ラグビーワールドカップでは民泊が大躍進!スポーツツーリズムの影響・イベントホームステイ(イベント民泊)・運営に必要な知識を紹介

公開日:2020年04月08日

2019年のラグビーワールドカップでは、様々なドラマが生まれ、日本中が熱気に包まれました。ラグビーワールドカップ2019の開催に当たり、多くの外国人観光客が日本を訪れていましたが、彼らはどこに宿泊し、どんな体験をしていたのでしょうか。

今回の記事では、ラグビーワールドカップの開催に合わせて、外国人観光客に人気の高かった宿泊方法である民泊Airbnbについて、データを踏まえてご紹介していきます。



ラグビーワールドカップ2019の期間中の宿泊者実績

ラグビーワールドカップでは、試合の応援のために日本に足を運んだ外国人観光客は多くいました。その結果、大会開催中の宿泊者数実績は、前年同期に比べて大きな変化がありました。

大躍進の前年同期比1.5倍、民泊とAirbnbの利用目立つ

ラグビーワールドカップ2019開催期間中の9月20日から11月2日の間、多くの外国人観光客が日本を訪れ、その滞在傾向として特に顕著だったのは、民泊Airbnbの利用です。

Airbnbは、宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェブサイトです。同社は2019年11月8日に、ラグビーワールドカップがAirbnb利用者数へ大きな影響があり、全国の宿泊者数は前年同期比約1.5倍の65万人を記録したことを発表しました。これによるホスト側の収入は71億円でした。

特に実際に競技が行われた12の開催地では、宿泊者数は前年同期比110%増の37万人、ホストの収入は前年同期比108%増となる49億円と大きな躍進が見えました。

ラグビーワールドカップ期間中、選手の応援にかけつけた外国人観光客

このAirbnbの利益大幅増からも分かるように、今回のラグビーワールドカップは、スポーツツーリズムがもたらす経済効果を顕著に確認できる例となりました。

実際、大会開催期間周辺の外国人観光客の出発地は、145か国8,894都市にまで上りました。

特に、ラグビーワールドカップに参加をしていたイングランド、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、カナダ、アイルランドからの観光客が増加し、日本の観光産業へ大きく寄与しました。

また、これらの訪日観光客が地元の民泊Airbnbを利用したことにより、地域の活性化に大きく貢献しました。

スポーツツーリズムにより、地方で観光客が増加

スポーツツーリズムの持つ特徴は、単純な宿泊客の増加だけにとどまりません。大会開催地になったことをきっかけに、これまで外国人観光客に注目されていなかった観光地がにぎわうケースもあります。

熊本県では大会開催期間の外国人観光客数が、前年同期比で233%と大きな伸びを記録しました。大分県でも同じく、前年同期比179%となっており、滞在中に周辺を観光している人もいたと考えられます。

宿泊施設については、市街地のホテルに空きが少なかったためAirbnbを利用したという外国人観光客もいます。

宿泊利用に際しては、日本人ホストと翻訳機を介して交流したり、日本の文化を直接目にしたり体験したりする機会となったという声がありました。

都心に比べて外国人観光客の少ない地方ですが、ラグビーワールドカップの開催により民泊Airbnbの利用者が増え、結果として外国人観光客と現地居住者との交流が生まれたといえるでしょう。

「イベントホームステイ(イベント民泊)」とは

日本を訪れる外国人観光客にとって、民泊Airbnbを利用してブッキングする宿泊施設は、宿泊料金や予約のいれやすさ、滞在経験の質といった要素から、積極的に選びたいと思われている選択肢の一つです。

特に、ホテル宿泊では体験できない、現地の人のローカルな生活を垣間見ることのできる民泊では、その特性を活かした取り組みが行われています。

一定期間、届出なしで民泊として運営

一般的に、民泊として営業をしたり、料金を徴収して旅行客を宿泊させたりするためには、政府からの旅館業法の許可あるいは住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が必要とされています。

しかし、例外的にイベントなどで人が多く集まることが見込まれ、ホテルなど既存の宿泊施設のキャパシティが不十分になる可能性が認められた際に、「イベント民泊が発令されます。

