ」戦略
台東区は上野や浅草など、外国人観光客からも人気のスポットを擁します。
区は近年増加する東南アジアからの訪日客の獲得に注力しています。
2015年に事業者のハラール認証取得費用の一部を負担する台東区ハラール認証取得助成事業を創設したました。
メニューに使用食材を表示するためのピクトグラムシールを配布し、多様な食文化への対応を図ります。
東南アジアにはムスリムが多く食事の面で制限がありますが、安心して外食ができると好評です。
また、ネイティブスピーカーの視点から多言語の発信にも取り組みます。
3. 豊富な観光資源をもつ葛飾区
下町の情緒が残る葛飾区は豊富な観光資源に恵まれ、漫画や映画の舞台としても有名です。
各所に配された世界的人気キャラクターの銅像巡り、キャラクターのあしらわれたマンホール、地域に根ざしたキャラクターのラッピングバスも人気です。
あわせて、国の「重要文化的景観」に選定された葛飾柴又、菖蒲が咲き乱れる都内唯一の水郷公園である水元公園などの美しい景観を体感することは多くの外国人の心を魅了しています。
「コト消費」に注力し、多言語対応に特化しすぎず、旅の情緒を体感することを優先しています。
まとめ
日本で最も外国人が訪れる街・東京について、インバウンド需要の現状と対応事例について解説しました。オリンピック開催に向け、訪都旅行者数も増加が予想されます。
今回紹介したインバウンド事例では、外国人旅行者のニーズに対応することで新しい魅力の創出につなげています。
市場全体に施策が広まれば、日本の文化を発信すると同時に外国人旅行客の文化的背景への理解が高まります。
双方にとって過ごしやすい環境の構築が促進され、インバウンド産業のさらなる発展につながるでしょう。
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短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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