2010年代のインバウンドは、政府の強力なインバウンド関連政策の推進の甲斐あって、訪日観光客数・消費額ともに右肩上がりの成長をみせました。インバウンドは今や、日本にとって欠かせない産業となっています。
アフターコロナの世界でも、再び右肩上がりの成長をみせることが期待されているインバウンドですが、現在の日本のインバウンドの課題はどういったものでしょうか。
インバウンドが抱える課題について、根底にある要因から、解決の方向性まで含めて分析していきます。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)日本のインバウンドが抱える課題とは?
新型コロナウイルスのパンデミックにより、当初の目標であった「2020年に訪日客数年間4,000万人」は達成とはなりませんでした。
次なる目標である「2030年に訪日客数年間6,000万人」という数値に向かい、インバウンド産業を強化するにあたり、クリアすべき課題は大別して3つあると考えられます。
訪問者の国籍の偏り
1つ目は、訪問者の国籍の偏りです。コロナ前の2019年までの数値を見ていきます。


アジアからの訪日客が圧倒的に多く、2019年では全体の約85%を占めています。また、中国、韓国、台湾、香港の東アジア4カ国からの訪日客が特に多いことがわかります。
インバウンドが少ない数の国・地域に依存するのは危険であると言えます。自然災害、政情不安などの要因でそれらの国から観光客が来なくなってしまうと、産業全体が落ち込んでしまうことになるからです。
訪問地域の偏り
訪問者の国籍だけでなく、日本国内で訪問する地域にも偏りがあります。2016年の数値を見ていきます。

宿泊者数でみると、上位の10都道府県で全体の約80%を占めることになります。北海道・沖縄・福岡といった、東アジアの国からの訪日客に特に人気のあるエリア以外は、全てゴールデンルート上の都府県が上位を占めています。
他にも、地方への分散が進まない理由としては、地方空港には国際線の発着が少なく、アクセスの面で主要都市に劣ることが挙げられます。
インフラ整備の遅れ
観光インフラの整備も、特に地方部ではいまだ遅れているといえます。
多言語への対応は、訪日客にストレスなく過ごしてもらうために最重要といえます。英語だけでなく、訪問者の多い東アジアの諸言語にも対応する必要があります。
公共交通機関についても、利用方法が複雑でわかりにくいという訪日客の意見が見受けられます。動画などで適切に案内をする必要があります。
またキャッシュレス化やフリーWi-Fiの設備にも、欧米諸国と比べると改善の余地があります。
根底にある原因は何か?
ここまでインバウンドの課題を見てきました。大まかに3点に絞ってもこれだけ多くの問題点がでてきましたが、根底にある原因には共通している部分もあります。
では、主な課題の原因を絞り込んでいきます。
日本の観光スポットの認知度の低さ
アジア圏からの訪日客が圧倒的に多いということはすなわち、欧米豪からの訪日客が獲得しきれていないということになります。その原因の一つは、日本の観光スポットの認知度がまだ高くないことです。
多言語でのプロモーションが多くないため、地理的・文化的な距離が遠い欧米豪には情報が届きにくくなってしまっています。また、日本の安い宿泊施設の情報が行き届かないために、「日本旅行は高くつく」という誤った印象を持たれている、という仮説もあります。
DMOと他機関の連携不足
訪日観光客の地方への分散が進んでいないため、主要都市以外では、サービスモデルが確立されていない地域が多くあります。
地方のインバウンドの地盤強化のために、重要な役割を担うのがDMOです。自治体と各事業者の連携を促進し、マーケティングの効果を最大化する必要があります。
しかしDMOの概念自体がまだ日本に浸透していないこともあり、効果を上げている地域が少ないのが現状です。官民の一層の連携が求められます。
地方のインバウンド人材不足
前述のように、地方の観光インフラの整備は、訪日客の分散を目指すうえで急務といえます。しかし、各自治体やDMOに、観光やデジタルの分野の専門性をもった人材がいるわけではないのが現状です。
この続きから読める内容
- 富裕層のニーズに応えるコンテンツの少なさ
- インバウンドの課題に対する、解決の道筋とは?
- DMOの強化
- デジタル化の推進
- 産官学の連携による、インバウンド人材の育成
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