京都で外国人に人気の観光地トップ10 | 観光公害「オーバーツーリズム」問題も

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日本屈指の観光地である京都は、古い寺社が多く歴史的な町並みを見られることから、訪日外国人にも人気の観光地です。しかし年間740万人もの外国人観光客が訪れる京都では、近年オーバーツーリズムといわれる観光公害が問題となっています。訪日外国人満足度97%を誇る京都で今何が起こっているのでしょうか?

この記事では、訪日外国人に人気の京都観光スポットランキングと、観光公害について解説します。

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京都を訪れた外国人観光客の満足度は97%

京都市は2018年8月21日に、2017年の「京都観光総合調査」を発表しました。これは、京都観光における観光客数の推移、観光客の満足度、外国人観光客の動向などを把握する目的で京都市が毎年行っているものです。

これによると、2017年に京都を訪れた外国人観光客の満足度はとても高く、「大変満足」と「満足」が合わせて約9割という結果でした。

京都観光総合調査には複数の項目がありますが、その中でも「京都にまた来たいか」という再来訪意向の問いに対しては、半数以上の訪日外国人が「大変そう思う」と回答しています。「大変そう思う」「そう思う」「ややそう思う」の回答を合わせると、93.5%訪日外国人観光客「また京都を訪れたい」と感じていることがわかりました。

残念だったこと1位「時間が足りなかった」

京都観光において残念だったことがあったと回答した訪日外国人15.6%でした。

残念だったことの1位は「時間が足りなかった(26.8%)」、2位は「電車・バスなどの公共交通(14.2%)」、3位は「寺院・神社,名所・旧跡(12.0%)」という結果でした。意外にも観光地そのものへの不満は少ないことがわかります。

京都で外国人に人気の観光地ランキングトップ10

京都は、実際に訪れた外国人観光客が「また来たい」と思える満足度の高い観光地であり、世界の中でも常に「訪れたい都市」の上位にランクインするほど外国人に人気の場所です。トリップアドバイザーでも、日本の人気観光地の第1位に伏見稲荷大社が5年連続で選ばれています。

では、京都市の調査をもとに、京都で訪日外国人に人気の観光地をランキング形式で見ていきましょう。

1. 清水寺

1994年にユネスコ世界文化遺産古都京都の文化財のひとつとして登録された音羽山清水寺は、約1200年前の778年に開創されました。「清水の舞台から飛び降りる」ということわざの由来にもなった、本堂の前面に張り出すように作られた舞台は、清水寺の建造物の中でも特に有名です。

京都観光に来た人の20%が訪れるという清水寺は、桜や紅葉の時期には夜間の特別拝観も行われいつでも観光客で賑わっています。

2. 祇園

祇園といえば、舞妓さんや芸子さんを思い浮かべる人も多いでしょう。スサノヲノミコトが祀られている現在の八坂神社は明治以前に祇園社と呼ばれており、その一帯を祇園と呼ぶようになりました。花見小路通りにはお茶屋さんや料亭が立ち並び、格子戸の建物など昔ながらの京都の風情のある街並みを見ることができます。

伝統芸能や寺社仏閣に触れられるスポットもたくさんあり、日本人観光客だけでなく外国人観光客からの人気も高い場所です。

3. 二条城

二条城は、徳川家康が建造したお城で、1994年にユネスコ世界遺産に登録されました。二の丸御殿庭園は特別名勝に指定され、歩くと「キュッキュ」と鳴るうぐいす張りの廊下を持つ二の丸御殿の6棟は国宝、22棟の建造物と計1016面の二の丸御殿の障壁画が国の重要文化財になっています。

1611年の家康と豊臣秀頼の会見(二条城会見)や1867年の徳川慶喜の大政奉還など、日本の歴史に深くかかわる出来事がこの二条城で行われました。

4. 伏見稲荷大社

942(天慶5)年に最高位である正一位の神階を授かった、全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮が伏見稲荷大社です。トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2018」で全国1位に選ばれるなど、京都でも訪れる人が多い観光地です。

東山三十六峰の最南端に位置する稲荷山には、赤い鳥居が3000本以上あるといわれ、途中に京都市内が一望できるスポットもある4kmに及ぶ巡拝コース「お山めぐり」も有名です。千本鳥居は外国人観光客にも人気で、常に多くの人で賑わっています。

5. 金閣寺

日本を代表する名勝でもある金閣寺の正式名称は、足利義満の法号から付けられた鹿苑寺(ろくおんじ)です。金閣寺と呼ばれる由来となった舎人殿(金閣)は内外に金箔を貼った豪華な建築で、寝殿造の法水院(ほうすいいん)、武家造の潮音洞(ちょうおんどう)、禅宗仏殿造の究竟頂(くっきょうちょう)と作りの違う3層からなる珍しい造りとなっています。

四季折々の美しさを見せる金閣寺は、トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2018」で全国8位に選ばれた、京都では外せない観光地の1つです。1994年にユネスコの世界遺産に登録されました。

6. 嵐山・嵯峨野

嵐山は、桜や紅葉の名所としても知られる京都屈指の人気観光地です。大堰川にかかる渡月橋を中心とした周辺一帯を嵐山、嵐山の奥は嵯峨野と呼び、保津川下りやトロッコ列車、嵐山もみじ祭りなどが有名です。

「曹源池(そうげんち)」と名づけられた池泉回遊式庭園を持つ世界遺産の天龍寺や、昇龍苑、竹林の道など見どころがたくさんあり、食べ歩きなどの楽しみもあります。

7. 京都駅周辺

京都駅を出るとすぐに目に入るのが、京都駅周辺のシンボルでもある京都タワーです。京都タワーには展望台やレストラン、大浴場もあり、意外と楽しめるスポットとなっています。

