中秋節とは?国別の過ごし方や中国人のインバウンド動向・対策を解説

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中国の「中秋節(ちゅうしゅうせつ)」は、旧暦8月15日に満月を鑑賞し、豊作や家族の幸福を祈る伝統的な祝日です。

2025年の中秋節は10月6日で、中国では「国慶節」と重なったことで、8連休となっています。この期間を利用し、日本にも多くの観光客がやってくることが考えられます。

この記事では、中秋節の概要や、中国人観光客を集客する上で知っておきたいインバウンド対策について詳しく解説します。

関連記事:2025年の中秋節はいつ?中国の祝日とインバウンド動向を紹介

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中国の伝統行事「中秋節」とは?

中秋節とは、中国を起源にアジア各国へ広がった、五穀豊穣を祈る伝統行事です。「月拝祭」とも呼ばれ、日本人になじみのあるお月見に似た風習として知られています。

旧暦8月15日の夜は、月が1年でもっとも大きく明るい満月となります。明るい月の下で、故郷や愛する人を思い浮かべながら豊作と幸福を祈るのが中秋節です。

中秋節の起源は古代にまでさかのぼりますが、漢の時代に徐々に広まったと言われています。唐の時代初期に「中秋節」として確立され、宋の時代以降にはさらに盛んになりました。現在では中国本土だけでなく、台湾ベトナム韓国などでも祝われています。

2025年の「中秋節」はいつ?

旧暦で8月15日にあたる中秋節は、新暦での日付は毎年異なります。2025年の中秋節は10月6日です。2026年以降の日付は正式に発表されていませんが、例年、9月中旬〜10月上旬頃になります。

また、同じ中秋節でも、公休日は国によってそれぞれ指定されます。

中国では例年、1〜3日間の連休が設定されていますが、2025年は国慶節と合わせて、10月1日から8日まで、8日間の大型連休となっています。

一方、台湾の公休日は10月6日の一日のみです。

また、韓国中秋節にあたる「秋夕(チュソク)」は、10月5日から7日までの3日間が公休日となります。また他の祝日が重なり、2025年は7連休となりました。

日本でいうと何の日?

日本では、旧暦8月15日の夜は「十五夜」として知られます。「中秋の名月」とも呼ばれ、美しい秋の満月を愛でる日です。十五夜は、平安時代に中国から中秋節が伝わったことが由来といわれています。

十五夜には、ご先祖様の供養と五穀豊穣の祈りを捧げるという意味を込めて、さまざまなお供え物を用意します。たとえば、ススキを稲に見立てて飾り、豊作を祈ります。豆や芋、月見団子は月に見立て、供えたり食べたりします。

日本の「お月見」や「十五夜」との違い

日本の十五夜は、季節の行事の一つとして中秋節の風習を受け継いでいるものの、国民の祝日とはされていません。

一方、中国台湾などの中秋節は、正式な祝日として重要視されています。贈り物をし合ったり、家族や親戚で集まって団らんしたり、三大節句の一つとして大切にされています。

中秋節に食べる食べ物

中国では、中秋節になると「月餅(げっぺい)」を食べる文化があります。日本でも中秋の名月の時期になるとお月見団子が売られますが、中国で「月餅」を食べる文化はより根強いと言えます。

月餅とは、小麦粉と砂糖、バターなどを使ってつくる、餡子入りの焼き菓子です。満月のような丸い形が特徴で、蓮の実の餡や卵黄を入れることもあります。中国の伝統的なお菓子で、地域によって味や形に違いがあります。

中国台湾には、月餅の専門店もありますが、市場やパン屋さんなど、どこでも簡単に手に入ります。近年では、チョコレートやナッツなど現代風にアレンジした月餅も人気で、中秋節には月餅を贈り合うこともあります。個人や家族で購入するのはもちろん、取引先へのお土産や従業員への贈り物など、ビジネスシーンでもメジャーなお菓子です。

