ゴルフツーリズムとは:欧米豪を狙うべき理由/三重・北海道・宮崎の取り組みも紹介

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ゴルフツーリズムとは、ゴルフを目的とする旅行スタイルを指します。

日本には2,000以上のゴルフ場があり、世界で2番目にゴルフ場が多い国です。

一方で、国内のゴルフ人口は減少傾向にあり、各地のゴルフ場は国外のゴルフ愛好家や富裕層をターゲットとしたゴルフツーリズムを推進しています。

今回の記事では、ゴルフツーリズムとは何なのか、日本におけるゴルフツーリズムの課題、そして国内外で取り組まれているゴルフツーリズムの事例ついて説明します。

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ゴルフツーリズムとは?

ゴルフツーリズムとは、ゴルフを目的にした旅行客が観光なども楽しむ旅行スタイルのことです。

観光庁が誘致を行ってきたゴルフツーリズムアジア最大の商談会「アジア・ゴルフ・ツーリズム・コンペティション(AGTC)」が2021年4月に宮崎県で開催されることが決まったこともあり、国内で注目を浴びています。

ゴルフツーリズムの定義と市場規模

ゴルフツーリズムとは、ゴルフを目的にして観光をする旅行スタイルでゴルフと観光の融合が実現できます。

日本に数多くあるゴルフ場を海外にアピールし、訪日外国人を増やすインバウンド対策としても注目を集めています。

そして集客において、地域、行政、民間が連携することで地方創生や、ゴルフ関連事業や市場を持続的に成長させることを見込んでいます。

ターゲットとなる参加者の層は、旅先でゴルフを楽しむことを最優先としている観光客や、休暇や出張などに加えて旅先でゴルフも楽しむ観光客、そしてトーナメントなど試合観戦が目的の観光客となります。

また、イギリスのリサーチ会社TechNavioが発表した「Global Golf Tourism Market 2020-2024」によると、世界における2019年のゴルフツーリズムの市場規模は3億3,450万ドル(約350億円)で、2024年は4億1,623万ドル(約436億円)までに成長すると予測されています。

日本のゴルフ市場が抱える課題

R&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドリュース)が発表した「Golf Around the World 2019」によると日本には述べ3,169のコース、2,227のゴルフ施設があり、世界ではアメリカに次いで2番目の規模を誇っています。

しかし一方で、国内のゴルフ人口は、少子高齢化や若者、女性層のゴルフ離れによって減少傾向にあります。

このような現状をうけ、日本ゴルフツーリズム推進協会(JGTA)や日本ゴルフ場経営者協会(NGK)は、ゴルフツーリズムについてのセミナーやプロモーションを行い、ゴルフツーリズムの認知度拡大や市場拡大を目指しています。

縮小傾向にあるゴルフ業界、インバウンド誘致は起爆剤となるか:JTB、ゴルフダイジェスト・オンラインと提携「スポーツツーリズム」推進

年々増え続ける訪日外国人観光客の増加を受け、日本国内の各企業、自治体は訪日外国人観光客誘致の取り組みを行っています。訪日外国人観光客の訪日目的として、「日本食を食べること」「ショッピング」「日本の歴史・伝統文化体験」などが多い傾向にありますが、最近ではスキーや、登山、海水浴などを楽しむために訪日する訪日外国人観光客も増え、スポーツを観光資源とした旅行形態である「スポーツツーリズム」が脚光を浴び始めています。大手旅行会社である株式会社ジェイティービー(以下、JTB)では、スポーツツーリズム関...


訪日ゴルフツーリズムを推進する重要性

訪日外国人に向けてゴルフツーリズムを推進することは、ゴルフ人口の減少を食い止めるだけでなく、ゴルフ場のある地方の活性化にも効果が期待されています。

ゴルフツーリズムをはじめとしたスポーツツーリズムは、スポーツのプレーだけでなく、観戦や周辺の観光も楽しむ旅行スタイルです。

そのため周辺の観光施設への消費拡大や、滞在の長期化などの効果が期待できます。

このような効果を見込み、観光庁やスポーツ庁は「スポーツツーリズム推進基本方針」を掲げており、日本にある観光資源とスポーツをマッチングし、さらなるインバウンド需要の喚起を目指しています。

また、日本ゴルフ場経営者協会が2018年に発表した「ゴルフ場のインバウンド意識調査第2弾」によると、現在訪日ゴルフツーリズム市場で多くを占めるのは、中国や韓国、台湾などのアジアからの訪日客であることが分かっています。

しかし今後のゴルフツーリズム推進のカギとして、アメリカやヨーロッパといった欧米豪の新規需要開拓が注目されています。

これらの地域は、長期滞在となる訪日外国人が多いことや、国内に多くのゴルフ場を有しゴルフ文化も盛んである国々です。

このことから、欧州豪からの訪日外国人を新たなゴルフツーリズムのターゲット層として捉え、インバウンド対策を行っている自治体もあります。

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近年、日本各地で「スポーツツーリズム」が盛り上がりを見せています。この背景には インバウンド市場の急激な成長、インバウンドトレンドの「コト消費」化、さらには地方創生のためのインバウンド地方誘致 などがあると考えられるでしょう。例えば、日本でも最近ブームになったサイクリング。レンタサイクルの普及や日本ならではの風景・自然を楽しめるとして、瀬戸内・しまなみ海道や、先日第一弾の取り組みについてご紹介した中国地方のサクラプロジェクトを始めとして各地でモデルルートを作成、PRを進めています。スポーツ...


