「インバウンド集客にSNSを活用したいけど方法がわからない」
以上のような悩みを抱えているインバウンド担当者は少なくありません。多くの国が隔離措置なしでの観光客の受け入れを再開し始めています。
また、日本政府観光局は「2022年度の主な取組」として、「出入国規制の動向等を踏まえた機動的なプロモーションの展開」を重点的に行うことを公表しています。
このようにコロナ禍におけるプロモーション展開の重要性が高まる中、抑えておきたいのがSNS運用によるインバウンド施策です。
この記事では、SNS運用によるインバウンド施策の有効性や運用すべきSNS、運用の成功例と運用時の注意点を解説します。
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訪日外国人の主要な情報収集手段であるSNS

SNS運用によるインバウンド施策は、非常に有効であることがわかっています。
観光庁は「訪日外国人の消費動向」において、訪日外国人が旅行前に最も役立った情報源としてSNSを挙げたことを報告しました。
出発前に役に立った旅行情報源としてSNSを挙げたのは25.3%であり、4分の1以上がSNSを情報源として利用していることがわかります。
SNSでは、日本語テキストに外国語テキストを添えたり、写真や動画を使ったりすることで国境を超えたアプローチができます。
SNSは、インバウンドを取り込むのに非常に有効な手段であるといえるでしょう。
SNS運用による具体的なインバウンド集客方法

SNS運用とはいえ、やり方はさまざまあります。
ここでは具体的なインバウンド集客方法として、以下の3つを紹介します。
- SNSアカウントを開設して運用する
- SNSに広告を出稿して運用する
- SNS上でインフルエンサーやKOLを起用する
自社のプロダクトとリソースにマッチした運用方法を選びましょう。
SNSアカウントを開設して運用する
最も基本的なSNS運用方法は、SNSアカウントを開設して運用することです。
SNSアカウントを開設して運用すれば、投稿によってユーザーとの接点を増やしたり、アクションによってユーザーへ能動的なアプローチができたりします。
しかし効果が現れるまでに中長期的な時間を必要とすることや、炎上のリスクには注意が必要です。
SNS運用担当のリソースをしっかり用意し、数字と向き合いながら時間をかけて取り組むことが大切です。
SNSに広告を出稿して運用する
SNS上に広告を出稿して運用するという手法もあります。
広告を出稿し運用していくにはそれなりのコストがかかりますが、短期的に大きな売上を生み出せる可能性があります。
広告を出稿するSNSや、SNS上でのターゲティングを正確に行うことでより低い投下コストで効果的に認知やコンバージョンを獲得できるでしょう。
ただしSNS利用者の属性には注意を払うべきでしょう。プラットフォームによっても異なりますがSNSのユーザーは若い人が多いため、年齢層によってはリーチしにくい可能性もあります。
適切なSNSで、適切なターゲティングを行い、適切な広告を回し続けるのがポイントです。
SNS上でインフルエンサーやKOLを起用する
一般ユーザーに対して影響力のあるインフルエンサーやKOLの起用も効果的です。
インフルエンサーやKOLを起用すると「広告っぽさ」を感じさせずに、一般ユーザーにアプローチできます。
さらに、インフルエンサーやKOLが抱えるフォロワーに合わせるだけなので、ターゲティングも容易です。
とはいえ、ブランドイメージと起用イメージの乖離などによる炎上リスクは付き纏います。
リテラシーの高いインフルエンサーやKOLを丁寧に選ぶことが大切です。
関連記事:「インフルエンサー」とは?意味と種類からマーケティングの注意点まで解説
インバウンド向けに運用すべき3つのSNS
いくら海外向けにSNS運用をしていても、ターゲットがそのSNSのユーザーにいなかったら意味がありません。
ここではDigital 2022を参考に、インバウンド向けに運用すべきSNSとして以下の3つを紹介します。
- YouTube
ターゲティングに合わせたSNS選定を行いましょう。
関連記事:外国人はどんなSNSを使っている? ユーザー数ランキングと注意点について
1. Facebook

Facebookは、世界で最もユーザー数が多いSNSとして知られており、そのユーザー数は約29億人です。
スマートフォンを使って利用しているユーザーが98.5%を占めており、PCのみで利用しているユーザーはわずか1.5%であることから、表示はスマートフォン用に最適化するのがいいでしょう。
特徴的なのは、Facebook広告がリーチしている層の56.6%は男性であり、特に25歳〜34歳の男性にリーチしていることです。
Facebookはインターネットユーザーの58.8%に利用されていますが、過去10年間ユーザー数を伸ばし続けています。
今後も、Facebookは世界で最もユーザー数の多いSNSであり続ける可能性が高いでしょう。
2. YouTube

