「観光ビジョン実現プログラム2020」発表の観光庁、訪日外国人旅行者数の目標は「2030年に6,000万人」

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7月14日、観光庁は「観光ビジョン実現プログラム2020」を発表しました。このプログラムは、昨年8月から6月にかけて計6回開催された「観光戦略実行推進会議」を参考に、政府の今後1年を目途とした行動計画を示したものです。

観光庁はこのプログラムの発表に合わせて、今後も新型コロナウイルスの感染状況を常に把握しつつ、日本人国内旅行とインバウンドの両方で観光立国の実現を目指していくことが求められると提示しています。

その実現に向け、今回のプログラムでは国内の観光需要の回復やインバウンド促進のための具体的な施策が紹介されています。

本記事では「観光ビジョン実現プログラム2020」の内容を踏まえて、コロナ禍において取り組むべき施策について解説します。

《注目ポイント》

  1. インバウンド誘客は各国の感染状況を考慮しつつ再開
  2. 客足が回復するまでの期間で受け入れ整備を推進
  3. インバウンド市場の今後について「2030年6,000万人の目標は十分達成可能」

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「観光ビジョン実現プログラム2020」とは

「観光ビジョン実現プログラム2020」とは、新型コロナウイルスの感染状況に留意しながらも、日本人国内旅行とインバウンドの両方で観光立国の実現を目指していくために、政府の今後1年を目途とした行動計画を示したものです。

経済成長と地方創生を実現すべく、政府は2016年3月に「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。

このビジョンに基づき、延べ訪日外国人客数を2020年に4,000万人、2030年には6,000万人とする到達目標を掲げ、インバウンド需要の拡大に向けたさまざまな取り組みを進めてきました。その結果、2019年には訪日外国人客数が3,188万人にのぼり、2020年の到達目標達成が期待されていました。

2020年に入り世界各地で感染が拡大した新型コロナウイルスの影響によって目標の達成は難しくなったものの、観光立国の実現に向けて、まずは日本人国内旅行の需要を回復し、インバウンドの誘致や拡大を図ることが求められます。

そこで政府が示したものが、今後1年を目途とした行動計画であるこのプログラムです。

今回策定されたプログラムは、2部構成となっています。1点目が日本人国内旅行の需要回復に向けた「国内の観光需要の回復と観光関連産業の体質強化」、2点目が中長期的なインバウンドの誘致や拡大に向けた「インバウンド促進に向け引き続き取り組む施策」です。

1.国内の観光需要の回復と観光関連産業の体質強化

新型コロナウイルスの感染拡大によって観光業界は深刻な影響を受けており、まずは雇用の維持・事業の継続にむけた支援が重要となります。

そこで観光庁は、感染状況に留意しつつ国内の観光需要回復に向けた喚起策を講じた上で、感染が収束しつつある国・地域からインバウンドの回復を図るということです。

プログラムではこの方針の実現に向け、持続化給付金や家賃支援給付金などによる「雇用の維持と事業の継続に対する支援」が具体的な施策として挙げられています。また、滞在コンテンツの拡充・安心安全を示す感染拡大予防ガイドラインの実施徹底などによる「反転攻勢に転じるための基盤の整備」にも取り組むとしています。

そのほかにも、「Go To トラベル事業」の実施などによる「国内旅行の需要喚起」や日本政府観光局による海外プロモーションの推進などによる「インバウンドの回復」が計画内容として提示されています。

観光ビジョン実現プログラム2020:国内の観光需要の回復と観光関連産業の体質強化
▲[「観光ビジョン実現プログラム2020」の概要]:観光庁

2.インバウンド促進に向け引き続き取り組む施策

観光庁は、インバウンドの再開に向けて国内外の感染の状況を常に把握しながら、これまでに進めてきた訪日外国人観光客の受け入れ環境の整備やインバウンドの誘客に向けたコンテンツの拡充に引き続き取り組んでいくとしています。

プログラムではこの方針の実現に向け、多言語解説やWi-Fiの整備、コト消費のニーズに応える体験型アクティビティの拡充などが具体的な施策として挙げられています。また、多くの訪日外国人観光客が訪日理由にも挙げるスノーリゾートの世界水準での整備にも取り組むということです。

観光ビジョン実現プログラム2020:インバウンド促進に向け引き続き取り組む施策
▲[「観光ビジョン実現プログラム2020」の概要]:観光庁

「2030年に6,000万人は達成可能」インバウンド立て直しへ

新型コロナウイルスの世界各地での感染拡大によって、観光業界は厳しい状況に直面しています。

しかし、これまで国内外を問わずに観光客を魅了してきた自然や日本食、伝統文化、芸術、風俗習慣、歴史などの観光資源が失われたわけではありません。また、これまでに取り組んできた受け入れ環境の整備や新旧のコンテンツの拡充などの施策は確実に効果をもたらしているといえるでしょう。

2019年には訪日外国人客数が3,188万人にのぼり7年連続で過去最高を更新したことからも、今後のインバウンド市場の拡大には期待が持てます。今回のプログラムでも、2030年に6,000万人の到達目標は十分達成可能であると提示されています。

新型コロナウイルスの収束には長い時間を要しますが、観光庁は、各国・地域との人的交流が再開するまでの時間を活用して、今回のプログラムで示した施策に戦略的に取り組むとしています。

また、各国・地域ごとの感染状況に常に留意しながら、誘客可能となった国・地域では、航空便の復活と合わせて速やかに航空会社と連携した訪日プロモーションを開始するということです。

最終的な目標である観光立国の実現のためには、日本人の国内旅行における感染拡大防止策への取り組みや、日本での旅行に対する「安心・安全」なイメージの発信が求められるといえるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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