中国人観光客の減った京都、日本人にとっては観光のチャンス?コロナ禍切り抜ける取り組みも

京都は日本を代表する観光地の一つです。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて、中国人をはじめとする多くの訪日外国人が減少し、京都の観光地は閑散としています。

一方で、訪日外国人は減少したものの、日本人の観光客は増加する現象も起きました。

この記事では、中国人観光客が激減した京都の様子や、地元の観光業界の取り組みを紹介します。

観光地としての京都:訪日外国人観光客にも大人気

日本の代表的な観光地の一つに「京都」は必ず挙がる日本の名所の一つといえるでしょう。

長い歴史を感じさせる街並みや、四季によって異なる美しさを見せる京都は、日本人だけでなく世界中の人を惹きつける魅力をもっています。

かつての日本の首都であり、世界遺産を含む歴史的建造物や美しい景観が多く残されている京都は、訪日外国人に人気の観光先として1位、2位を争います。

京都を訪れる外国人は、中国、韓国、台湾などの近隣諸国に限らず、欧米や東南アジア圏からも多く、絶大な人気を誇ります。

観光庁による訪日外国人消費動向調査では、2019年に観光目的で日本を訪れた外国人の京都訪問率は32.8%で、東京、千葉に続く第3位でした。

2019年に京都府へ訪れた訪日外国人数は約753万人でした。そのうち約30%は中国人が占めています。

京都で外国人に人気の観光地トップ10

日本屈指の観光地である京都は、古い寺社が多く歴史的な町並みを見られることから、訪日外国人にも人気の観光地です。しかし年間740万人もの外国人観光客が訪れる京都では、近年オーバーツーリズムといわれる観光公害が問題となっています。訪日外国人の満足度97%を誇る京都で今何が起こっているのでしょうか?この記事では、訪日外国人に人気の京都観光スポットランキングと、観光公害について解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け...

京都の観光客動向に変化、新型コロナ流行で日本人観光客「増加」

新型コロナウイルスの世界的感染拡大は、日本の一大観光地である京都にも大きな影響をもたらしました。

普段は世界中からの観光客で溢れる京都ですが、新型コロナウイルス感染拡大後は、訪日外国人数が激減しました。

減ってしまった中国人観光客

2020年1月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国政府は自国民の海外団体旅行を禁止、その翌日28日から、京都府内では観光客数が激減しました。

中国人の観光客が訪日外国人の約30%を占める京都では、「中国人頼み」の経営を行っていた経営者も多く、歩けば肩と肩がぶつかるのが当たり前であった京都の街の変わり様に、関係者の多くが不安を抱きました。

日本人観光客が増加

ところが緊急事態宣言が発令される前まで、中国観光客が減った京都では日本人の観光客が増加するという現象が起きました。SNSには京都の有名観光地で多くの日本人が観光を楽しんでいる写真が載せられています。

実は京都の観光産業は中国人観光客に支えられていた一方で、一部の中国人のマナーの悪さや、地元の人の日常生活をも妨げる人の多さは、一種の「観光公害」とも考えられていました。

こういった京都の状況を敬遠して京都を訪れなかった日本人もいたことがわかります。

新型コロナウイルスの影響で中国からの団体観光客が減ると、人混みを気にせず落ち着いて京都を楽しめるといった考えが広まり、日本人観光客が京都を訪れるようになりました。

「スイてます嵐山」「人間よりサルの方が多いとか、久しぶり」などの地元からの自虐的なPRも大きな話題となり、日本人が「今がチャンス」と考える契機となりました。

観光公害から住民を救う?政府が本腰入れる「マナー啓発動画」の準備&持続性可能性を視野に入れた評価指標

世界中で問題となっているオーバーツーリズムの波が、今日本にも押し寄せてきています。2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、日本では今後さらなるインバウンド需要の高まりが予想されます。そこで政府は、9月にもオーバーツーリズム対策の一環として、訪日外国人観光客向けのマナー啓発動画を公開する方針です。来年3月末までには、混雑やマナー違反といった観光地を評価する指標を作成します。今回は、政府による外国語のマナー啓発動画と新たな指標について、現在の日本と世界のオーバーツーリズム例...

