「日本のキャッシュレスやDXをもっと推進したい」決済・DX市場の業界動向と最新プロダクトをネットスターズに聞いた

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コロナ禍で急速に進んだデジタル化。インバウンド向けのサービスを展開する事業者にも、キャッシュレス決済への対応、多言語対応DXなど、デジタル技術を活用した様々な取り組みが求められています。

そこで今回は、日本国内にWeChat Payを初めて導入し、決済DXサービスをグローバルに展開してきた株式会社ネットスターズのCOO 長福氏にインタビュー。2023年に上場を果たした同社のこれまでと、2024年に向けた動きについて聞きました。国内のインバウンド向けキャッシュレス決済対応をいち早く進めたネットスターズは、日本、そして世界の決済DX市場をどう見据えているのでしょうか。

ネットスターズ COO 長福氏
▲ネットスターズ COO 長福氏


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ネットスターズとは

株式会社ネットスターズは、マルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」の提供を中心に、キャッシュレス決済DXサービスをグローバルに展開する企業です。

株式会社ネットスターズ
▲株式会社ネットスターズ

実は2015年、モバイル決済サービスWeChat Pay」を日本に初めて導入したのがネットスターズ。この導入により、中華圏からの訪日客を対象とした決済対応が充実するようになりました。

DX分野で提供するのは、セルフオーダー&キャッシュレスシステム「StarPay-Order」、業務用清掃ロボット「StarPay-Robot」など。さまざまなソリューションを活かして「省人化」を推進し、グローバルの課題解決を目指しています。

ネットスターズ公式サイト:https://www.netstars.co.jp/

COO長福氏に聞いた、ネットスターズの可能性

ーーネットスターズは、キャッシュレス決済を始めとして広くサービスを展開されていますね。

「お金の流れを、もっと円(まる)く」が我々のミッションです。「お客様のビジネスを”円”滑化したい」という思いを軸とし、キャッシュレス決済サービスはもちろんのこと、それ以外にも様々なDXサービスを提供しています。

ネットスターズ COO 長福氏
▲ネットスターズ COO 長福氏

ーー今年2023年は、ネットスターズにとってどんな年でしたか。

今年はDX関連のプロダクトが複数完成しました。例えばStarPay-Orderは、イオンシネマ様など多くの店舗で導入が決まりました。こういったサービスは2年前くらいから準備してきましたが、今年やっと本格稼働できるようになった形です。

また、やはり大きなトピックとしては9月に東証へ新規上場できたというのがあります。ただ、我々としては上場は一つの通過点だと考えており、これからお客様へ向けてさらなる価値を提供できるかが重要だと実感しております。

ーーDX関連のプロダクトについて詳しく伺いたいです。どういったことを意識して開発されているのでしょうか。

お客様にお話を伺うと、今の困りごととして「人手不足」がやはり多いので、「省人化」にフォーカスしたプロダクトの作り方を意識しています。例えば、ディスプレイ型のオーダーシステム。注文・会計を、人を介さずにできるため、省人化につながります。

また、来年からは、店舗を運営されているお客様向けにお掃除ロボットの提供も予定しています。掃除をしていた時間をそれ以外の業務に充てることができるので、これも省人化につながると考えています。

業務用清掃ロボット「StarPay-Robot」
▲業務用清掃ロボット「StarPay-Robot」

ーーお掃除ロボットは、元々提供されていた決済の分野とはかなりかけ離れている印象ですが、親和性はあるのでしょうか。

お掃除ロボットも、単なるロボットの販売ではなく、そこにソリューションを付加していきたいと考えています。例えば、ロボットにカメラをつけて、どの商品がどれくらいなくなったかを検知し、店長のスマホにその情報が届くようにする「欠品検知」の仕組み。欠品をいちはやく検知して売上ロスを減らす、そこにより便利な決済サービスやシステムを連携させていくことで、我々が他に提供するソリューションの強みとつながり、多角的に店舗課題を解決していけると考えます。

キャッシュレス決済×インバウンドについて

ーーインバウンド対応するにあたっての、御社のサービス導入のメリットは。

セルフオーダーシステムであるStarPay-Orderは、多言語に対応しています。日・中・英3言語に対応しているので、インバウンド対応としても寄与できるのではないかと思います。

ご利用いただく場所としては、例えばホテルや遊園地、小売店などを想定しており、多言語対応が必要な、チケットやお土産を買う場面などにご活用いただければと思っています。

ーー日本は、中国韓国などの他国に比べるとキャッシュレス決済は遅れているのでしょうか。

2017年頃のキャッシュレス決済率は20%くらいでしたが、現在は35%ぐらいにまで伸びています。リアル店舗でも、キャッシュレスオンリーの店が増えてきていますね。

大阪・関西万博キャッシュレスオンリーになるそうですから、キャッシュレス決済の業界はこれからますます成長していくと考えられます。

ーー今後はインバウンド領域でどんなサービスを展開していきますか。

コロナが明けてインバウンドが本格的に戻ってくるとなると、中国以外の国も重要になってきます。各国で使われているペイメントを導入することでインバウンド消費が加速できるでしょう。

日本でもそうですが、アジア各国でもいろいろなペイメント(日本でいうPayPayなど)ができてきています。それらをしっかり繋ぎこみ、シームレスに決済できるようにしていきたいですね。2025年は万博もありますし、このあとの2年間はインバウンド領域でも面白い2年になると思います。

「これからはアジアで勝負を」ネットスターズの今後

ーーインバウンド領域以外も含めて、ネットスターズの現在と、今後の可能性は。

コロナ禍の間、裏でプロダクトを磨きに磨いてきました。それをようやくオープンにできるタイミングがきたと考えており、12月のビジネスカンファレンスでもお披露目しています。ネットスターズはQRコード決済ゲートウェイ会社というイメージが定着している中、2年間で準備してきた色々なサービスを紹介すると、「いろんなサービスをやってるんですね」「よくここまで成長できましたね」といった反応が得られました。

ネットスターズ COO 長福氏
▲ネットスターズ COO 長福氏

また、今年上場ができ、決済の方でもBtoB系のサービス「StarPay-Biz」をローンチするなど、新たな挑戦を続けてきました。StarPayのマルチペイメント化にも注力しています。今後はこれらの技術をミックスして、さらにパートナー様に必要とされるプロダクトになるよう、もっと磨きをかけていきたいと考えています。

今後について、弊社は本社を日本に置く会社ですが、エンジニアは中国メンバーが多く「アジアの会社」だという意識を持っています。米国のシリコンバレーも素晴らしいですが、アジアに目を向けるともっと面白い、ローカルに根付いたビジネスがあると考えています。それぞれの国で「ローカライズ」、そして「カルチャライズ」をしながら、アジアの中で勝負をしていきたいですね。


ーーーーー

WeChat Pay」を日本へ初めて導入し、中華圏向けのキャッシュレス対応を推進したネットスターズ。今はDXソリューションの開発へと事業の幅を広げていますが、引き続き多言語対応キャッシュレス決済を便利にする取り組みを続けており、インバウンド事業者にとっても親和性の高いサービスを多く提供していると感じました。今後のネットスターズの動きにも、引き続き注目です。

なお、訪日ラボ編集部では、ネットスターズが実施したビジネスカンファレンスに参加。最新の決済DXソリューションの今を取材しました。詳細は以下の記事よりご覧ください。

関連記事:決済DX・インバウンド向け決済対応の最新ソリューション、どこまで進んだ?【ネットスターズ ビジネスカンファレンスを取材】


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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