観光庁の秡川 直也(はらいかわ なおや)長官は10月16日、定例会見を行いました。
同日発表された観光庁 インバウンド消費動向調査、および日本政府観光局(JNTO)による訪日外客統計の結果について、1〜9月の累計で「昨年1年間を上回った」ことを報告しました。
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インバウンド需要「成長軌道続いている」年間3,500万人が視野に
日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計によると、9月の訪日外客数(推計値)は287万2,200人。1月〜9月の累計値は2,688万200人となり、2023年年間の訪日外客数(2,506万6,350人)を上回ったことがわかりました。
また、観光庁 インバウンド消費動向調査によると、7-9月期の訪日旅行消費額(一次速報)は1兆9,480億円で、1〜9月の累計では5.8兆円を超える見込み。こちらも2023年年間の消費額(5兆3,065億円)をすでに大きく上回っています。
秡川長官は「(訪日需要の)成長軌道は続いている」とし、年間の見通しでは「今のトレンドが続けば3,500万人が視野に入る」としました。2019年実績(3,188万人)と比較して、年間300万人以上の拡大を見込みます。
消費額については「8兆円」が視野に入る中で、人数が増加するだけでなく、1人当たり旅行消費額が22万3,000円とコロナ禍前より増えている点も評価しました。
これまでの政策についても「過去の取り組みが時間差で効いてきている」と一定の評価をした上で、「引き続き目の前のことに取り組む」と述べました。
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新内閣の方針について
石破首相は10月4日の所信表明演説で、「地方こそ成長の主役」であると位置づけ、「地方創生2.0」を政策の柱の一つに挙げています。
これについて秡川長官は、「観光を高付加価値にしていくというのが、(観光庁の)一番大きな目的の一つであり、戦略の大きな柱。それを新たな内閣でも認識いただいている」と述べた上で、今後の観光庁の取り組みでは「稼ぐ力をつける」ことが重要であるとして、生産性を向上させる施策や、人手不足に対する設備投資などを挙げました。
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2025年の目標・取り組みは
2025年に向けた目標や取り組みの方向性については、「来年の目標は(現時点では)ない」としながらも、今まで取り組んで成果が出てきたものをブラッシュアップし、かつ訪日客の人数が増えてきたときの課題をキャッチして対応していくとしました。
新たな課題の例として空港の入管・税関を挙げ、ピーク時間帯の待ち時間が増えるなどの問題が発生することを見込み、法務省、出入国在留管理庁、空港などとも連携しながら、システムなどの工夫を進めていくとしました。
最後にオーバーツーリズム対策については、「いろいろな試行錯誤が必要」だとした上で、全国で26地域を支援し、戦略的に取り組みを進めているとしています。その中でたとえば京都の「手ぶら観光」や、山形県・銀山温泉の入域制限など、各地の施策についてどういった効果があるのかを見ながら事例を集約し、他の地域にも展開できればとの考えを述べました。
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