YouTubeは、Facebookに迫る勢いでユーザー数を伸ばしており、現在のユーザー数は約25億人です。
毎月の利用時間においては23.7時間と、全SNSのなかでトップです。
また、YouTubeは動画コンテンツを中心としたSNSであることから、観光地のプロモーションにも最適です。
美しい景色や音など、観光地を感じさせるようなコンテンツは言語の壁を超えたアプローチを可能にします。
また、インフルエンサーやKOLとのコラボレーションもしやすいのがYouTubeの特徴です。
3. Weibo

中国はグレートファイアウォール(金盾)というインターネット検閲システムにより、世界的に利用されているFacebookなどのSNSが利用できなかったり、一部のWebサイトにアクセスできなかったりします。
よって、中国人にアプローチしたい場合には、他国へアプローチする際とは違ったSNSを利用する必要があるのです。
新型コロナウイルスによる影響を受ける前である2019年には約960万人の中国人が日本を訪れ、訪日外国人のなかでは中国人が最も多いことがわかっています。
インバウンド再開後も多くの中国人観光客が日本を訪れることが見込まれるため、中国人を意識したSNS運用は高い効果が期待できるでしょう。
SNS運用でインバウンド集客に成功した事例
ここではSNS運用でインバウンド集客に成功した例として、以下の3つを紹介します。
- 日本政府観光局(JNTO)
- 島根県出雲市
- 澤の屋旅館
成功事例には学べること、真似できることがたくさんあります。
しかし、大切なのは「どれだけSNSアカウントに人を集めたか」ではなく、「どれだけSNSアカウント経由で観光地を訪れたか」です。
SNS運用におけるKPIの設定方法に注意しつつ、自社で活用できるものは取り入れましょう。
日本政府観光局(JNTO)

日本政府観光局(JNTO)は、日本全国の観光地を素晴らしい写真とともにInstagramで発信しています。
Instagramに投稿している写真はリポストを許可したユーザーのものを使っており、キャプションはすべて英語表記です。
ストーリーズもすべて英語で表記されており、ハイライトには地域やテーマごとの魅力がまとめられています。
英語圏のインバウンドに対してInstagramを運用する際には、ぜひ参考にしたいアカウントです。
また、InstagramにおいてはインフルエンサーやKOLを起用した宣伝等で成功を収めているアカウントもあります。
インフルエンサーやKOLを起用する際には、そのインフルエンサーが抱えているフォロワーの属性が自社のターゲットとマッチしていなければ高い宣伝効果は見込めません。
フォロワーの性別や年齢層、国籍、そのインフルエンサーの投稿が正常にターゲットにリーチしているかを確認するために「インサイト」を共有してもらうといいでしょう。
どれだけ多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーでも、フォロワーを購入している可能性があるので注意が必要です。
島根県出雲市

島根県出雲市は、インバウンド向け観光PR動画「Izumo,Japan 4K(Ultra HD)-出雲」を制作し、YouTubeに投稿しました。
その動画はわずか4ヶ月で1,200万回再生され、英語だけでなくさまざまな外国語のコメントが寄せられました。
動画の内容は、高画質で出雲市の美しい光景を流すだけのもので、字幕設定することでさまざまな言語で観光地が表示されます。
映像と音が言語を超えたアプローチを可能にした非常にいい例です。
YouTubeの運用にあたっては、「登録者数」をKPIとしがちですが、目を向けるべきは「再生回数」や「コメント数」です。
どれだけ登録者数がいようとも動画が再生されていなかったり、コメントが書かれていなかったりするようでは、観光地の魅力が伝わっているとはいえません。
動画を再生したくなり、コメントをしたくなり、実際に訪れてみたくなるようなYouTube運用を心がけるべきです。
澤の屋

澤の屋は、39年間で20万人以上の外国人観光客を迎えてきた旅館です。
外国人向けに特化しており、Facebookの投稿はほとんどが英語で書かれています。
その結果、世界最大級の旅行口コミサイトである「トリップアドバイザー」からいくつもの賞を受賞しています。
外国人目線を徹底して設計されたFacebookページは、さまざまなインバウンド事業の参考となるでしょう。
フォロワーを集めることももちろん大切ですが、それ以上に大切なのが投稿の「いいね」や「シェア」の数です。
むやみやたらとフォロワーを集めても、自社に興味がない人たちを集めているのでは意味がありません。
良質なコンテンツを作成し、適切なターゲットに適切なアプローチをするよう運用するといいでしょう。
SNS運用がインバウンド施策の鍵になる
近々、日本でも隔離措置なしの観光客入国が可能になるでしょう。そのときにより多くのインバウンドを取り入れられるのは、着々と準備を進めてきた事業者です。
海外に向けてプロモーションを行い、「いつかインバウンドは再開する」と希望を捨てなかった事業者がこれからのインバウンドを手に入れるでしょう。
これからのインバウンド施策には、SNS運用が鍵になりそうです。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
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→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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