インバウンドにおけるダイナミックパッケージ販売 | ビジネスチャンスとその効果

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訪日外国人の増加、2021年に延期となった東京オリンピックなど、今後も需要拡大が見込まれるインバウンド業界で最近注目されているキーワードが、ダイナミックパッケージです。

インバウンド業界でのダイナミックパッケージ販売は、訪日外国人自身が手配できる航空券、宿泊先、利用する交通機関の予約と販売を意味します。

今回は、地方創生・地域の魅力発信にもつながる「ダイナミックパッケージ」の解説、各企業の販売や集客の取り組みについて紹介します。

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ダイナミックパッケージがもたらすインバウンド需要への効果

2011年頃より訪日外国人は増加傾向にあり、それに伴って「インバウンド」という単語を耳にする機会が増えています。

2020年は新型コロナウィルス感染拡大を受け、インバウンド業界にも影響が出ていますが、来年に延期が決定した東京オリンピック開催に向けて、引き続き注目を浴びています。

そもそもダイナミックパッケージとは?

ダイナミックパッケージとは、旅行者自らが航空券、その他の交通手段、宿泊施設など旅行プランを自由に設計できるプランのことを指します。

パッケージツアーと呼ばれる、価格固定で決まった搭乗便、ホテルから自分のスケジュールに合わせて選ぶツアーと異なり、ダイナミックパッケージ自由度が高く、個別に予約するよりも安いことも多いため、需要が伸びています。

また、2017年頃から日本の旅行会社が訪日外国人旅行者向けに提供するダイナミックパッケージが増えています。中国語、英語など多言語対応を進めている企業が多く現れはじめ、新しい流れが生まれています。

ダイナミックパッケージに注目が集まる理由

注目を集めている理由としてはまず、東京オリンピックが開催されることが挙げられます。

政府が策定する「明日の日本を支える観光ビジョン」では、2020年の訪日外国人旅行者数を4,000万人、訪日外国人旅行消費額を8兆円と、どちらも2015年実績数値に対し、約2倍の目標に掲げていました。この数字は2020年に開催予定であった東京オリンピックを見込んだものであるため、開催延期となった今、来年度も同等の数字を目標とすることが予想されます。

また、日本に来る目的が多様化している訪日外国人に対し、それぞれ最適な旅行プランを販売したいと考える企業が増えてきています。

以前までダイナミックパッケージは、航空券とホテルの提供がメインでしたが、最近ではJRバス、レンタカー、オプショナルツアー販売など、より旅行者の希望に応えるコンテンツを充実させる動きが主流になりつつあります。

ダイナミックパッケージ×インバウンドに見出すビジネスチャンス

前述の通り、ダイナミックパッケージがもたらすインバウンド需要への好影響に注目が集まるなか、いち早くその波に乗り、企業や地域を盛り上げようとする動きが出てきています。

政府も観光立国実現のため、文化、宗教、言語などさまざまな背景がある訪日外国人旅行者に寄りそった改善・施策を今後も長期的に進めていく計画です。

具体的には、訪日外国人旅行者が滞在中快適に過ごせるよう、無料公衆無線LAN整備の促進、「道の駅」におけるインバウンド対応に向けた施策、ムスリム対応などといった環境整備を進めています。

東京オリンピック・パラリンリックが開催される来年に向けて、日本各地の魅力をアピールする絶好のチャンスである今後は、ビジネスチャンスを見出す格好の機会といえるでしょう。

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各企業のインバウンド向けダイナミックパッケージの販売事例

ここでは、現状と実態に迫るべく、インバウンド向けダイナミックパッケージにいち早くビジネスチャンスを見出し、実際に販売している企業を紹介します。

いずれの商品も、各地方やエリアの特色を活かしたサービスと連携し、地域創生と日本の観光立国実現に貢献しています。

1. ANAグループ:JR東日本とも連携

ANAセールス株式会社は、訪日外国人をターゲットに、日本各地へのANA国内線航空機を利用した日本の旅を提案しています。2018年7月より訪日旅行専用ダイナミックパッケージを販売しています。

商品は「ANA Discover Japan Free & Easy」(欧・米・豪各国では「ANA Discover Japan Flight & Hotel 」)のブランド名で販売されています。

