中秋節は中国の連休で、中国政府の発表によると、2024年の中国の中秋節は9月15日(日)から17日(火)の3連休になります。
同時期の大型連休である「国慶節」の規模にはおよびませんが、中秋節の期間を利用して旅行に出かける中国人も多く、その中には訪日旅行に出かける人も一定数いると考えられます。
そこで今回は、中秋節とはどのような祝日で、2024年はいつなのか、加えて例年のインバウンド動向などを解説していきます。
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中秋節とは?
中秋節の読み方は「ちゅうしゅうせつ」で、中国を起源としてアジア各国に伝わる、五穀豊穣を祈る伝統行事の日です。
かつて中国の皇帝が旧暦8月15日に豊作を祈って音楽を奏で、月に祈りを捧げたことが由来とされています。
中秋節に見る月は、1年の中で最も美しいといわれています。日本の十五夜にあたり、中国では伝統的に家族団らんの日として知られ、月餅をお供えして満月を鑑賞しながら過ごすのが慣習となっています。
台湾や韓国でも祝われる
中秋節は中華圏の祝日として、中国だけでなく台湾や韓国でも祝われています。台湾では中国と同じように家族で過ごしたり、伝統的なお菓子である「月餅(げっぺい)」や柑橘系の果物である「文旦(ブンタン)」を食べたり、バーベキューを楽しんだりさまざまな楽しみ方があります。
韓国では、中秋節と同じ時期に「秋夕(チュソク)」と呼ばれる祝日があります。秋の収穫に感謝し先祖にお礼をする「茶礼(チャレ)」と呼ばれる祭祀を行ったり、家族が集まって墓参りをしたりします。
関連記事:中秋節、台湾ではどう過ごす?風習や欠かせないお菓子「月餅」も紹介
2024年の中秋節は9/15〜17の3日間
中秋節は旧暦8月15日にあたる日と決まっていますが、新暦に変換すると毎年日付が異なります。
2024年の中秋節について、中国政府は9月15日(日)から17日(火)までの計3日間を休暇とし、代わりに9月14日(土)を出勤日とする旨の通知を発表しています。
一方、台湾の中秋節は9月17日(火)で、休みは1日のみです。また、韓国の秋夕(チュソク)は9月16日(月)から9月18日(水)までの3日間で、土日も含めると5連休になるなど、中国とは日程が異なります。
近い祝日として「国慶節」がある
中秋節に近い祝日として、中国の建国記念日にあたる「国慶節」があります。例年10月1日が国慶節に定められていて、10月1日から7日までの一週間が連休となっています。
2023年は中秋節が9月29日(金)で、10月1日(日)の国慶節と合体し、9月29日(金)から10月6日(金)までの8連休になりました。
2024年の国慶節について、中国政府は10月1日(火)から7日(月)までの計7日間を休暇とし、代わりに9月29日(日)と10月12日(土)を出勤日とする旨の通知を発表しています。
関連記事:2024年「中国国慶節」はいつ?10月の大型連休に向け、中国インバウンドの最新動向を解説!
中秋節におけるインバンド動向は?
中秋節は国慶節と日程が近く、訪日旅行を検討する中国人の動きも見られますが、これまでこの時期のインバウンドにはどのような動きがあったのでしょうか。中秋節そのものの情報は少ないため、国慶節や周辺各国の動きも踏まえながら、コロナ禍前の2019年とコロナ禍、そして2023年のそれぞれの動向を振り返ります。
【2019年】政治情勢を受け、海外旅行先として東南アジアが人気に
訪日中国人客数は、コロナ前の2019年まで6年連続で増加し、2019年には過去最多となる年間959万人で国・地域別の訪日客数では第1位となりました。
一方、中秋節においては香港、台湾との政治的な対立が深まったことを背景に、タイやフィリピンなど東南アジアへ行く中国人が増えたようです。
また韓国では、日本の韓国向け半導体製品の輸出規制をめぐって日韓関係が悪化し、訪日旅行を控える動きが目立ちました。結果、中秋節の期間中は中国と同じく、東南アジアが旅行先として人気を集めました。
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【コロナ禍】海外旅行需要低迷、中国国内の旅行が主流に
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、隔離要請や国際線の減便などの影響で海外旅行をする人は大幅に減少しました。一方、自粛期間の反動からも旅行意欲は根強く、国内旅行から徐々に回復していきました。
中秋節と時期が近い国慶節の動向を振り返ると、2020年の期間に全国の観光地を訪れた旅行者数は延べ6億3,700万人、それに伴う観光収入は4,665億6,000万元(約7兆2,804億円)に達しました。
また、海外への団体旅行が制限されたことから、2021年、2022年と訪日中国人客は減少し、日本の消費にも影響を与えました。
【2023年】国内旅行活況、海外旅行需要も回復へ
国慶節と合体して8連休(9月29日~10月6日)の大型連休となった2023年は、国内旅行を中心に旅行需要が回復しました。この期間に中国国内を旅行した人の数は8億2,600万人で、新型コロナウイルスの影響で行動制限がかかっていた2022年から71.3%増加し、コロナ禍前を上回る結果となりました。
中国の海外旅行への需要自体も回復しており、中国国家出入国管理局の報告書によると、連休中の出入国者数の合計は1,181万8,000人(出国した人の数は594万8,000人)で、2019年と比べて85.1%まで回復しました。
2024年、中国からの訪日客数が急回復中
訪日中国人客数は、2024年に入ってから急速に回復しています。8/20時点の最新データである2024年6月の中国からの訪日客数は約66.1万人で、韓国(約66万人)に次ぐ第2位となりました。旅行消費額は国・地域別で第1位となり、コロナ禍前の水準まで回復しています。中国人の消費行動は「モノ消費」から「コト消費」へ、より満足度の高い旅行プランや体験型商品を求める傾向が高まっており、旅行消費単価の高さから日本の消費に影響を与えています。
大型連休の国慶節の前哨戦ともいえる中秋節期間、一定数の中国人が日本を訪れることが予想され、今後の中国インバウンドがどのように動くのか、その動向が注目されます。
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<参照>
中华人民共和国中央人民政府:国务院办公厅关于2024年 部分节假日安排的通知
日本経済新聞:韓国人旅行客、東南アにシフト
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