観光庁は9月29日、第2回「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に関する関係省庁対策会議」を開催しました。
関連省庁の局長クラスが集まり、オーバーツーリズムに対する具体的な対策を検討する本会議。2回目となる今回は、課題がすでに顕在化している地域から関係者を招き、現状と対策についてヒアリングを実施。次回の正式決定に向けて具体策の要点が提示されました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
観光庁の施策案:マナー違反防止、混雑抑制・緩和、地域住民との協働 の3つの柱
今回の対策会議で観光庁は、オーバーツーリズムへの対策として3つの柱と具体策を示しました。

1つ目は「マナー違反行為の防止」。外国人観光客でも理解しやすいピクトグラムを用いた周知や、看板等の整備など設備を拡充し、違反行為へは罰則による対処も明記されています。
2つ目の「混雑の抑制・緩和」については、以下の三つの方針に細分化され、それぞれに具体策が提示されました。
- 受入環境の整備・増強
- 需要の適切な管理
- 需要の分散・平準化
バス・鉄道の運賃・料金の柔軟な設定(地域住民と観光客の運賃を分ける)などにより、交通機関の混雑に対処します。さらに、デジタル技術による混雑状況の可視化、インセンティブを用いた空いている場所や時間帯への誘導など、特定エリアの混雑を軽減するための施策も提示されました。
3つ目は「地域住民と協働した観光振興」。観光関係者と地域住民とが協働できるよう、オーバーツーリズム対策に向けた計画の策定や取り組みを実施していくことが記されています。
施策案に対する意見交換も
オーバーツーリズムが顕在化する地域として、対策会議内のヒアリングに北海道美瑛町、神奈川県鎌倉市、京都府京都市の3自治体が参加しました。美瑛町では観光客のマナー違反による農地・私有地への悪影響、鎌倉市・京都市では混雑による地域住民の生活への悪影響が出ており、今後の具体的な施策について意見交換が行われたようです。こうした地域のオーバーツーリズム対策について、観光庁は「どの地域も『やってみたけど万策尽きた』というわけではない」としており、適切なやり方をともに考え、実証実験などをサポートしていくとのことです。
また、観光庁の具体策を受け、記者からは「空いている場所や時間帯に誘導する情報発信は、見た上で結局有名観光地に行きたいから行くという人や、そもそも見ていない人もいる。効果は見込めるのか?」といった意見も。これについて観光庁は「可視化すれば全部解決するわけではない。混んでいるのはわかっているけど行きたい人もいる」と質問に同調した上で、地域によっても状況が違うことから「全国統一のモデルが示せるわけではない」と回答。今後も各地域で取り組みを共有し、共通の知見を作る方針を示しました。
具体的な施策内容は、10月中(予定)に開かれる第3回会議で正式決定される見通しです。今回提示された施策は「地域ごとにカスタマイズする前提で、柱となる内容を決めた」とのことで、正式決定の際も、概ね今回提示された案に沿った内容になるのではないかということです。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※
外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!
さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。
成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!
最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方、
業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。
今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?
皆さまのご参加をお待ちしております!
<応募者特典>
-
イベント登壇企業の各種お役立ち資料
※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません -
本イベントのアーカイブ動画(1週間)
<本セミナーのポイント>
- 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演 - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
- 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
- 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介 - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
- トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
- 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
- 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス
詳しくはこちらをご覧ください。
→【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!