2018年11月には、JR東日本と観光流動拡大に向けて連携を発表しました。

2. JALグループ:東南アジア、豪州、北米、東アジアで展開

JALグループの旅行会社である株式会社ジャルパックは、2017年より、タイ・オーストラリア・シンガポールで「JAL訪日ダイナミックパッケージを展開しています。

2019年12月にはアメリカ・カナダでの発売開始を発表、その後も東南アジア、東アジアへの販売エリア拡大を発表しました。

3. タイムデザインの事例

ダイナミックパッケージプラットフォームを提供するタイムデザインでは、2017年より、ホテル向けインバウンドダイナミックパッケージシステムの提供を開始しました。

星のリゾートが運営する、「星のや東京」など各宿泊施設を提供しています。これにより、各宿泊施設の公式ウェブサイトから、航空券とホテルを組み合わせたダイナミックパッケージの販売が可能になりました。

その後も同社では他社サービスと連携し、600社を超える航空会社の海外航空券と宿泊プランを組み合わせられ、20以上の通貨にも対応するなど、インバウンド集客支援を強化しています。

ダイナミックパッケージは多くの利益をもたらす

ダイナミックパッケージは、多くの経済的もしくは社会的効果をもたらすことが期待されています。

その効果とはインバウンド業界のさらなる活性化のみにとどまらず、地域経済、ならびにさまざまな企業への波及効果も起こり得ます。

旅行者の多様なニーズに応える魅力ある商品

日本政府観光局が発行する、訪日旅行データハンドブック2019年によると、観光目的で訪れた訪日外国人の約7割が個人旅行で、減少傾向にある団体ツアーと比べ年々増加し、その7割以上がウェブサイトから申し込んでいます。

SNSなどインターネットで情報が容易に入手できる昨今では、旅行者が自分で航空券やホテルなどを選ぶことができるダイナミックパッケージの魅力が年々増してきています。

さらに、訪日旅行を考えている外国人に対し、日本の魅力を知り尽くした日本企業がアドバイスをすることで楽しく充実した旅行が実現でき、今後のインバウンド需要増加に寄与することが期待されます。

ダイナミックパッケージが地域を活性化

前述のとおり、個人旅行の増加により地方部での宿泊者が増加しています。各企業と地方団体が協力し、その地を実際に訪れてもらうことで、ゴールデンルートだけでなく各地方にも様々な魅力があることを伝えられます。

これは現在の「コト消費」への潮流にも通じており、SNSや口コミサイト等での拡散が簡単にできるため、魅力を体感した旅行者から訪日旅行を考えている外国人、さらにはその地域外に住む日本人にもアピールできます。

こうした流れは、人口減少などで先細りする内需をカバーするだけでなく、認知度アップによる移住者の増加、高齢化による担い手不足の解消など、地方ならではの問題解決の糸口にもなります。

インバウンド向けダイナミックパッケージの販売と満足度向上のために必要なこと

インバウンド向けダイナミックパッケージがその効果を最大限に実現するためには、プランを販売する各企業や地方自治体、宿泊施設など、観光地で働く多くの人々の協力が必要です。

例えば訪日外国人にニーズの高いWi-Fiスポットの充実や多言語対応など、単独対応では厳しい課題も多く、より強固な連携体制が求められています。

ダイナミックパッケージを販売することによって実際にどのような利益を生み出すのかを考え、その上で実現するための課題を洗い出し、実現を目指すことがなによりも大切です。

今後のインバウンド業界で注目されるダイナミックパッケージ

前述の通り、インバウンド業界が盛り上がるにつれ、今後ますますダイナミックパッケージへの注目度が高まるといえます。

新型コロナウィルス感染拡大を受け、2020年の訪日外国人数は前年度より大きく減っているものの、香港ではコロナショックが収束後に行きたい国として日本が一位に選ばれたという事実もあります。アジアをはじめ、日本は旅行先として引き続き注目を集めているともいえます。

変化が激しいインバウンド業界におけるこのビッグチャンスを逃さないためにも、早いうちからのインバウンド向けダイナミックパッケージへの着手は得策といえそうです。

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

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【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

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「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】

【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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