訪日中国人の集客方法をわかりやすく解説!中国人も重視する「口コミ」を活用するには?

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コロナ禍が明けてインバウンド市場が拡大するなか、中国における訪日需要も、遅れを取りながらも回復しはじめています。今後は航空便の回復に伴って、訪日中国人客数のさらなる増加が予想されます。

中国人観光客を集客するためには、中国人が情報源として重視する口コミサイトやSNSの活用が欠かせません。本記事では、インバウンド対策における中国人集客の重要性から効果的な集客方法まで、わかりやすく解説します。

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1. 中国人集客の重要性・集客すべき理由

中国インバウンド市場の回復は他の国・地域と比較して遅れていましたが、今はゆるやかな回復傾向にあります(2024年3月現在)。コロナ禍前にインバウンド市場のトップを占めていた規模感からも、今後のさらなる伸びが期待されます。

関連記事:徐々に回復しつつある中国市場、最新データに基づく見解をJNTO北京事務所長 茶谷氏に聞く

ここでは、中国人を集客すべきおもな理由と、効果的な集客方法を紹介します。

1-1. 2023年の訪日中国人数は国別で3番目

▲国・地域別訪日外客数:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成
▲国・地域別訪日外客数:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成

2023年の訪日中国人数は242万5,000人で、韓国、台湾に次いで3番目に多い結果となりました。コロナ禍前の2019年と比較すると25.3%にとどまった背景には、航空便の回復の遅れや処理水問題をめぐる日中間の摩擦の影響が考えられます。

ただし観光庁長官は会見で、処理水問題による影響は限定的だったとコメントしたほか、日本政府観光局JNTO)北京事務所長 茶谷 晋太郎氏は「基本的には訪日旅行に対する影響はすでにありません」とコメントしています。

今後は航空便の回復に伴い訪日中国人の数も増えると見込んでいて、JTBは、2024年の訪日外国人全体の数は3,310万人と予想しています。今後インバウンド市場が拡大することで訪日中国人も増加し、中国人集客がインバウンド対策の鍵となることは明白でしょう。

1-2. 国別の消費額は全体で2番目

▲国・地域別訪日外国人消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成
▲国・地域別訪日外国人消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成

2023年の訪日中国人消費額は7,599億円で、国別で第2位でした。なお、1人当たりの旅行支出は約32万円でした。訪日外国人全体における1人当たりの旅行支出の平均21万2,000円を大きく上回ったほか、2019年比で50%近く増えています。

背景には、航空便の少なさからチケット代が高騰し、富裕層が増えて1人当たりの消費額が伸びていることが考えられます。2019年には国別消費額において首位で、全体の36.8%を占めていたことから、今後の中国市場の拡大が期待できそうです。

2. 中国人集客には「口コミサイト」や「SNS」が効果的

中国では政府によってGoogleマップやInstagramなどの海外サービスの利用が制限されています。そこで中国人集客の第一歩として検討したいのが、中国国内で使われている口コミサイトやSNSです。

中国では、インターネット上の口コミが重視されています。McKinsey&Companyが報告した「中国消费者报告2021」によると、中国人の4人に3人がネットの口コミを気にすると回答しています。

さらに、インフルエンサーKOLを起用したマーケティング手法も盛んです。KOLはKey Opinion Leaderの略語で、中国においてSNSで影響力を持つ人物を指します。事業者はKOLを活用し、SNSを通じたプロモーションで商品の認知度や売り上げ向上につなげています。

中国人の認知度を上げ、集客につなげるためには口コミサイトやSNSの活用が必須なのです。

3. 中国人集客に効果的な口コミサイト

中国人集客に向けて、どの口コミサイトの活用が効果的でしょうか。訪日中国人の2人に1人が使用している口コミサイト大衆点評」と、世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」について紹介します。

3-1. 「大衆点評」

▲大衆点評:大衆点評公式サイトより編集部スクリーンショット

大衆点評とは、2003年にサービス提供を開始した中国最大級の口コミサイトです。世界中のお店の情報や口コミが掲載されており、日本では“中国版食べログ”といわれることもあります。飲食店だけでなく宿泊施設やレジャースポットなど、飲食店以外のさまざまな店舗や施設が掲載されている点が特徴です。

大衆点評の中国人ユーザーは6.78億人で、1日のアクティブユーザー数は5,000万人以上を誇るなど、中国の生活情報アプリのなかで最も多く利用されています。

日本での利用率も高く、中国政府が発表したデータによると訪日中国人全体の約45%、FIT旅行者(個人旅行者)の55%が使っていて、つまり、訪日中国人の2人に1人が利用していることになります。

店舗は大手飲食チェーンから個人経営のお店まで、日本だけでも90万店舗以上が登録されており、店舗登録自体は無料です。

なお訪日ラボを運営している株式会社movは、日本で3社しかいない大衆点評の正規代理店として中国人集客のサポートをしています。大衆点評の活用を検討している人は、お気軽にご相談ください。

