地域がインバウンド施策の成果を実感。DMOと事業者が連携して実現した、訪日客受け入れの最適解【豊岡DMO取材 後編】

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前編では、豊岡観光イノベーション観光DXの取り組みを紹介しました。後編では、それらの取り組みの一翼を担う地域の事業者に取材。DMOと事業者とが連携し、「まち全体で取り組む」観光DX戦略の全貌が見えてきました。

兵庫県豊岡市・城崎温泉街
▲兵庫県豊岡市・城崎温泉街:豊岡市提供

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豊岡DMOとの理想的な関係性を体現する事業者の一つ「小宿 縁」

城崎温泉街の一角にある旅館「小宿 縁」。但馬牛を使ったメニューを提供する館内レストラン、そして貸切温泉やレンタサイクルの提供などで人気を博している宿です。

豊岡観光イノベーションの一幡氏によると、ここでの施策がさまざまな面で理想的な動きだと感じているとのことで、今回は小宿 縁を運営する株式会社イースリー 代表取締役 田岡氏に取材しました。

小宿 縁を運営する株式会社イースリー 田岡氏
▲小宿 縁を運営する株式会社イースリー 田岡氏:訪日ラボ撮影

まず、小宿 縁で実施しているインバウンド対応について伺いました。

田岡氏「宿の予約前後にやりとりをして、不安を解決するようにしています。実際に泊まっていただく際の対応としては、スタッフにも英会話の学習をしてもらったりして、ようやく英語で対応できるようになったところです。チェックインする際などに『誰に話しかけても対応できる』『言語ができないなりにも笑顔で対応する』ことを心がけています」

そんな小宿 縁では、海外からの宿泊客を受け入れる中で、豊岡観光イノベーションの施策の成果を実感しているといいます。

田岡氏「宿泊客は4割の方が海外からで、米国香港台湾などが多いです。コロナ明けからは、これまで来ていなかった北欧中東など、多様な国々からインバウンド客が訪れていて、TTI(豊岡観光イノベーション)の施策の効果が出てきていると感じます」

株式会社イースリー 田岡氏
▲株式会社イースリー 田岡氏:訪日ラボ撮影

豊岡観光イノベーションは、地域の若手経営者とともに、城崎温泉における宿泊施設の宿泊予約データを面的に自動収集するシステムを構築・運用しています。小宿 縁では、このデータを随時従業員に共有。活用方法としては、たとえばデータを見て宿泊需要が少ない日は客室の値段を下げる、他の宿泊施設の料金を参考にする*、といったレベニューマネジメントに活用しているほか、レストランのシェフも仕入れの調整などに使っているといいます。

* このデータでは、選択した5施設以上の平均宿泊料金が閲覧できる

豊岡観光DX基盤
▲豊岡観光DX基盤のイメージ図 / 平均宿泊料金の閲覧画面:豊岡観光イノベーション提供

田岡氏「データを活用しているのはもちろんですし、ほかにVisit Kinosakiで特に欧米からの外国人客向けのレンタサイクル・サイクリングツアーを販売しています。他のOTAも使っていますが、今の予約はほぼVisit Kinosaki経由ですね。

城崎温泉で連泊してくれる人、滞在時間が長い人に向けての提案が少ない・できていないのがまだまだ課題だと思っていて、レンタサイクルで普段見られない場所に行くなどの体験を提供できるのはいい取り組みなんじゃないかなと。今後もVisit Kinosakiを通じて、城崎での楽しみ方を提案できたらと思っています」

まずはDMOが、事業者が使えるデータや仕組みを整備すること。そして事業者側は、DMOが作った仕組みを積極的に活用して経営に活かすこと。これにより、インバウンド客の受け入れ環境をより高度なものにしていることがわかりました。

観光案内所「SOZORO」が支える地域マーケティング

続いて伺ったのは、城崎温泉駅前の観光案内所である「城崎温泉ツーリストインフォメーション SOZORO」。現地のバス会社である全但バス株式会社が運営しており、観光客向けに現地の観光スポットやツアー&アクティビティなどの案内を行うだけでなく、豊岡観光イノベーションが進める取り組みにとって欠かせない役割を果たしているといいます。

SOZOROを運営する全但バス株式会社 栁原氏
▲SOZOROを運営する全但バス株式会社 栁原氏:訪日ラボ撮影

SOZOROの運営に携わっている全但バス株式会社 観光事業部 栁原氏がまず見せてくれたのは、施設内に展示している「観光情報口コミ掲示板」。城崎温泉街を実際に訪れた人たちが、どんな観光スポットがあるか、何が楽しかったかなどを書いて掲示するもので、半分程度が外国人の口コミとなっています。

SOZOROの「観光情報口コミ掲示板」。城崎温泉を象徴する「下駄」をデザインした用紙に、観光客が口コミを記入したものを掲示している
▲SOZOROの「観光情報口コミ掲示板」。城崎温泉を象徴する「下駄」をデザインした用紙に、観光客が口コミを記入したものを掲示している:訪日ラボ撮影

栁原氏「当時の所長が『広告色のないリアルな口コミをお客様同士で共有してほしい』という思いから設置したそうです。口コミを旅の思い出にと書いてくれる人もいれば、口コミを見て観光する場所を考える人もいます。

この続きから読める内容

  • 伝統工芸を守り、広める取り組み:麦わら細工「かみや民藝店」
  • 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
  • 【インバウンド情報まとめ 2026年2月後編】訪日中国人数6割減でも「インバウンド全体としては好調」、観光庁 / 1月の訪日外客数359.8万人、韓国が史上初の110万人超え ほか
  • 今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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