「ウィズコロナ」長期戦に備える各機関の対応:オンライン環境整備など、未来に遺る取り組みも・自治体や企業の対応事例を紹介

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新型コロナウイルスの流行により、ウィズコロナという言葉をしばしば見かけるようになりました。

ウィズコロナ」とは、新型コロナウイルス流行前を指す「プレコロナ」に対して、「ウイルス流行中」の状態を表す言葉です。

「プレコロナ」では意識されていなかった衛生環境などに関する問題点が、現在「ウィズコロナ」の期間を通して課題として認識、改善されていっています。また、その「ウィズコロナ」で得られた教訓を、収束後ポストコロナに活かしていくことも重要です。

今回は、この「ウィズコロナ」をキーワードに、新型コロナウイルスの流行を通して生じた中長期的な公衆衛生環境の向上や医療体制の見直しなどについて紹介します。


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新型コロナウイルスの概要

「コロナ」という略称で呼ばれることの多い新型コロナウイルスですが、実際のところどのようなものなのでしょうか。

この項目では、「新型コロナウイルス」の定義について紹介します。

そもそも新型コロナウイルスとは

「新型コロナウイルス」という言葉がニュースやメディアでも頻繁に使用されていますが、人に感染する可能性のある「新型コロナウイルス」は全部で7種類見つかっています(2020年4月12日現在)。

そのうちの一つが、2019年の12月から中国の武漢で広まり、世界中で多くの感染者を出している「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」です。

残り6種類のうち2つは2002年に発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」であり、同様に多くの感染者を出しました。

そのため、新型コロナウイルスによる世界的流行(パンデミック)は今回の「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」で3回目ということになります。    

「新型コロナウイルス」と聞くとすべて危険なウイルスだと思いがちですが、我々が普段風邪を引いた際の原因の10~15%は、この新型コロナウイルス7種類のうちの4種類にあたります。他の動物への感染は稀で、70%のアルコール消毒で感染力を失うという特徴があります。

なぜ感染が拡大しているのか

世界的に感染がここまで広がってしまっていることの原因としては、中国での流行が確認された際に、あまり危機感がなく初動が遅れてしまったことが考えられています。

特に顕著に感染が拡大したヨーロッパでは、当初楽観的な見方をしている人も多かったといいます。行政レベルでも個人レベルでも、特別な対策を講じることなく日常の生活を続けてしまったことにより、たった数日間で爆発的に感染者を増やす結果になってしまいました。

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どうして危険なのか

新型コロナウイルスの危険性は、どのような点にあるのでしょうか。

まず、感染している人の中には無症状の人がいるということが挙げられます。各メディアで連日取り上げられているように、ウイルスに感染していることに気づかずに外出してしまうことで、接触した人々への感染を広げてしまう危険性があります。

潜伏期間にはほとんど症状がないか軽い風邪のような症状のみなので、いつも通りに通勤・通学することで、感染が進んでいきます。

また今回の新型コロナウイルスは「新型」であるがゆえに、治療薬がまだ開発されていません。そのため、現状では抗ウイルス薬「アビガン」などで治療が試みられています。新型コロナウイルス専用の治療薬の開発には、まだ時間がかかるといわれています。

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新型コロナウイルス対策と感染した場合の対処法

では、実施に新型コロナウイルスに感染しないためには、どのような対策方法があるのでしょうか。また、万が一感染してしまった可能性がある場合には、どうするべきなのでしょうか。

新型コロナウイルスの感染経路

現時点では、新型コロナウイルスの感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」の2つが考えられています。

飛沫感染とは、感染している人の咳やくしゃみなどと一緒にウイルスが空気中に広がり、それを近くにいた人が取り込んでしまうことで感染が広がることです。屋内などの密閉された環境に長時間滞在すると、この飛沫感染のリスクが高まります。

接触感染とは、感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で他のものに触れることにより、後からそれに触れた人がウイルスをキャッチしてしまうことを指します。

そのためこの接触感染においては、元の感染者と直接的なかかわりがなかったとしても、感染のリスクがあります。

新型コロナウイルスへの効果的な対策

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための効果的な対策としてまず挙げられるのは、基本的な体調管理、手洗いうがい、アルコール消毒、十分な睡眠などです。

ウイルスはアルコールで除菌することで死滅する上、手洗いを習慣的に行うことで、自分の体内にウイルスが入ることを防ぎます。また、栄養のある食事を心がけ、十分な睡眠をとることで、ウイルスに負けない強い身体を作っておくことも重要です。

