Booking.comが予測する「旅行の未来」 28ヵ国・地域に調査、旅行者の生の声から見えた事実とは

2020年7月、世界最大級の旅行プラットフォームである「Booking.com」が、28の国・地域の計2万934名の旅行者を対象に、オンライン調査を行いました。 

調査の結果をもとに「旅行の未来に関する予測(Future of Travel)」と題したコンテンツが発表されています。 

2020年には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で人々の移動には制限がかかり、旅行のかたちは大きく変容しました。

2021年やアフターコロナの世界では、旅行のトレンドはどう変化していくのか、考察します。

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旅への欲求は継続して強く。旅マエの情報収集加速

新型コロナウイルス感染拡大防止のためのロックダウンの最中、旅行者の65%が、再び旅行するのが楽しみであると回答しました。 

さらに、61%が今までよりも旅行のありがたみを感じており、今後は当たり前だと思わずに貴重な機会として受け止めると回答しています。

ロックダウンによって外に出られなくなってしまったことを契機として、旅行者の中で、旅行に対する価値観の変化が生じていることが分かります。

移動制限の解除後に旅行したいと考えている人は多く、居住国で移動制限が解除された後、12ヶ月間以内にパンデミック前の1年(2019年3月~2020年3月)と同程度の数の国内・海外旅行をする予定だと回答しています。

また旅行者の半分以上にあたる53%が、もっと世界の色々な場所を旅行したい欲求が強くなったと回答しており、 42%が2020年に旅行できなかった分を取り戻したいと答えています。 

ステイホーム期間に家で過ごす時間が増えたことで、外の世界を体験したいという気持ちが高まっているほか、移動制限により簡単に国外へ行けなくなり、海外への憧れも強まっている傾向がうかがえます。 

Booking.comでは、今後予約したい宿泊施設を保存するウィッシュリストのキャンペーンを行っています。2020年3月以降、6,500万件以上のウィッシュリストが作成されており、世界各地で14万5,000もの宿泊施設が保存されています。

2020年に旅行を諦めざるを得なかった人々のために、2021年は旅行業界の活躍が期待されます。

キーワードは「安全」「柔軟性」

パンデミックによって、人々の中では新たな常識が生まれました。今後の旅行において、何が求められるのでしょうか。 

7割の旅行者は健康・衛生ポリシーが確認できない宿泊施設は予約しない

旅行者の感染防止対策への意識は高く、79%の旅行者が旅行する際に新型コロナウイルス対策をさらに積極的に行いたいと回答しています。 

59%は人混みを避けるため一部の目的地を避けて旅行すると回答しており、 70%は観光地におけるソーシャルディスタンス対策を期待すると回答しています。 

宿泊施設を選ぶにあたり、70%の旅行者は健康・衛生に関するポリシーを明示していない宿泊施設は予約しないと回答し、 75%は抗菌・殺菌効果のある製品を用意している宿泊施設を好むと回答しました。

旅行をするにあたって、観光面や宿泊面などすべてにおいて、ウイルス感染予防対策が前提となっていることが分かります。

ソーシャルディスタンスやプライバシー、衛生面の自己管理が改めて重視されるようになり、42%の旅行者が、ホテルよりもバケーションレンタルタイプの宿またはアパートメントに滞在したいと考えるなど、宿泊施設のあり方にも変化があらわれています。

直前に予約が入る可能性高/キャンセルポリシーへの高い透明性が求められる

旅行者の53%は、直前にレストランを予約できる便利なテクノロジーを望んでおり、74%はキャンセルポリシーや返金手続き、旅行保険のオプションに関して、旅行予約プラットフォームに対してより高い透明性を提供してほしいと回答しています。

46%は返金可能な宿泊施設を選ぶことが必須と回答し、36%は追加料金なしで宿泊日程を変更できる柔軟性を望むと回答しました。 

世界中で状況が目まぐるしく変化する中で、キャンセルや延期などに対して受け入れ側の柔軟性が求められ、予約時の判断材料となることが予測されます。

新たなトレンドの誕生

パンデミックを経て、新たなトレンドも生まれています。

働き方の変化でワーケーションがトレンドに

旅行者の52%は、どのような出張でもレジャー時間を確保するために滞在期間を延長したいと回答しました。37%は、気分転換のために滞在先を予約することを、すでに検討したことがあるとも回答しています。

リモートワークの普及によって、働き方の自由度が高くなり、旅先から仕事をする「ワーケーション」という旅のかたちが人気を集めそうです。

アンダーツーリズム、ワーケーション...全て説明できますか?コロナ禍で注目された新しい旅行形態・働き方4選

コロナ禍によって我々の生活は一変し、旅行に何を求めるかといった価値観も変化していきました。そして、観光客を受け入れる側である事業者や自治体もコロナ禍を経たことによって、従来の戦略からの脱却を求められたといえます。本記事では、コロナ禍を経て活発に議論されるようになった旅行形態や、滞在のあり方を表す4つの言葉について改めて整理します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる...


