訪日中国人の「旅マエ」はいつから?期間・情報収集に使うメディア・口コミの重要性を解説

公開日:2020年07月14日

旅マエとは、インバウンドマーケティングで頻繁に使用される用語で、具体的には旅行者が旅行1〜3か月前に、旅行のための下調べをする期間のことを指します。

ひと口に旅マエの下調べといっても、旅行先決定のための情報収集から訪問先での宿や交通機関の手配まで、その内容は多岐に渡ります。旅行代理店、航空会社、宿泊施設の関連会社やWi-FiやSIMを取り扱う通信会社などは、特に旅マエのプロモーションに力を入れることが集客につながるだけに、ユーザーの旅マエ行動の変化には特に注意を向ける必要があります。

そこで本記事では、今、まさに旅マエ状態に置かれているともいえる訪日中国人の旅マエ行動に焦点を当て、効果的なマーケティングのあり方を探ります。


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中国人の「旅マエ」行動:いつから何で調べる?

一般的には旅行の1〜3か月前の期間を指す旅マエですが、訪日中国人の場合、旅行準備のために具体的にいつ頃から動いているのか気になるところです。

そこでまずは、訪日中国人が旅マエ行動を始めるタイミングや、何について調べているのかを具体的に検証します。

いつから行動しているか

2017年に日本政府観光局(JNTO)が実施した調査によると、日本へ観光目的で訪れる中国人の場合、旅行の手配を出発1〜2か月前に行う人が全体の55%を占めていました。

次いで出発の3〜4週間前が14.1%、1〜2週間前が12.9%という結果でした。さらに団体旅行から個人旅行への流れが強まる中、中国人の旅マエ行動は年々旅行直前になる傾向が顕著です。

2015年の調査では、訪日を決定した時期について出発直前から出発の1カ月前と回答した人の割合は全体の23.1%でしたが、わずか1年後の2016年には34.4%まで上昇しています。

最近の中国人はぎりぎりに訪日旅行を計画する:3人に1人は出発1カ月前に訪日することを決定

訪日中国人観光客は日本のインバウンド市場にとって長年メインターゲットとなってきました。2016年には 637万人 もの中国人観光客が日本を訪れました。また、インバウンド消費額という観点でみても中国人観光客のみで 1兆4755億円を日本で支出 しています。これは、2016年のインバウンド消費額のうち 39% を占める額です。近年の訪日中国人の旅行トレンドを示すものとして 「爆買いが終焉に向かいモノ消費からコト消費に向かいつつある」 ということが挙げられます。訪日中国人観光客は、日本にただ単に...

何を利用して調べているか

JTBがまとめた訪日中国人に関するデータによると、訪日中国人の旅マエの情報収集の方法としてもっともポピュラーなのは「旅行口コミサイト・コミュニティサイト」で、66.9%という結果でした。

上位トップ5の項目を見ても、「旅行サイト、宿泊予約サイト、観光情報サイト」(2位・47.5%)、「携帯電話やスマートフォンのアプリ」(4位・44.9%)など、具体的な旅の手配を含め、旅マエの情報の収集はインターネット経由の活用が主流になっていることがわかります。

さらに過去の同様のデータとの比較から、この傾向は今後も拡大していくことが見込まれています。

飲食店やショッピングはあまり「旅マエ」には決めない

情報収集の主流がインターネットにシフトしていることは、旅マエ行動にさまざまな影響を及ぼしています。

フルスピードが行った訪日中国人旅行者街頭アンケートによると、「訪日前に日本に関する情報収集は行わなかった」と回答したのはわずか3.7%でした。

しかし、旅行中に行きたい飲食店をどのタイミングで決めたかという質問に対しては、「旅行中(旅ナカ)」と回答した人が62%を占め、旅マエと回答した21%を大きく引き離しています。

ショッピングで立ち寄る店についても同様の傾向がみられ、旅ナカに決める人の割合は48%、旅マエに調べる人は41%となっています。

旅ナカ派の人が店を決める際のポイントは、飲食店に関しては「たまたま看板を見て」という人の割合が64%、ショッピングの場合には「見たこと、聞いたことのある店」と回答した人が53%であり、旅マエとは異なり、旅ナカでは意外とネットに頼らず、インスピレーションを大切にしていることがわかります。

中国人が「旅マエ」情報収集で重視するポイント

訪日中国人に関する多くの調査結果から、旅マエの情報収集はインターネットが情報源になっている実態が浮かび上がってきました。そこで次に、インターネットを活用する際、どんな点に注目しているのかを検証していきます。

旅行でも口コミを重視する

「中国は口コミ社会だ」といわれますが、数字の上でもそれは実証されています。

Expedia Media Solutionsが実施した「ASIA PACIFIC TRENDS2017」によると、「旅行を予約する際に意思決定プロセスに影響を与えたり影響を与えたりする要因はどれですか?」という質問に対し、「ネット上での家族、友だち」と回答した人の割合が中国では50%でした。

