中国の電子商取引(EC)企業の京東(以下:JD)は、「618セール」の注文金額を3,438億元(約5兆8,446億円)だったと発表し、過去最高額を記録したことを明らかにしました。
品目別の詳細も公表しており、中国消費者の傾向が見て取れます。新型コロナウイルス感染症のPCR検査キットが前年比23倍の売り上げ高を記録したほか、高級ブランド商品の売り上げ高も前年の倍以上になりました。
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JD、「618セール」の注文額とその傾向を発表
「618セール」とは、中国全土のECサイトが一斉に大規模なセールを実施する初夏の一大EC商戦です。
中国全土とEC業界全体が盛り上がりを見せ、「独身の日」に匹敵するか、それ以上の規模ともいわれています。
今年2021年はJDが過去最高の売り上げを記録したということです。
過去最高の注文額、前年からは27%の増加
JDは、6月19日に2021年の「618セール」の注文額を公表しました。同社はセール期間にあたる6月1日から18日の間に合計3,438億元(約5兆8,446億円)を超える注文を扱ったということです。
これは過去最高額であり、2020年の総注文額2,692億元(4兆6,000億円)からは27.7%増加しています。
売り上げから中国消費者の傾向を分析
JDはまた、2020年よりも売り上げ結果や注文量が大きかった商品などから、消費者の傾向を分析しています。
注文数が多かった商品としては、やはりコロナの影響も少なからず反映されていたようです。たとえば、PCR検査キットの売上高はヘルスケア商品の中で伸び率が最も高い23倍になりました。
また、サービス商品もオンライン化しており、ハウスキーピングおよびクリーニングサービスの売上高は6.3倍となったほか、オンライン不動産事業の売上高は3.3倍に、自動車整備の注文数は3.8倍の増加がありました。
そして、JDが12の航空会社と協力して販売した、15種類の航空券ミステリーボックス(中身がわからない福袋のようなもの)については、28倍の売り上げ高を記録しています。
中国は現在国際的な往来を再開していないため国内での航空券だと考えらえますが、移動や旅行への意欲が現れているといえるでしょう。
さらに注目すべきは、高級ブランドが品が支持されている点です。
フェラガモ、トッズ、バリーの製品の売上高はそれぞれ前年比2.5倍、3.3倍、7倍へと増加しました。JDは、「消費者が、高級品をオンラインで購入する便利さを活用している」と述べています。
このことから、訪日旅行が停止状態の現在でも、ラグジュアリー製品をオンライン上で出品、販売するという手段は中国の消費者へのアプローチとして効果的だと考えられます。
中国新聞網によると、2021年の「618セール」では輸入商品の人気も高かったということです。JD内にはオンラインスーパーマーケット「JDスーパー」があり、輸入品も扱っています。
JDスーパーの売り上げが前年比11倍を記録した中、特に化粧品の売り上げ高は前年比27倍になりました(6月18日午前10時時点)。化粧品人気とインバウンド消費は今後も引き続き期待できるでしょう。
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<参照>
JD.COM:プレスリリース
人民網日本語版:「京東618」注文金額が記録更新 映し出される3つの消費トレンド
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