「責任ある観光」で観光地を守る意識が高まる

これまで世界の各地で、オーバーツーリズムが問題視されていましたが、パンデミックによって、そのような観光地に休息が訪れました。

コロナ禍で旅行について考える機会が増えた旅行者は旅行による影響にも敏感になっており、53%の旅行者は、環境や現地のコミュニティへの影響を軽減するために、よりサステイナブルな旅の方法を探すと回答しています。

パンデミック以降、旅行中に出るゴミなどについても意識が高まっており、53%が、移動制限の解除後の旅行で、ゴミの削減やプラスチックのリサイクルについて意欲的であると回答しました。

コロナ後の旅行では、受け入れ側だけでなく旅行をする側の意識の変化も期待できそうです。

コロナ前から「新しい観光」を実践:ハワイと白川郷が取り組む"レスポンシブル・ツーリズム"を解説

レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)は、これまで観光地や観光業者中心で取り組んでいた「サスティナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」に、観光客も主体性や責任意識を持って旅行することを指します。レスポンシブル・ツーリズムは過度な観光客の集中である「オーバーツーリズム」を改善できる手段の一つとして考えられています。また新型コロナウイルスで人の動きが制限されているいま、レスポンシブル・ツーリズムは質の高い観光客を受け入れたい観光地と、安全な観光地を訪れたい観光客両者にメリットがある観光の形...


穴場スポットに関心、人混みは避ける傾向に

2021年以降の旅行では、他の観光客を避けたいと考える人が多く、穴場スポットに関心が集まっています。

そのほかにも、過度に人気が高い観光地を避けたい(63%)、繁忙期を避けたい(51%)、混雑を避けたい(48%)といった理由で、メジャーな旅先を回避したいと考えている旅行者も多くなっています。

Booking.comでは、旅のテーマとして「ハイキング」が94%、「自然」が44%、「リラクゼーション」が33%と人気を集めています。

旅行先で家族とのアクティビティやアウトドアなど、シンプルな体験を楽しみたいと回答した旅行者は69%にのぼり、さらに56%は地方の密を避けた場所で自然を満喫したいと回答しました。 

​また「リラクゼーション」を重視した旅行を望む人が51%と多く、ビーチ旅行(40%)や都市部の旅行(29%)を上回って、もっとも支持を集めました。 

ソーシャルディスタンスのために人混みを避けたいという考えは、観光地にとっても好影響であり、 ゆったり静かに楽しめる旅行がトレンドになると予想されます。 

『Ghost of Tsushima(ゴーストオブツシマ)』に対する海外の反応

長崎県の対馬を舞台にしたPlayStation 4用ゲームソフト『Ghost of Tsushima(ゴーストオブツシマ)』が7月に発売され、世界的に大ヒットしています。実際の対馬をモデルにした美麗なグラフィックや、武士としての矜恃や「誉れ」をテーマに据えたストーリーは海外ファンを魅了し、SNS上で「あの対馬を訪れてみたい」という声が多くあがっています。対馬が新たな聖地巡礼スポットとなる日も近いかもしれません。今回の記事では、『Ghost of Tsushima』ヒットの経緯と、対馬が聖地...


変化するトレンドを掴み、需要に合わせた対策を

人の移動が制限されている中、国内・海外のいずれも、旅行は難しい状況です。

しかし、人々の心の中にある旅行をしたいという意欲はおさまらず、すでに計画を開始している旅行者もいます。 

Withコロナの旅行では、旅行業界において「安全」や「柔軟性」が重要となると考えられます。 

パンデミックにより、世界中で旅行に対するトレンドも変化しており、需要に合わせた対策がより重要になるでしょう。 

観光4大要素に追加すべき「安全・安心」とは?インバウンド復活を成功させる「2つの新条件」

日本国内において新型コロナウイルスの第二波が懸念されている中、政府は入国制限の緩和に慎重な姿勢を示しています。観光目的の渡航に対する制限はもちろんのこと、ビジネス目的でも緩和の合意に至ったのはベトナム一国のみとなっています。6月17日に日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によれば、4月の訪日外国人の数は、前年同月と比べて 99.9%減という衝撃的な減少幅を記録しましたが、これが新型コロナウイルスの流行以前まで回復するにはどのくらいかかるのでしょうか。IATA(国際航空運送協会)は、国際...


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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