ライブコマースとは | 中国で話題の動画通販・出店型ライブ

公開日:2020年08月04日

今日、「ライブコマース」と呼ばれるインターネットを利用したライブ配信による販路が注目を集めています。

リアルタイムで顧客と直接コミュニケーションが取れるうえに、動画プロモーションにより画像や文字だけでは伝わらない商品細部まで紹介することが可能であり、顧客の購買意欲向上につながります。

本記事では、インバウンド集客にも有効性が期待できるライブコマース導入におけるメリットやデメリット、ライブコマース市場が大きく発達している中国のプラットフォームについて解説します。

ライブコマースとは

ライブコマースとは、誰もが商品レビューなどを動画として配信できる、ライブ動画を活用したECサービスを指します。

リアルタイムでの直接的なコミュニケーションにより、顧客に同じ価値体験を共有することが可能なライブ配信を活用することで、より訴求力の高い情報発信が可能となり購買意欲向上が期待できます。

本項では、さまざまな分野に応用が進んでいる日本におけるライブコマースの活用について解説します。

日本ではInstagramの活用が主流

ライブ動画により商品販売を目指すライブコマースは、日本においては楽天市場やYahoo!ショッピングなどの大手ECモールの他、今日ではInstagramでの活用も盛んに行われています。

Instagramのライブ機能を用い、フォロワーからの質問に答えるなどライブ配信中相互にコミュニケーションを取りながら商品を紹介、配信後はECサイトなどへの導入を促すことで、販路拡大と認知度向上につながります。

また、アンケート機能の活用によりマーケティングも可能であり、商品やサービスに関するアンケートを実施し、その結果を後にストーリーズで投稿することにより、収集した情報のさらなる利活用に有効です。

このようなInstagramでを最大限に活用したライブコマースは、知名度のあるインフルエンサーや有名人とのコラボレーションにより、さらに大きな効果を発揮します。

インフルエンサーをライブコマースでも活用

上述のように、SNSで多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーを、ライブコマースで利用するケースが今日目立っています。

インフルエンサーは企業から依頼を受けて製品やサービスを利用し、実際の感想やメリットをSNS上で発信することにより、多数のフォロワーへ情報を拡散する広告塔としての役割を担っています。

ライブコマース先進国である中国では、「淘宝(タオバオ)ライブの女王」の異名を持ち、これまでに数々の記録を打ち立ててきたカリスマインフルエンサー「viya(薇娅)」が、2020年に入り4,000万元(約6億1,000万円)のロケットの販売に成功しました。

インフルエンサーによる販促効果は高く、また口コミ効果によりさらに多くの顧客へ訴求することも可能であるため、このライブコマースを活用した「インフルエンサーマーケティング」は、新たな販促手段として注目を集めています。

ライブコマースのメリット・デメリット

ライブコマース市場が現在拡大の一途を辿っており、インフルエンサーの起用により高い収益をあげる企業も出てきているものの、デメリットも存在します。

デメリットを理解しておくことで、自社に適しているかどうかの適切な判断が可能になり、安全にライブコマースを進めることにつながります。

本項では、ライブコマースに関するメリットとデメリットについて解説します。

ライブコマースのメリット

ライブコマースのメリットは大きく分けて、「顧客への不安の対処」「同時視聴による販促効果」の2つが挙げられます。

リアルタイムで顧客と直接コミュニケーションが取れるライブコマースは、その場で疑問点や不安項目などを質問によって解消できるほか、画像や文字だけでは伝わり切らない商品細部やポイントについても訴求が可能です。

そのため、顧客のニーズをより詳細に把握でき、顧客に寄り添った商品プロモーションの展開により購買ハードルを下げる効果が期待できます。

さらに、ライブ配信はリアルタイムで進行するため、他の視聴者のコメントなどがタイムラインで流れてきます。その際に、他の視聴者が購買を宣言するなどの動きがあると、自分もつられて購入意欲が湧いてくる「バンドワゴン効果」が働き、購入という意思決定をする顧客の増加につながります。

例えるのであれば、実店舗における「行列ができているから並ぶ」と同じ現象が、ライブコマースでも実現可能であるといえるでしょう。

ライブコマースのデメリット

このようにメリットも多く存在するライブコマースですが、「配信コストが大きい」「持続的なコミュニケーションが必要」「インフルエンサーによる売上の差異」「離脱の少ない魅力的なコンテンツの提供」というデメリットも挙げられます。

ライブ配信の実施にあたっては機材などの準備が必要であり、コストや手間がかかってしまうことは避けられないため、予算の確保が大きな障壁となってきます。

また、ライブコマースといえど単発の実施により大きな売上が見込めるわけではないため、持続的な顧客とのコミュニケーションを模索していく必要があります。

加えて、インフルエンサーの影響力には個人差があり、例え多くのフォロワーを率いているインフルエンサーだとしても、PRを依頼する商品やフォロワーとの親和性によっては売上に結びつかない可能性も存在します。