これは、旅館業法に基づく許可を得ずに宿泊サービスを提供できるもので、2017年の阿波踊りの開催時などに適用されました。

Airbnbも、ラグビーワールドカップ期間中にがイベント民泊を運営

この「イベント民泊」は、単発のイベントなどの際に想定される観光客を、宿泊施設を新設することなく、既存の家や部屋を活用して効率的に受け入れることのできる方法です。

今回のラグビーワールドカップでは、大分県、釜石市、東大阪市、神戸市、熊本県などでAirbnbが主体となって「イベント民泊」への取り組みが実施されました。

イベント民泊の詳細は観光庁が出している「イベント民泊ガイドライン」に掲載されています。

通称を「イベント民泊」から「イベントホームステイ(イベント民泊)」に変更

2019年12月25日には、これまでの「イベント民泊」の名称から「イベントホームステイ(イベント民泊)」へ変更になりました。

これは、これまでの家屋の一部で寝床を提供するだけの民泊」のイメージから、ホームステイを通じたホストとゲストの交流を促進するような趣旨を明確にするためです。

「イベント民泊」は、イベント開催時などに宿泊施設が不足することが見込まれる場合に適応されてきました。

今回、その要件に加えて「ホームステイでの宿泊体験を通して、地域の人々と旅行者の交流を創出する」ことを目的とする場合という要件が追加されました。

民泊を始めるには

以前に比べ、民泊を始めるハードルは下がり、利用者にとっても民泊はより身近なものになりつつあります。では、実際に民泊をやってみたい、と思ったときにどのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。

民泊運営に必要なポイント

民泊を運営するにあたって、特に注目したいポイントは「Wi-Fi」「キッチン」「和室もしくはベッド」の三点です。

近年の旅行客の傾向として、インターネットでの情報を探しながら現地で行き先を決めることも多く、宿泊先にインターネット環境が整っていないと、選ばれる可能性が下がってしまいます。

また、節約志向の強い長期旅行客や、ムスリムなど宗教上の理由から自炊を好む観光客も多いため、キッチンの有無も重要なポイントになります。

さらに、床に眠ることに慣れていない外国人や、足腰に痛みのある高齢者でも寝起きがしやすいため、和室でもベッドがあると利用者の目に留まりやすいといった知識も、運営の役に立つでしょう。

民泊は「Wi

国が進める「観光立国」の政策により、日本を訪問する外国人観光客の数は年々着実に増えています。特に2020年の東京オリンピック、さらに2025年の大阪万博を控え、問題になっているのが宿泊施設の不足です。そこでこの記事では、近年注目されている「民泊」について、どんな人が利用し、どんな施設が人気を集めているのか解説します。目次市場拡大中の民泊、利用客層は?民泊利用者は東アジアが中心利用者年齢層は若く、家族連れなども利用民泊利用層が訪日旅行に求めるもの民泊に最低限取り入れたいアイテムWi-Fiは最...

手続きが必要

民泊を始めることへのハードルが下がったとはいえ、各自治体への登録などの手続きは必要です。

民泊新法」の基準や、自治体の条例の確認をし、自分が開こうとしている民泊がその要件に当てはまるかを確認します。その後、所定の手続きを踏み、民泊サイトへの登録を行うことで、晴れて民泊としての営業が可能になります。

観光客の目に留まる魅力的な民泊にするためには、先ほど述べたWi-Fi、キッチン、ベッドなどの三つの条件に加え、+αの特徴を備えていることも重要なポイントになります。

「また来たい」「人に話したい」と思ってもらう工夫

民泊サイトに掲載する写真は、なるべく明るい時間に撮影するなど、見栄えに対する配慮も必要です。他の人気の物件を参考に、どのような民泊が支持されているのかなどの特徴を掴むことも求められます。

ここに宿泊することで、どのような体験ができるのか、他に比べて優位性はなにかなど、メリットを前面にアピールすることで、サイト閲覧者の目を引くことにつながります。

SNSなどでも拡散や、話題性なども重要なポイントになるので、「また来たい」「人に話したい」と思われるような民泊にすることが大切です。

ラグビーワールドカップで活躍した民泊、オリンピックでも市場成長に期待

このように、「観光立国」を目指す日本では、その政策通りに外国人観光客の数は年々増加しているのに対し、宿泊施設不足という問題が起こっています。そこで、「イベント民泊」を推進するなど、民泊運営への参入障壁は低くなっており、いくつかの条件を満たし届け出を提出することで、民泊ホストになることができます。

2019年のラグビーワールドカップの際にも大幅な増収となったAirbnb民泊は、東京オリンピックの開催時にも需要の拡大が予想されます。

これらの民泊Airbnbに期待されているのは、単なる宿泊施設としての機能だけではありません。滞在する訪日外国人観光客と、ホストや地域住民との交流が、さらなる利用者の増加や市場の成長につながっていくでしょう。

<参照>

観光庁イベント民泊ガイドラインを改訂しました~イベント開催時に海外の人や他地域の人と交流をしてみませんか~

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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