日本ではその割合が15%であり、比較すると中国人は口コミをより重視していることがわかります。

中国でインターネットを使って口コミを拡散するためには、次のような方法が効果的です。

・中国のSNS上に企業公式アカウントを作成して情報発信

インフルエンサーの活用

・インターネット上の口コミサイトを活用

訪日中国人向けメディア

訪日外国人向けメディアを利用する際に意識したいのが、そのメディアは旅マエ、旅ナカ、旅アトのうち、どの部分に役立つものであるのか?ということです。宿泊施設であれば旅行前に知ってもらう必要があるので旅マエ、旅行中に立ち寄って欲しい飲食店なら旅マエ、旅ナカのメディアを利用するなど、自身のビジネスがどのシーンで情報として伝わる

「ブログ」「ビデオ(動画コンテンツ)」を参考にする

インターネットを活用した中国人の旅マエ情報収集方法として、SNSと双璧をなすのがブログと動画コンテンツです。

日本ではブログの情報は玉石混交といった概念が強いためか、旅マエの情報収集の方法としてブログを活用すると回答した人の割合は22%です。

一方、中国においては42%の人が活用していると回答しています。

さらに動画コンテンツに関しては、活用していると回答した日本人が9%であるのに対し、中国人の場合は27%にのぼります。

この結果から、旅マエ情報収集をする訪日中国人に対するアプローチとしては、SNSだけではなく、ブログや動画コンテンツも有効であることがわかります。

旅マエの中国人

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「旅マエ」を抑える!訪日中国人向けメディア

ここまでの検証で、訪日中国人の旅マエ情報収集手段がインターネットが中心であること、さらにSNSだけではなく、動画やブログといったアプローチも有効であることがわかってきました。そこで次に、マーケティングをする上で効果の高い具体的なサイトやアプリについて、検証していきます。

訪日中国人が実際に「旅マエ」に情報を得たサイト・アプリ

中国でもインターネットは盛んに利用されていますが、ネット環境は日本や諸外国とは異なります。そのためJTBの調査によると、中国独自のSNSやアプリが発達しており、旅マエの情報収集で活用されるサイトやアプリに関しては、中国独自で提供されているサービスが上位を占めています。

活用率がもっとも高かったのが、中国最大の検索エンジンサイト百度(バイドゥ)」で52%、次いでTwitterとFacebookの要素を併せ持つ「新浪微博(シンランウェイボー)」50.7%と続き、日本でもおなじみのトリップアドバイザーは36.4%にとどまっています。

そして急激にユーザーを伸ばしているのが中国最大級の旅行口コミ投稿サイト「Mafengwo(馬蜂窩、マーファンウォー)」で、旅マエでの利用者は40.5%に及び、この数字は前回調査時の2017年から10倍近くユーザーを増やしたことを示しています。

訪日中国人向けメディアを選ぶポイント

「Mafengwo」の急激な台頭を見てもわかるように、中国では影響力の高いサイトの移り変わりも激しいのが特徴です。旅マエ情報収集対策として影響力のあるサイトを選ぶためには、次の3つがポイントです。

・国際的な認知度より、中国社会の中で認知度の高さをチェック

・コンテンツの内容やユーザーが訪日向けであり、さらに自社のアピールポイントと合致しているか

・高いPVを確保し、さらに伸び率も高いか

特にサイト広告を打つ際には、上記のような点を事前にリサーチする必要があります。

訪日中国人向けメディア3選

日本向けの情報に特化している点や、PVの高さなどを勘案し、訪日中国人の旅マエ情報収集のマーケティング対策におすすめのメディアは次の3つです。

1. 去日本(GoJapan)

日本旅行にに特化した訪日中国人旅行客向けアプリ。観光情報からホテル・レストランの予約、ビザ申請までワンストップで解決できるのが特徴。

2. 馬蜂窩(Mafengwo:マーファンウォー)

馬蜂窩は、特に個人旅行(FIT)の訪日中国人の利用者多い中国最大級の旅行口コミ投稿サイト。ダウンロード数7.6億以上、ユニークユーザーも1.3億人で訪日中国人の80%以上が利用し、旅行予約もできる機能性を備えています。

3. 大衆点評(たいしゅうてんぴょう)

日本の「食べログ」や「ホットペッパー」のようなメディアで、店舗の紹介以外にも割引クーポンの配信も行っているのが人気のポイント。掲載情報の多さも強みで、全世界を対象に、掲載店舗数は3,000万件以上にのぼります。

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訪日中国人は「出発2か月~直前」にインターネットで情報収集をしている

ここまでの分析をまとめると、訪日中国人の旅マエ行動について、以下のような特徴があることがわかります。

旅マエの情報収集は出発2か月~直前に行う人が多い

・情報収集はインターネット経由がメイン

・飲食店やショッピングで立ち寄る店は、その場で決めることも多い

・口コミが大きな影響力を持つ

・中国独自のサイトを利用するケースが多い

これらの特徴から、訪日中国人の取り込みのための効果的なマーケティング展開には、中国特有のネット環境、中国人の国民性などを事前に十分にリサーチする必要があることがわかります。中国におけるマーケティングでは、日本での手法をそのまま適用するのではなく、丁寧にローカライズして対応することが必要不可欠だといえます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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