さらに、配信するコンテンツによっては途中で離脱してしまい、購入にまで至らない場合もあるため、視聴者を最後まで飽きさせない魅力的なコンテンツとすることも、非常に重要です。

代表的な中国のライブコマースプラットフォーム

ライブコマース市場が大きく成長している中国では、ライブコマースに関するプラットフォームが多数リリースされています。

中国の情報メディア「tech node」が2019年12月9日に発表した、2019年における中国のライブコマース市場で多くのシェアを占めた「淘宝直播(Taobao Live/タオバオライブ)」(79%)、「快手(Kuaishou/クアイショウ)」(8%)、「抖音(Douyin/ドウイン)」(13%)について解説します。

淘宝直播(Taobao Live/タオバオライブ)

淘宝直播(タオバオライブ)」は中国大手のアリババが運営しているライブコマースであり、さまざまなヒット商品やインフルエンサーを生み出しているサービスです。

2016年3月からテスト運用を開始し、2019年1月中旬には「淘宝直播(タオバオライブ)」の単独アプリをリリースしています。

比較的新しいサービスであるものの、中国の情報メディア「中小産業研究院」の統計によると、アプリにおける2020年3月の月間アクティブユーザーは375.6万人と、前年比470%増の急成長を遂げています。

また、視聴者の半数以上が1990年代生まれの若者であるという点も、「淘宝直播(タオバオライブ)」を語る上では見逃せないポイントとなっています。

化粧品や日用品、雑貨やベビー、ファッションやグルメ、スポーツなど多岐のジャンルにわたって、コストパフォーマンスの優れた商品展開をしており、毎日5万件以上のライブ配信を行っています。

先述の「Viya」のようなカリスマインフルエンサーを多数輩出するなど、今後も右肩上がりの成長が期待されています。

快手(Kuaishou/クアイショウ)

中国版Instagramとも呼ばれている「快手(クアイショウ)」は、最短7秒・最大57秒の動画を投稿できるアプリです。

世界的に人気を博しているTiktokのように、フィルタを通した美肌や小顔効果、BGMなどの機能も備わっており、誰でも簡単に凝った動画を投稿できることから、2020年3月のアクティブユーザー数は4億4,343万人を誇っています。

そのため、巨大なコミュニティが出来上がっており、「快手(クアイショウ)」運営企業の調査によると、公開されたコンテンツ数は2.5億件に上るほか、ページビューは200億超、いいね数は3,500億件を突破しました。

また、ライブコマースとしての利用価値も非常に大きく、2019年に人気インフルエンサー「散打哥(Sanda brother)」が、中国のネット通販における祭典「ダブルイレブン(または独身の日)」の開催前にライブ中継を行った際、彼が紹介した店舗は、1日にして1億6,000万元(日本円にして約25億8,000万円)の売り上げを記録しました。

簡単な動画投稿からスタートできるため、一般人が商品紹介を開始してインフルエンサーを目指すハードルが低いことも、「快手(クアイショウ)」の大きなポイントといえるでしょう。

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【ユーザー数7億人越え】たった1分の動画(ショートムービー)が中国人に大ウケ!スマホアプリ「快手(Kwai)」をインバウンド集客に生かす方法

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抖音(Douyin/ドウイン)

「抖音(ドウイン)」はTikTokの中国本国オリジナルアプリの名称です。運営企業はTikTok同様、Bytedance(字节跳动)社であり、BGMやフィルタを活用したショートムービーを撮影することが可能です。

中国の情報メディア「QuestMobile」の調査によると、2020年3月のアクティブユーザーは5億1,813万人と前年比14.3%増を記録しており、ユーザー数の多さは中国のライブコマースの中でも「淘宝直播(タオバオライブ)」に次いで2位となっている他、月間利用時間は1,709分(前年比72.5%増)と大幅に増加しています。

今後、「抖音(ドウイン)」がどのように市場シェアを拡大させていくのか、注目が集まっています。

ライブコマースを使って新たな戦略を

今日新たな販促方法として注目を集めるライブコマースでは、日本ではInstagramによる活用が主流を占めているものの、中国ではアリババなど大手企業が参画する一大市場にまで発展しています。

機材や時間などのコストや、持続的な投稿などのデメリットは生じるものの、リアルタイムでの顧客とのコミュニケーションにより詳細なマーケティングが可能になる他、不安や疑問を解消し購入ハードルを下げる効果も期待できます。

インフルエンサーの活用により僅か1日で25億円の売り上げをあげるなど、大きな収益を生み出している中国のライブコマースプラットフォーム「淘宝直播(タオバオライブ)」や「快手(クアイショウ)」、「抖音(ドウイン)」の事例を参照し、アフターコロナとも親和性の高い非接触方法にて販路拡大を図っていくことが重要です。

インバウンド集客にも活用可能であり、伸び代が期待されるライブコマース市場の今後の動向に、注目が集まっています。

<参照>

technode:E-commerce in 2019: Year of the livestreamer

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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