国内外のゴルフツーリズム取り組み事例

認知度の低さやインフラの整備が課題となっているゴルフツーリズムですが、日本国内でゴルフツーリズムに積極的に取り組んでいる施設や自治体もあります。

ここでは、三重県、北海道の事例と、海外におけるゴルフツーリズムとしてタイでの事例について紹介します。

三重県

日本でも早い段階でゴルフツーリズムを導入した三重県では、2015年から取り組みを開始し、2018年10月に日本初となるゴルフツーリズムコンペティションを開催しました。

翌年「一般社団法人みえゴルフツーリズム推進機構」を発足し、三重県のゴルフツアー誘致を行うことで、外国人富裕層を中心とした交流人口拡大や、三重県の国際的知名度の向上を目指しています。

これらを実現するために、みえゴルフツーリズム推進機構はタイのパタヤと毎年100名規模のゴルフツアー交流を行っています。

これにより、県内のゴルフ場に訪日外国人受け入れのノウハウを共有したり、訪日外国人ゴルファーのイメージ改善につなげることに成功しています。

北海道

北海道は、ゴルフよりも先にスキーでインバウンド集客に成功しており、夏季のスポーツツーリズムとしてゴルフツーリズムの取り組みを開始しました。

北海道には150ものゴルフ場があり、夏場でも涼しく快適にゴルフプレーが可能な環境や、空港や中心都市の近辺にゴルフ場があるアクセスの良さ、食事や観光などゴルフ以外の楽しみが豊富なことなどのメリットを生かし誘致を行っています。

北海道ゴルフ協会は、海外のゴルフ協会と提携や、ウェブサイトでの発信、周辺の観光情報などの配信を行い、インバウンドに向けた認知度拡大を目指しています。

宮崎県

宮崎県は、2022年にアジア最大のゴルフツーリズムに関する商談会である「アジア・ゴルフ・ツーリズム・コンベンション(AGTC)」の開催地となりました。

AGTCでは、ゴルフツーリズムを取り扱う旅行会社やゴルフ場など、約40か国から約600名の関係者が参加し、3日間にわたり、商談、ゴルフ環境の視察等が行われる予定です。

これにより、宮崎県のゴルフツーリズムの目的地としての認知度満足度の向上や、日本全体のゴルフツーリズムの推進につながることが期待されています。

また宮崎県はゴルフツーリズムの推進に向けて、宮崎県のゴルフ環境や、食、自然などの観光資源をアピールするPR動画を作成し、情報を発信しています。


タイ

タイでは、国内のゴルフ施設が236箇所と、日本のゴルフ施設の数の約10分の1しかないのにも関わらず、多数の海外からの旅行客がゴルフを目当てに訪れています。

国際ゴルフツアーオペレーター協会(IAGTO)が毎年発表する「Golf Destination of the Year」では2012年にパタヤ、2014年にホワヒンが選出されており、特にパタヤでは年間50万人の外国人ゴルフ客を集めることに成功しています。

他にもプーケットや、チェンマイなど人気観光地周辺に、ワールドトーナメントの会場となるような世界的に有名なコースが点在していることから、タイ政府の観光庁は、公式ウェブサイトで、ゴルフを観光コンテンツのひとつとして紹介し、ゴルフツーリズムを推進しています。

またリーズナブルな価格で楽しめるのも特徴で、いつでも良好な天気の下でプレーできることや、プレーヤーひとりずつにキャディが付くこと、プレー後のマッサージやスパなども楽しめることも外国人ゴルファーをひきつける理由となっています。

さらに、「thai-golfcourse.com」webサイトでは、タイ国政府観光庁の監修のもと、タイ国内のゴルフコースの詳細や周辺の観光情報やレストラン、宿泊施設をエリア別に紹介しており、国を挙げてゴルフツーリズムを推進しています。

ゴルフツーリズム誘致で地域を盛り上げる

ゴルフツーリズムとは、ゴルフと観光を組み合わせた旅行のことで、インバウンド対策のひとつとしても注目されています。

日本は世界で2番目のゴルフ場数を誇っているにも関わらず、少子高齢化や、若者や女性のゴルフ離れにより国内のゴルフ人口が減少しています。

そこで、訪日外国人をターゲットとしたゴルフツーリズムが注目を集めています。

ゴルフツーリズムはゴルフ関連事業の盛り上げだけではなく、周辺の観光施設や宿泊施設への消費拡大にも効果が期待できます。

外国人への受け入れ施策を自治体と共に一丸となって行うことや、知名度の向上施策の検討などの課題をクリアすることが成功への道となります。

スポーツツーリズムと観光の関係/インバウンド誘致の事例・失敗例や課題は?

※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年延期され、開会式は2021年7月23日(金)、閉会式は2021年8月8日(日)となりました。2019年3月、東京オリンピック開催まで500日を切りました。また4月にはパラリンピックまで500日の節目の日となっています。2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会では、史上最多の33競技・339種目が42もの競技会場で開催されます。4月には東京オリンピックの競技日程が発表されました。今月5月9日には競技観...


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<参考>

TechNavio:Global Golf Tourism Market 2020-2024

R&A:Golf Around the World 2019

日本ゴルフ場経営者協会:ゴルフ場のインバウンド意識調査第2弾(NGK調べ)

【2023年インバウンド最新動向を予測】国・地域別デジタルマーケティング戦略


2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。

未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。

では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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