中秋節の過ごし方

中秋節の過ごし方は、国や地域によって異なります。ここでは、その一例を紹介します。

中国

中国では中秋節を「団らん節」と呼ぶこともあります。家族で集まって月餅をお供えし、満月を鑑賞しながら過ごすのが慣習です。月餅の他にも、カボチャやタニシ、サツマイモ、柑橘類のザボン、八宝鴨、板栗鴨などの伝統的な食べ物が並び、家族の絆を深めながら豊作と幸福を祈ります。

香港

香港の一部の地域では、街中がランタンで彩られ、ファイヤードラゴンダンスが行われます。火龍が街を練り歩く、伝統的なパフォーマンスが祭りの見どころです。特に大坑(タイハン)エリアのファイヤードラゴンダンスは、中国の無形文化遺産にも登録されており、香港の文化を象徴する伝統行事のひとつです。

台湾

台湾における中秋節は、家族で盛大に祝う伝統的な行事です。月餅や、果物の「文旦」を食べたり、贈り合ったりします。近年、新しい習慣としてバーベキューが広がり、家族でバーベキューや焼き肉店での食事を楽しむ風景も一般化しています。

韓国

韓国では、中秋節は「秋夕(チュソク)」と呼ばれ、親戚が集まり墓参りを行います。秋の収穫を祝う意味もあり、松餅(ソンピョン)を作り、茶礼(チャレ)と呼ばれる儀式で先祖に感謝を捧げます。帰省ラッシュの時期でもあり、日本のお盆のように公共交通機関は混み合います。

マカオ

マカオの中秋節は、大通りなどがカラフルなランタンで飾られ、祭りで盛り上がります。家族の団らんを大切にする日でもあり、親戚や家族同士で月餅を贈り合って楽しみます。

ベトナム

ベトナムにおいて中秋節は、「子どもの祭り」「集まりの祭り」「月見」などと呼ばれます。家族が集まる機会となるほか、子供たちはゲームなどをしてお菓子をもらったり、提灯を持って歩く風習があります。

シンガポール

シンガポールでは、家族や友人と提灯を持ち歩き、月見パーティーを楽しむ慣習があります。チャイナタウンには大きな灯籠が飾られ、多くの観光客が訪れておおいに盛り上がります。月餅の贈り物も盛んです。

タイ

タイでは、中華系タイ人を中心に中秋節が祝われ、バンコクや中華街が賑わいます。月餅を食べる文化は共通で、ドリアン月餅など東南アジアならではのユニークな月餅も人気のようです。

中秋節のインバウンド動向

日本政府観光局JNTO)の統計によれば、コロナ前2019年9月の訪日中国人数は81万9,054人であるのに対し、2024年9月の訪日中国人数は65万2,405人で、コロナ前の水準にまで回復していないことがわかります。

しかし、2024年の中秋節は3連休だったのに対し、2025年は国慶節と合わせて8連休になること、また、中国市場全体がコロナ前から急速に回復していることから、2025年の中秋節は訪日中国人旅行者の増加が予想されます。

実際に、2024年時点では年間訪日中国人数はコロナ前の水準に届かなかったものの、その後順調に回復し、直近8月には101万8,600人(前年同月比36.5%増)を記録。コロナ後初の単月100万人を突破しています。

関連記事:8月の訪日外客数342.8万人、中国がコロナ後初「100万人超」で1位

▲訪日中国人客数の推移(2014〜2024):日本政府観光局(JNTO)より訪日ラボ作成
▲訪日中国人客数の推移(2014〜2024):日本政府観光局(JNTO)より訪日ラボ作成

中秋節のインバウンド対策

中秋節は、国慶節ほど規模は大きくないものの、旅行需要が高まる時期として知られています。効果的に需要を取り込むためにも、訪日中国人向けのインバウンド対策についておさえておきましょう。

SNSや口コミサイトの活用

訪日中国人観光客の集客には、SNS口コミサイトの活用が有効です。

2022年12月時点で、中国のインターネットユーザーは10.67億人を超え、そのうちSNSユーザーは95.13%を占めます。

また、McKinsey&Companyの「中国消费者报告2021」によると、中国人の4人に3人がネットの口コミを参考にしており、インターネット上の口コミが非常に重要であることがわかります。