→ 大衆点評の正規代理店「mov」に問い合わせる


関連記事:大衆点評とは?中国インバウンド集客に必須な理由から登録方法まで解説

3-2. 「トリップアドバイザー」

トリップアドバイザーは、世界最大級の旅行コミュニティサイトです。約830万件にものぼる宿泊施設やレストランなどの口コミ情報が掲載されています。

トリップアドバイザーの行った調査では、訪日外国人の70%以上が同サービスで情報収集をしたと回答しており、信頼性の高い口コミサイトとして支持されています。トリップアドバイザーは中国人集客に活用できるでしょう。

4. 中国人集客に効果的なSNS

中国人集客に向けて中国SNSの活用も有効です。ここでは、中国SNSで人気の 「Weibo」と「RED」を紹介します。

4-1. 「Weibo」

Weibo微博:ウェイボー)とは、SINA corporation(新浪)が2009年にリリースしたSNSです。中国版X(旧Twitter)とも呼ばれています。利用者数は8億人で、海外からも注目されているSNSプラットフォームです。短い文章をつぶやけるミニブログ機能やEC機能などを搭載しています。

登録方法についてはWeibo(微博)の登録方法は?写真付きで簡単解説 通常版と国際版との違いもの記事で紹介しています。合わせてご確認ください。

4-2. 「WeChat」

WeChatは中国ITの最大の一つであるテンセント社が2011年から提供する、メッセージアプリです。

チャットのやりとりやSNSとしての機能だけではなく、モバイル決済機能や配車、宅配、オンライン診療までもWeChat内で行える、いわゆる「スーパーアプリ」となっています。

詳しくはWeChat(微信/Weixin)とは?機能や登録方法、広告出稿をまとめて解説の記事をご覧ください。

4-3. 「RED」

3つ目として、近年急速に利用者数を伸ばしているのがREDです。

RED(小红书:シャオホンシュー)は、行吟信息科技有限公司が2013年にリリースしたSNS。女性がターゲットで美容やファッション情報が掲載されていて、トレンドに敏感な35歳以下のユーザーが多くを占めます。

“中国版インスタ”とも呼ばれ、Instagramのように他のユーザーの投稿を閲覧できるほか、ショッピング機能が搭載されていて気に入ったものを購入できます。

関連記事:【最新版】中国で人気のSNSアプリ5選!ビジネス事例も徹底解説

5. 中国人を集客するためにしておくべき準備

近年、インバウンド消費は「モノ消費」から「コト消費」へシフトし、旅行先でどんな体験をするかに価値が置かれています。とくに中国人は口コミを重視し、商品やサービスの評価は口コミですぐに共有されるため、中国人が満足できるようなサービスを提供することが重要です。

中国人の生活にはキャッシュレス決済が広く浸透しており、モバイル決済の有無が中国人集客の鍵を握ります。また、言語対応などコミュニケーション面での対策も必要です。ここでは、中国人を集客するために準備しておくべきことを紹介します。

5-1. キャッシュレス対応

中国ではモバイル決済をはじめキャッシュレス化が進んでおり、中国互聯網絡信息中心(CNNIC)の発表によると、中国のモバイル決済ユーザー数は8.5億人を超えています(2020年12月時点)。

普及した背景には、外国旅行でも現地通貨を必要としない手軽さと、コロナ禍で高まった非接触サービスへの需要があります。訪日中国人観光客の来店・購買動機を促進するために、今後のキャッシュレス対応は必須となるでしょう。

なかでもおすすめは「アリペイ」や「WeChat Pay」といった主要な電子決済アプリです。これらは中国全土だけでなく、韓国やシンガポールでも普及するなど社会インフラにもなりつつあります。導入に際しては代理店に問い合わせてみてください。

関連記事:WeChatは日本で使える?WeChat Payの日本での利用についても紹介

5-2. 中国語が話せるスタッフを雇用(可能であれば)

もちろん中国語や英語を話せるスタッフを雇用して、中国人対応ができるようになることが理想です。ただし現状で難しい場合は、それ以外にも中国人に対応する方法がいくつかあります。

まずは片言でも構わないので、身振り手振りを交えてコミュニケーションをとってみましょう。言葉が通じなくても、意外に意思疎通を取れたりします。そのほか、双方向翻訳が可能な音声翻訳機ポケトーク」を活用したり、中国語や英語対応のメニューを用意したりしてもいいでしょう。

飲食店であれば料理の写真を撮影して壁に貼るなど、視覚的に伝える工夫もおすすめです。スマホで手軽に撮影できますし、店内で指差しで会話することもできます。

6. まとめ

中国人を集客するためには、中国人に合わせた対策が必要です。とくに中国人は個人の体験談や口コミを重視するため、口コミサイトを活用した情報発信は必須となります。

先述した通り、中国最大級の口コミサイト「大衆点評」については大衆点評とは?中国インバウンド集客に必須な理由から登録方法まで解説の記事で詳しく紹介しています。

ぜひ大衆点評などの口コミサイトを活用して、中国人集客に役立ててください。

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<参照>

JTB:2024年(1月~12月)の旅行動向見通し

【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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