京都駅周辺には、平成28年に大改修が終わった東本願寺、ユネスコの世界遺産に登録されている西本願寺、女性に関するご利益の高い市比賣(いちひめ)神社など、歩いて観光できる場所が多くあります。

8. 錦市場

「京都の台所」とも呼ばれている錦市場は魚市場として始まり、約400mのアーケードに約130の店舗が並びます。

京都市の中心部を東西に走る錦小路通にある商店街は、近年「食べ歩きの観光スポット」として人気になっています。魚や京野菜はもちろんのこと、漬物やおばんざい、スイーツや雑貨など、さまざまな物が売られています。

9. ギオンコーナー

弥栄会館祇園コーナーは、京舞、茶道、華道、箏曲、雅楽、狂言、文楽の鑑賞を楽しめる京都市東山区の劇場です。約1時間で7つの伝統芸能が鑑賞できる手軽さから、国内外の観光客に人気の観光スポットです。

日本語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、繁体字、簡体字、韓国語、タイ語の12カ国語対応のホームページや無料Wi-Fiの設置など、積極的なインバウンド対策を行っています。

日本に来たならやっぱり【京都×舞妓】訪日外国人が1時間2,500円で7つの伝統芸能を漫喫、気軽に体験「ギオンコーナー」

祇園(ぎおん)は京都市東山区にある、京都の代表的な繁華街の名前です。八坂神社で行われる「祇園祭り」は京都の夏の風物詩で、7月1日から約1か月間という長い期間で行われる祭です。ただし、祇園祭という名称は、八坂神社の祭神を祀る各地の社寺祭礼の名称として使われていたり、単に夏祭りの名称としても使われており、全国各地に存在します。 京都の祇園祭の中では、様々な古典芸能が上演されます。こうした伝統芸能を、外国人でも気軽に鑑賞、体験できるようにという目的で上演しているのが、京都の「弥生会館」...

10.銀閣寺

銀閣寺として知られる慈照寺は、金閣寺と同じ臨済宗相国寺派に属する寺院です。室町時代後期に栄えた東山文化を代表する建築と庭園を有し、ユネスコの世界遺産にも登録されています。金箔の貼られた金閣と違い、銀閣には銀は貼られていません。

銀閣寺参道にある「哲学の道」は日本の道100選にも選ばれた京都で最も人気のある散策道です。桜の季節や紅葉の季節には多くの観光客で賑わいます。

▲[訪日外国人の訪問地トップ25(京都市観光総合調査)]:京都市HPより引用
▲[訪日外国人の訪問地トップ25(京都市観光総合調査)]:京都市HPより引用


京都で起きている観光公害「オーバーツーリズム」

近年問題となっている観光公害オーバーツーリズムは京都でも大きな問題です。オーバーツーリズムとは、観光客が増え過ぎたことで地元住民の日常生活に支障が出る現象のことを指します。

例えば、日常の足である電車やバスなどの公共交通機関が観光客が多くて利用できないことや、ポイ捨ての増加、住宅密集地での民泊の騒音問題などさまざまなものがあります。

そのなかでも京都で表面化しているのが「看板公害」です。看板公害とは看板が増えすぎることで街の景観が壊れることで、現在京都の観光名所や由緒正しい神社仏閣などは、道順やトイレの場所などを案内する看板撮影禁止・立ち入り禁止などの注意を促す看板であふれています。

歴史と風情のある街並みが魅力の京都では、以前から看板公害が問題となっていましたが、訪日外国人が急増している昨今では、多言語化などでさらに看板が増えることが懸念されています。

また、立ち入り禁止の場所に堂々と入っていく外国人観光客や、木造建築物の軒先での喫煙・飲食などのマナー違反は後を絶ちません。舞妓さんをスト-カーのように追いかけ回して写真を撮る「パパラッチ観光客」世界遺産周辺のゴミ問題など、オーバーツーリズムによる被害は大きくなっています。

看板で注意や案内を呼びかけるだけでは限界があり、より強硬なマナー対策が望まれます。

外国人多すぎて困った→周りの観光地に分散だ!

京都市および京都市観光協会はVisaやVoyaginと連携し、伏見や大原などの隠れた周辺観光スポットにおける体験型メニューの開発に着手すると、2018年12月に発表しました。京都市は近年、訪日客による混雑で観光公害「オーバーツーリズム」に悩まされていることから、混雑緩和による観光客の満足度向上などを目指します。連携までの背景やインバウンドのコト消費需要を満たす体験サービス内容をふまえ、京都市のオーバーツーリズム対策を見ていきましょう。 インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のイ...

「看板公害」の実情、訪日外国人向け多言語表示による京都の「景観ブチ壊し」

急激な訪日外国人観光客の増加によるオーバーツーリズム問題が取り上げられている京都で、現在もう1つの公害「看板公害」が問題になっています。インバウンド対策として、街のいたるところで見受けられるようになった看板が加速させる「看板公害」の背景と現状をふまえ、訪日客のマナー対策の課題について見ていきましょう。 [com_category_dl_btn name="インバウンドコンサル(総合)" slug="consulting"] [cta_toc_upper_banner] 目次 京都で...

観光客と地元民が共存できる街づくり

京都は世界に誇る日本の代表的な観光地です。インバウンド対策の成果で、訪日外国人観光客の増加を実現していることは喜ばしいことです。一方で、地元住民の生活に支障が出るほどの観光業優先が無条件に肯定されるものかというと、そうではないはずです。

訪日外国人の満足度が高く、世界的にも観光地として人気のある都市なので、中心部から観光客を分散させるツアーの企画やマナー対策などに力を入れるなど、観光客と地元民が共存できるような街づくりが今まさに求められていると言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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