GW中の京都は閑散、自粛要請

2019年4月7日、日本でも各国に遅れて緊急事態宣言が発令されました。

4月25日から始まったゴールデンウィークでも、日本政府からの外出や移動の自粛要請を受けて、多くの日本人が旅行や帰省をとりやめました。

例年はゴールデンウィークの時期に帰省する人も加わり多くの観光客で賑わう京都ですが、今年のゴールデンウイークは京都駅や嵐山などの各観光地への旅行者が大幅に減少しました。

普段であれば、ゴールデンウイーク中は大勢の人が押し寄せる世界文化遺産の清水寺でも閑散としており、清水坂に軒を連ねる土産物屋のシャッターも下ろされました。

コロナ禍で京都観光を支える取り組み

新型コロナウイルスの感染拡大により観光客が大幅に減少した京都では、小規模旅館や飲食店などが経営難に陥る事態が相次いでいます。

新型コロナウイルスが収束するまで企業が廃業を免れるように、京都市では支援体制が整備されました。

新型コロナウイルス影響下で生き残るための各組織の取り組みについて紹介します。

1. 緊急支援助成金制度を創設

公益社団法人京都市観光協会(DMO KYOTO)は、日本政府が緊急事態宣言を発令する前から京都市の協力を得て、観光事業者の支援に取り組んでいました。

そのうちの一つが、同協会の会員を対象に、3月18日に創設した緊急支援助成金制度です。この制度は観光施設での感染拡大を防止するための消毒や衛生管理費用、業績を回復させるためのプロモーションや新規販路開拓にかかる経費を事業者あたり20万円を上限に、3分の2助成する制度です。

2. 観光事業者向けオンライン研修の実施

京都市観光協会は、3月25日から観光事業者向けの無料オンラインセミナーも開催しています。

このオンラインセミナーでは、「観光客減少期対策研修」「経営コンサルタントによる事業継続計画(BCP)研修」などのテーマが予定されています。

観光客が激減した今の京都で事業を継続していくためのコンテンツや、「google マイビジネスで検索数をアップさせるデジタル活用研修」「世界遺産や仏像など京都観光知識研修」「英語・中国語のネイティブ講師による接客会話研修」など、各事業者がスキルアップし事業を拡大させていくためのコンテンツが取り揃えられています。

このオンライン研修は、現在休業中で店舗に行くことができない経営者や従業員でも自宅から受講することができます。

Googleマイビジネス登録|活用方法とメリット・注意点を徹底解説

Googleマイビジネス(グーグルマイビジネス)とは、Google検索やGoogle マップなどのGoogleが提供するサービス上に店舗や企業のビジネス情報を表示し、管理できるツールです。無料で登録・利用でき、Googleの検索ユーザーを集客する仕組みとして人気を集めています。Googleマイビジネスをどのように利用すれば、インターネット上での集客ができるのでしょうか。この記事ではGoogleマイビジネスの概要、基本機能、登録方法と利用する上でのメリットや注意点について、SNSやホームペー...


3. 京都の魅力を動画で配信

京都市観光協会は、4月26日「Stay Home, Feel Kyoto」と題し、日本語での京都観光情報サイトの「京都観光Navi」、外国人向けた英語での京都観光情報サイト「Kyoto City Official Travel Guide」で、動画の配信を開始しました。

これは外出自粛要請の中、京都に行くことはできなくても家で京都の魅力を感じてもらうことを目的としています。

動画は日本語版、英語版の2パターンを用意し、自宅で座禅を行う方法の紹介や、京都の歴史や文化について学べるコンテンツを揃えています。

さらに、テレワークの普及により一般的となったビデオ通話システムの背景に、京都の観光地にちなんだ画像素材も提供しています。

同協会はYouTubeチャンネルも解説し、京都の観光業関係者から世界に向けたメッセージを発信しています。

インバウンド市場の回復待つ京都、日本人が盛り上げる

新型コロナウイルス感染拡大が、日本を代表する観光地である京都にもたらした変化について紹介しました。京都は、世界的にも有名な観光都市であり、毎年各国から多くの観光客が訪れます。

訪日外国人のうち30%は訪日中国人が占めており、新型コロナウイルスの発生元である中国からの観光客が激減した京都は近年では見られないほど人がまばらとなっています。

この「人が少ない京都」をチャンスとしてとらえ、敢えてこの時期に京都に観光にくる日本人客も増加する現象も見られました。

海外からの観光客や、大勢の観光客を呼び込めないいま、観光業は新たなビジネスモデルを確立することで、今後の観光公害を解消するためのヒントも見つけ出すことができるのかもしれません。

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!