そのほか、「3密」と呼ばれる、「密閉空間」「密集場所」「密接場面」を避け、他者との距離を十分とって過ごす必要があります。

もし感染してしまったら

では、このような対策をとっていても、万が一新型コロナウイルスに感染してしまったら、どのような対策をとればよいのでしょうか。

新型コロナウイルスに感染したと思しき症状がみられた場合、受診目的以外では外に出ず、訪問者の受け入れも断ります。症状を医師に告げて電話で相談し、指定の医療機関で受診します。また、意識的にペットには触れないようにします。さらに、数日間の濃厚接触者のリストを残しておく必要があります。

家族と同居している場合は、家族への感染を広めないよう、咳やくしゃみのエチケットに気をつけ、同居している人もこまめに手洗いをする必要があります。

体調の回復が見られても、2週間は職場や学校に行ってはいけないことになっています。

各機関の新型コロナウイルスへの対応事例

今回の新型コロナウイルス感染拡大をめぐり、各機関で様々な対応が行われました。特に「ウィズコロナ」だけでなく収束後のポストコロナにも受け継がれるような、特筆すべき対応事例も生まれています。ここでは各機関の対応事例の一部を紹介します。

千葉市の対応

千葉県千葉市では、今回の新型コロナウイルスによってあらゆる活動が制限された中でも、十分な社会・経済活動が維持できるような体制づくりを進める「ちばしチェンジ宣言!」が発表されました。

現状、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるためには、個人の外出を控え、他人との交流を極力控えることが重要となっています。

そこで千葉市では、市役所に行かなくてもオンラインで手続きができる環境をいち早く整えるなど、「外出できない」ことで市民が不便を感じないようにするための改革が迅速に進められています。

また、学校の一斉休校などを受け、子どもたちやその親が「学びに遅れが出ることへの不安」を感じることがないよう、リモートなどの手段を用いて、休校中の生徒への学習支援体制の整備を進めています。

これらの対応は、不測の事態に見舞われても、しなやかに対応していける力強さを発揮していきたいという、ポストコロナ」にも引き継がれる千葉市のレガシーと言えます。

企業の対応

企業においても、不要不急の外出を避けるために、在宅勤務を進める動きが強まっています。会議はスカイプなどのオンライン通話の媒体を利用し、作業は自宅から進めていけるような体制の構築が行われています。

例として、帝国ホテルでは、訪日外国人観光客の激減により打撃を受けながらも、衛生面に配慮した営業を徹底し、利用者が安心して宿泊できるような環境作りを進めています。

また4月10日には「緊急事態措置」として、東京都内の遊興施設、運動施設、商業施設等に休業要請が出されました。その他、神奈川県や埼玉県、千葉県も都に付随し、首都圏全体で休業要請が行われることとなります(2020年4月12日現在)。

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教育機関の対応

新型コロナウイルスに関する対応が行われているのはビジネスの場だけではありません。

全国の小中学校と高校、特別支援学校の多くは、休校要請が出された3月2日以降、現在も引き続き休校措置をとっています。春休み明けに再開するとしていた自治体も、緊急事態宣言の発令や感染者数の増加を受けて、取り止めとしたところが多かったようです。

一方、大学などでは個々により柔軟な対応がとられています。

例えば、早稲田大学では4月6日としていた新年度の授業開始を一旦同20日に延期、さらに5月11日まで再度延期しました。他にも多くの大学が開始時期を遅らせたり、オンライン授業を行うための準備に取り組み始めています。

新型コロナウイルス収束に向けてできることを

新型コロナウイルスについて様々な憶測が飛び交う中、「ウィズコロナ」を生きる私たちに最も大切なことは、ウイルスについて正しく理解し、過度に恐れたり誤った情報に踊らされることなく、対策を継続していくことです。

一人ひとりの予防が、クラスター感染や感染爆発を生まずに感染の収束を早める上で、非常に重要なポイントです。また、正しい知識を身に着けることは、新型コロナウイルスに関する差別や偏見を生まないことにもつながります。

千葉市の例に挙げられるような、新型コロナウイルスに関する一連の対策活動や新しいシステム導入は、「プレコロナ」では意識されなかった問題点を明確し、体制改善のきっかけになったといえます。

そして、コロナ収束後の「ポストコロナ」の時代にはこれらの教訓を活かせるような体制・システムの見直し、再構築が進められていくことが求められます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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