ただし、中国ではGoogleInstagramなどの利用が制限されているため、中国国内で使われている「Weibo微博)」や「WeChat微信)」などのSNSを活用する必要があります。口コミサイトとしては、「大衆点評」の活用が有効です。

これらの中には、日本からアカウントを開設できるサービスもあり、実際に多くの店舗や企業が集客に活用しています。こうしたサービスの特徴を知り、トレンドに合わせた施策検討が必要です。

関連記事:訪日中国人の集客方法をわかりやすく解説!中国人も重視する『口コミ』を活用するには?

「中秋節」限定イベントやキャンペーンの訴求

中秋節の時期に合わせて、「中秋節限定」を謳うイベントやキャンペーンで訴求するのも効果的です。

期間中にのみ使えるクーポンの配布や、限定メニュー、中秋節を祝うイベントなどが喜ばれます。店内に飾りや掲示物を用意し、雰囲気を盛り上げるのも良いでしょう。

中秋節を祝う気持ちに寄り添って工夫してみれば、訪日客に喜ばれ、リピーターになってくれたり、良い評判を伝えてくれたりする可能性があります。

中秋節以外にもある中国の祝日

中国には、中秋節以外にもさまざまな祝日があります。ここでは、主要なものをご紹介します。

春節

旧暦の正月(旧正月)で、中国でもっとも重要なイベントのひとつとして知られています。春節では、遠く離れた家族も一堂に会して、新年を盛大に祝う習慣があります。2025年の春節は、1月28日~2月4日の8連休でした。旅行需要が高まる時期でもあります。

関連記事:【中国春節2025振り返り】過去最高の延べ90.2億人が移動!人気旅行先1位は日本、人気急上昇スポットは「長崎」

清明節

祖先を供養する日で、お墓参りが行われます。旧暦3月の春分の日から15日目にあたる節句で、2025年は4月4日〜6日の3連休でした。

労働節

労働者の貢献を讃える、中国版「メーデー」です。上半期において春節の次に長い連休で、旅行需要が高まることで知られています。2025年は5月1日〜5日の5連休となり、日本のゴールデンウィークとも重なりました。

関連記事:2025年労働節から見る、中国市場の最新動向とトレンドを解説

端午節

古代中国において成立した暦上の節目の日であり、旧暦5月5日にあたります。2025年は5月31日〜6月2日の3連休でした。各地で開催されるドラゴンボートレースや、ちまきを食べる習慣などが特徴的です。

国慶節

中国の建国記念日で、1949年に中華人民共和国の成立が宣言されたことから、毎年10月1日が国慶節として定められています。北京の天安門広場では国旗が掲揚され、10年ごとの節目には軍事パレードが執り行われます。2025年は中秋節と重なり、10月1日〜8日の8連休となりました。

関連記事:国慶節とは?春節との違いや経済効果、インバウンドへの影響も解説

中秋節に向けた適切なインバウンド対策を

中秋節は、中国をはじめとするアジア各国で祝われる重要な伝統行事です。各地域の過ごし方に違いはあるものの、満月を愛で、家族や故郷に思いを馳せるという点は共通しています。

特に中国では、中秋節国慶節が重なって大型連休になる場合もあり、この時期の旅行需要を取り込むためにも、適切なインバウンド対策を実施する必要があります。

訪日ラボでは、中国市場のインバウンド対策に関するさまざまな情報をお届けしていますので、ぜひチェックしてみてください。

関連記事:インバウンドマーケティングのいろは(中国編)

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<参照>

日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
香港政府観光局:「大坑ファイヤー・ドラゴン・ダンス2025」が香港の夜を照らす 古代の儀式と現代の演出が融合する中秋節の必見イベント
マカオ政府観光局:中秋節(ムーン・フェスティバル)
山口県:ベトナムの中秋節
McKinsey&Company:中国消费者报告2021

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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